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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.7 運用ガイド
FUJITSU Storage

C.2.4 シェルスクリプトのカスタマイズ

レプリケーションの前後処理シェルスクリプトのカスタマイズ方法を、以下に説明します。

複写元ボリュームをアンマウントしたくない場合

マウントされているがアンマウントしたくない複写元ボリュームに対しては、エディタを使用して、シェルスクリプトをカスタマイズしてください。

スクリプトのカスタマイズ方法には、以下の2通りがあります。

複写元ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行するためのカスタマイズ方法

本カスタマイズは、OSがRHEL5/RHEL6/RHEL7の場合に実施できます。RHEL5/RHEL6/RHEL7用の前処理スクリプト(RepSrc.pre)を、以下のとおり修正してください。

  • 複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の109~119、123、172行目のコメント("#")行を有効とし、109行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する

このカスタマイズは、複写元ボリュームが存在するファイルシステムがext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。

カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前処理/後処理の動作は、以下のとおりです。

表C.3 カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前後処理の動作

複写元ボリュームの状態

複写元前処理

複写元後処理

マウントされている

ファイルシステムをフリーズし、複写元ボリュームへの更新を抑制します。

メモリ内にバッファされているすべてのデータをディスクへ書き込みます。

ファイルシステムをフリーズ解除し、複写元ボリュームへの更新抑制を解除します。

カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作は、以下のとおりです。

表C.4 カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作

複写先後処理

何もしません。

複写元ボリュームに対してsyncコマンドを実行するためのカスタマイズ方法

複写元ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行できない環境の場合は、本カスタマイズを実施します。各OS用の前後処理スクリプトを、以下のとおり修正してください。

  • アンマウントしたくない複写元ボリュームに関するカスタマイズ

    • RHEL5/RHEL6/RHEL7の場合

      複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の99~106、123、172行目のコメント("#")行を有効とし、99行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する

    • SUSE Linux Enterprise Server 12の場合

      複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の93~100、104、152行目のコメント("#")行を有効とし、93行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する

  • アンマウントしたくない複写元ボリュームに対応する複写先ボリュームに関するカスタマイズ

    • RHEL5/RHEL6/RHEL7の場合

      複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の106~136行目のコメント("#")行を有効とし、106行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する

    • SUSE Linux Enterprise Server 12の場合

      複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の102~132行目のコメント("#")行を有効とし、102行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する

このカスタマイズを実施した場合、以下に注意してください。

  • 複写先ボリューム用の後処理スクリプトでは、複写先ボリュームに対してfsckコマンドを実行し、その終了を待ち合わせます。

  • 複写元ボリューム用の前処理スクリプトでsyncコマンドを実施してから後処理を実施するまでの間は、複写元ボリュームのファイルシステムを更新しないでください。ファイルシステムが更新されると、複写先のファイルシステムが不完全な状態となるか、複写先ボリューム用の後処理で実施するfsckコマンドの応答が遅くなる、またはエラーとなる可能性があります。

このカスタマイズは、複写元ボリュームが存在するファイルシステムがext2、ext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。

カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前処理/後処理の動作は、以下のとおりです。

表C.5 カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前後処理の動作

複写元ボリュームの状態

複写元前処理

複写元後処理

マウントされている

メモリ内にバッファされているすべてのデータをディスクへ書き込みます。

何もしません。

カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作は、以下のとおりです。

表C.6 カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作

複写先後処理

複写先ボリュームの整合性を確認します。