一括コマンドによる切替えを実施します。
切替え情報を自動採取する設定が有効になっている場合、一括コマンドによる切替えを行うことで設定が無効になります。
イメージの保守モードが設定されている場合、一括コマンドの実行前に、以下のコマンドでイメージの保守モードを解除してください。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=false <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=false <RETURN>
サイト切替えの場合
切替え先サイトで一括切替えコマンドを実行し、サイトを切り替えます。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxrecovery <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxrecovery <RETURN>
テナント切替えの場合
切替え先サイトで一括切替えコマンドを実行し、テナント切替えを実施します。
注意
切替え元サイトに残る最後のテナントの切替えを実施する場合、-tenantオプションに加えて、-globalオプションも追加で指定してください。Active-Active運用では、-globalオプションは使用しないでください。
Active-Active運用でテナント(tenant1)を切り替える場合
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxrecovery -tenant tenant1 <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxrecovery -tenant tenant1 <RETURN>
Active-Standby運用でテナント(tenant2,tenant3)を切り替える場合(切替え後、切替え元サイトにテナントが残らない場合)
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxrecovery -tenant tenant2,tenant3 -global <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxrecovery -tenant tenant2,tenant3 -global <RETURN>
rcxrecoveryコマンドについては、「B.2 rcxrecovery」を参照してください。
rcxrecoveryコマンドの切替え処理状況は、出力されるメッセージ、またはDR実行ログで確認してください。
DR実行ログについては、「D.2 rcxrecoveryコマンドに関するログ」を参照してください。
また、手動操作や、切替え実行者の判断が必要な以下の操作は問い合わせがあります。問い合わせに答えて、コマンドを継続してください。
VMwareの仮想L-Server切替え(VMゲスト)の場合、以下のメッセージが表示されます。
切替え先サイトにて事前構築していたネットワーク設定について、cleanupされた"ネットワークリソースに対応する"ネットワーク設定を手動で削除する必要があります。また、切替え元サイトにて事前構築していたネットワーク(仮想スイッチ・ポートグループ)を手動で作成する必要があります。
操作が完了したあと、"y"を入力して、コマンドを継続させてください。
For network resources that have been cleaned up, clear their network configurations manually using VM management software or the network devices. Also, if you have manually configured the network on the primary site, configure the network for the backup site again. Press [y] when the reconfiguration is complete. : y
切替え対象サーバにVMware ESXiがインストールされている物理L-Serverがある場合、rcxrecoveryコマンドの途中で、SVOMへのVMホストの登録、および本製品のマネージャーへの本製品のエージェントを登録する必要があります。
SVOMへのVMホストの登録、およびマネージャーへのエージェントの登録が完了するまで待ち合わせますので、作業が完了したらコマンドを継続させてください。
なお、待ち合わせが発生した時点で、すでに本製品のマネージャーに本製品のエージェントが登録されている場合、本製品のエージェントの登録は必要ありません。
一括コマンドの実行前にイメージの保守モードを解除した場合、必要に応じて以下のコマンドでイメージの保守モードを設定してください。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=true <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=true <RETURN>
参考
ストレージのマッピング
切替え元サイトと切替え先サイトのストレージの対応関係を定義したファイルにしたがって、ストレージリソースのマッピングを行います。
インポート資源の分離
以下の単位でインポートリソースを分割します。
切替え先サイトの業務で使用していた以下の環境を削除します。
以下の情報をインポートします。
Active-Active運用の場合、切替え先サイトには、切替え元サイトと切替え先サイトの課金情報がマージされて登録されています。課金情報を確認し、必要に応じて課金情報の変更、削除を行ってください。
課金情報の変更と削除については、「運用ガイド CE」の「15.3 課金情報の運用」を参照してください。
注意
構築済みの物理サーバと関連付けたL-Serverは、Disaster Recoveryの復旧の対象外です。
切替え後に再度L-Serverと関連付ける運用を容易にする場合、事前に以下のrcxadm configコマンドを切替え元サイトで実行し、設定情報を退避しておいてください。
【Windowsマネージャー】
>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm config filter -convert -indirindir-outdiroutdir <RETURN>
【Linuxマネージャー】
# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm config filter -convert -indir indir -outdir outdir <RETURN>
outdirにconvert.txtというファイル名で以下の情報が出力されます。
復旧手順が完了したあと、以下の内容でL-Serverの関連付け、およびscopeの再設定を行ってください。
[command] rcxadm lserver convert -with BX900_1 -name physical_lserver_1 rcxadm lserver convert -with BX900_3 -name physical_lserver_2 -to /tenant_1 rcxadm lserver convert -with BX900_6 -name physical_lserver_3 -label test_label3 -comment test_comment3 -to /folder_1 [user] user_1, physical_lserver_1 user_1, /tenant_1/physical_lserver_2 user_2, /folder_1/physical_lserver_2 [usergroup] usergroup_1, physical_lserver_1 usergroup_2, /folder_1/physical_lserver_3
