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PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.5
FUJITSU Software

1.5 プロキシボリューム

業務アプリケーションが使用しているボリュームのスナップショット (ある時点における複製) を、別のボリュームに作成することができます。前者のボリュームをマスタボリューム、後者のボリュームをプロキシ (代替) ボリュームと呼びます。

このプロキシボリュームを使うことにより、さまざまな問題を解決することができます。例えば、データが大規模化しているシステムにおいて、バックアップを採取するために、長時間システムを停止することは実際には困難になってきています。

従来型の方式で、夜間に業務を停止してバックアップを採取しようとしても、明朝の業務再開時刻までに大規模データのバックアップを完了させることは難しく、さらにインターネットの普及やサービスの多様化などによって、夜間でさえ業務を停止させることができなくなってきているからです。

図1.32 24 時間運用システムが抱える問題点

プロキシボリュームは、業務で使用しているマスタボリュームとは独立してアクセスすることができるため、業務アプリケーションを動作させている最中に、並行してバックアップアプリケーションを動作させることが可能です。このような運用を行うことで、バックアップ時間を心配する必要が一切なくなります。

このように、プロキシボリュームを使用すれば、バックアップ、データ解析、さまざまな検証作業、あるいは被災からのデータ保護といった業務を、主業務に影響を与えることなく行うことができます。

図1.33 プロキシボリュームを利用したバックアップ

ルートボリューム (システムボリューム)、単一サーバ構成のローカルボリュームから、クラスタシステム構成の共用ボリュームまで、GDS が管理している任意の論理ボリュームどうしをマスタボリュームあるいはプロキシボリュームとして利用することができます。また、アクセス制御機能をはじめとする、GDS が持つさまざまなボリューム管理機能と一貫性のあるスナップショット運用が構築できます。

図1.34 ボリューム管理機能との連携

ここでは、プロキシボリュームを利用したスナップショット機能について説明します。