レプリケーションの前後処理シェルスクリプトのカスタマイズ方法を、以下に説明します。
複写元ボリュームをアンマウントしたくない場合
マウントされているがアンマウントしたくない複写元ボリュームに対しては、エディタを使用して、シェルスクリプトをカスタマイズしてください。
スクリプトのカスタマイズ方法には、以下の2通りがあります。
複写元ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行する (推奨)
本カスタマイズは、OSがfsfreezeコマンドをサポートしている、かつ複写元ボリュームが存在するファイルシステムがext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
複写元ボリュームに対してsyncコマンドを実行する
fsfreezeコマンドを実行できる条件を満たしていない環境の場合に、本カスタマイズを実施してください。
本カスタマイズは、OSがRHEL5/RHEL6/RHEL7の場合に実施できます。RHEL5/RHEL6/RHEL7用の前処理スクリプト(RepSrc.pre)を、以下のとおり修正してください。
複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の109~119、123、172行目のコメント("#")行を有効とし、109行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
このカスタマイズは、複写元ボリュームが存在するファイルシステムがext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前処理/後処理の動作は、以下のとおりです。
複写元ボリュームの状態 | 複写元前処理 | 複写元後処理 |
---|---|---|
マウントされている | ファイルシステムをフリーズし、複写元ボリュームへの更新を抑制します。 メモリ内にバッファされているすべてのデータをディスクへ書き込みます。 | ファイルシステムをフリーズ解除し、複写元ボリュームへの更新抑制を解除します。 |
カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作は、以下のとおりです。
複写先後処理 |
---|
何もしません。 |
複写元ボリュームに対してfsfreezeコマンドを実行できない環境の場合は、本カスタマイズを実施します。各OS用の前後処理スクリプトを、以下のとおり修正してください。
アンマウントしたくない複写元ボリュームに関するカスタマイズ
RHEL5/RHEL6/RHEL7の場合
複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の99~106、123、172行目のコメント("#")行を有効とし、99行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
SUSE Linux Enterprise Server 12の場合
複写元ボリューム用の前処理シェルスクリプト(RepSrc.pre)の93~100、104、152行目のコメント("#")行を有効とし、93行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
アンマウントしたくない複写元ボリュームに対応する複写先ボリュームに関するカスタマイズ
RHEL5/RHEL6/RHEL7の場合
複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の106~136行目のコメント("#")行を有効とし、106行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
SUSE Linux Enterprise Server 12の場合
複写先ボリューム用の後処理シェルスクリプト(RepDst.post)の102~132行目のコメント("#")行を有効とし、102行目のif文の条件式に対象となるデバイス名を記入する
このカスタマイズを実施した場合、以下に注意してください。
複写先ボリューム用の後処理スクリプトでは、複写先ボリュームに対してfsckコマンドを実行し、その終了を待ち合わせます。
複写元ボリューム用の前処理スクリプトでsyncコマンドを実施してから後処理を実施するまでの間は、複写元ボリュームのファイルシステムを更新しないでください。ファイルシステムが更新されると、複写先のファイルシステムが不完全な状態となるか、複写先ボリューム用の後処理で実施するfsckコマンドの応答が遅くなる、またはエラーとなる可能性があります。
このカスタマイズは、複写元ボリュームが存在するファイルシステムがext2、ext3、ext4、またはXFSの場合だけ可能です。
カスタマイズしたスクリプトによる複写元ボリュームの前処理/後処理の動作は、以下のとおりです。
複写元ボリュームの状態 | 複写元前処理 | 複写元後処理 |
---|---|---|
マウントされている | メモリ内にバッファされているすべてのデータをディスクへ書き込みます。 | 何もしません。 |
カスタマイズしたスクリプトによる複写先ボリュームの後処理の動作は、以下のとおりです。
複写先後処理 |
---|
複写先ボリュームの整合性を確認します。 |