SAN 環境においては、ディスク装置に格納されるデータは大容量化し、ディスク装置に対する入出力データの処理量もますます増大しています。
ここでは、大容量データの管理に適した、柔軟なディスク構成と I/O 負荷分散を実現する機能について説明します。
注意
論理パーティション分割、ディスクコンカチネーション、ディスクストライピングは、ローカルディスクおよび共用ディスクに対して適用できます。システムディスクには適用できません。
論理パーティション分割とは、ディスクラベル(パーティションテーブル)によるディスクスライス管理に基づかずに、GDS 独自の方法で、物理ディスクを論理的なデバイスに分割する機能です。
Linux システムの物理ディスクでは、通常、使用できるパーティションは最大 128 個です。
GDS を使用すると、物理ディスクや、ディスクに相当するオブジェクトを、最大 1024 個の論理的なデバイスに分割して使用することができます。
詳しくは、「2.1.4 論理ボリューム」および「B.1.4 sdxvolume - ボリュームの操作」を参照してください。
ディスクコンカチネーションとは、複数の物理ディスクを連結して、1 つの論理的な大容量ディスクとして扱う機能です。
ディスクコンカチネーション機能により、1 つの物理ディスクの容量に制約されずに、大容量な論理ディスクデバイスが構成できます。
ディスクストライピングとは、データを一定のサイズに分割して、複数の物理ディスクに順々に縞状に割り当てる機能です。
ディスクストライピング機能により、分割した I/O を複数の物理ディスクに振り分けて同時に発行して、I/O 負荷を分散することができます。
コンカチネートしたディスクをストライピングすることもできます。
コンカチネーションとストライピングは、データの冗長性を提供しません。むしろ、多数のディスクを使う分、通常のディスクを単体で使用する場合よりも、ディスク故障によってデータが破損する頻度は高くなります。
GDS では、コンカチネートあるいはストライピングしたディスクをミラーリングすることによって、大容量化や I/O 負荷分散と同時に、データを冗長化することができます。コンカチネーションまたはストライピングを使用する場合には、ミラーリングと併用することを推奨します。