FQDNを切替え先サイトに引き継ぐ運用を行う場合、RORコンソールを使用するクライアントは、切替え完了後にWebブラウザのキャッシュ(インターネットの一時ファイル)をクリアしてください。
テスト証明書を使用する運用で、導入時に切替え先サイトの証明書をブラウザにインポートしていない場合はインポートしてください。
詳細は、「導入ガイド CE」の「第5章 ブラウザへの証明書のインポート」を参照してください。
Disaster Recoveryで切替え先サイトに切替えを実施した際、インポートの失敗により切替えできないことがあります。このような場合、インポート失敗時の異常に対処した後、再度切替えを実施します。
途中まで切替え処理が実施されていた場合、再度切替えを実施すると、すでに切替え済みのリソースに対する処理はスキップされ、切替えが実施されていないリソースに対する処理が実施されます。
切替え先サイト構成情報をクリアする指定(-nocleanupオプションを設定しない場合)で切替えを実施した場合で、"cleanup of resources"の処理が"completed"となった場合には、-nocleanupオプションを付加して再度切替えを行ってください。
L-ServerのインポートでVMゲストが復旧できなかった場合の例を以下に説明します。
例
例1
インポートで異常が発生したため、以下のエラーが表示されます。
>rcxrecovery <RETURN>
FJSVrcx:ERROR:62569:/tenant1/l-platform1/l-server1:lserver:import was interrupted. Message=:67154: VM Guest not found
エラーの原因を特定するため、当該リソースの状態を表示します。
>rcxadm config show -type lserver -name /tenant1/l-platform1/l-server1 -dir dir1 -format xml<RETURN>
-dirでは以下のフォルダーの中でエクスポート日付が最新のフォルダーを指定してください。
【Windowsマネージャー】
【Linuxマネージャー】
問題が発生したリソースをエクスポートファイルから削除します。削除したリソース名は記録しておいてください。
>rcxadm config filter -exclude lserver -name /tenant1/l-platform1/l-server1 -indirdir1-outdirdir2 <RETURN>
再度、インポートを実施します。
>rcxrecovery-nocleanup<RETURN>
例2
インポートで異常が発生したため、以下のエラーが表示されます。
>rcxrecovery <RETURN>
FJSVrcx:ERROR:67335:registering of VM guest failed. detail=(registervm L-ServerB-2:task result error, vmerrno=104,ip=192.168.201.70,host=192.168.201.115)
異常が発生したL-Serverを特定します。
切替え情報格納フォルダー配下で、エクスポート日付が最新のフォルダー内にあるl_servers.xmlファイルを確認してください。
【Windowsマネージャー】
fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー\ManagerExport\RORエクスポート日付\l_servers.xml
【Linuxマネージャー】
fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー/ManagerExport/RORエクスポート日付/l_servers.xml
xmlファイル内で、エラーメッセージに表示されたVMゲスト名(L-ServerB-2)を検索し、そのエントリが含まれるL-Serverタグのnameとidを確認してください。
<LServer name="L-ServerB" id="******"> ... <VmGuest name="L-ServerB-2">
切替え情報格納フォルダー配下にあるresource_folders.xmlを確認します。
xmlファイル内に、手順2.で確認したidのL-Serverが含まれるL-platformとテナントが存在した場合、その名前を確認してください。
<Folder name="TenantB" tenant="TENANT"> ... <Folder name="L-platformB" tenant="LPlatform"> ... <LServer name="L-ServerB" id="******">
問題が発生したリソースをエクスポートファイルから削除します。削除したリソース名は記録しておいてください。
>rcxadm config filter -exclude lserver -name /tenantB/l-platformB/L-ServerB -indir dir1 -outdir dir2 <RETURN>
-nameに手順2.~3.で確認したテナント名、L-Platform名、L-Server名をスラッシュ("/")で繋げて指定してください。
テナントに含まれる場合
/tenantB/l-platformB/L-Server-B
テナントに含まれない場合
/L-Server-B
-indirに手順2.で確認したフォルダーを指定してください。
【Windowsマネージャー】
fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー\ManagerExport\RORエクスポート日付
【Linuxマネージャー】
fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー/ManagerExport/RORエクスポート日付
再度、インポートを実施します。
>rcxrecovery-nocleanup<RETURN>
【OVM for SPARC】
クローニングイメージを復旧させる場合は、切替え完了後に、切替え先サイトにて以下の手順を実行してください。
詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 CE」の「8.3.7 イメージ情報の同期」を参照してください。
OVM for SPARCを切替えた場合、auto-boot?の値は"true"になります。
auto-boot?の値を"false"で運用する場合には、切替え後にOVM for SPARC上でauto-boot?の値を"false"に変更してください。
切替えの前後で、NICのMACアドレスが異なる値になることがあります。その場合、ゲストOSでのNICの認識順にも影響が発生します。
切替え前のIPアドレスによる通信が、切替え後にもできるか確認してください。通信できない場合、ゲストOS上でのネットワークの設定変更、およびVM管理製品でのNICの設定変更を行ってください。
切替え対象にデータディスクが接続されている、かつ、ゲストOS上でZFSを使用している場合、切替え後はルート以外のZFSストレージプールがエクスポートされた状態になります。
ゲストOSの起動後に、必要に応じてZFSストレージプールのインポートを行ってください。ZFSストレージプールが一時的にエクスポートされた状態になることで影響を受けるサービスがある場合は、再起動などの対処を行ってください。
ZFSストレージプールのインポート方法については、Solaris OSのドキュメントを参照してください。
ポイント
切替え情報を自動採取する設定が有効である場合、クリーンアップを行うことで設定が無効になります。
「4.2.16 構成情報のエクスポートと切替え情報の自動採取の再開【切替え先サイト】」を参照し、必要に応じて設定を有効にしてください。