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PRIMECLUSTER  Cluster Foundation 導入運用手引書 4.5
FUJITSU Software

7.4.4 構成設定の方法

シャットダウン機構の構成やRMSのさまざまな重みの定義を行う場合、システム管理者は、クラスタパーティションを最終的にどのような形で解決するかを考慮する必要があります。

典型的な方針は以下のとおりです。

クラスタノードと定義されたアプリケーションの両方に重みを適用すると、クラスタ構成のどの部分をクラスタパーティション解決後に残すのかを定義することもできます。以下の設定を行うことにより、システム管理者はシャットダウン機構に対してクラスタパーティションの後に何を残すのかを指定することができます。

最大のサブクラスタを残す

この方針では、システム管理者は、クラスタパーティションの後に残すノードの最大数を指定するにとどまり、具体的にどの物理的ノードを残すのかは考慮しません。RMSがアプリケーションを管理している場合、RMSは、クラスタパーティションの解決が成功した後に、残ったクラスタノードにアプリケーションを移動します。

この機能を使用するには以下のようにします。

SFの重みおよびRMS ShutdownPriorityのデフォルト値から、システム管理者がクラスタパーティション解決の結果について特に指定しなかった場合は、デフォルトの最大のサブクラスタを残すが選択されます。

特定のハードウェアを残す

この方針では、システム管理者が、クラスタ全体が正常に動作するために不可欠なハードウェアを含む1つ以上のノードを指定します。

この機能を使用するには以下のようにします。

たとえば、重要なハードウェアを含むノードが2つ存在する4つのノードのクラスタで、この重要なノードのSFの重みを10に設定し、それ以外のノードのSFの重みを1に設定します。このように設定すると、重要でないノードの重みの和は、重要なノード1つの重みを超えることはありません。

特定のアプリケーションを残す

この方針では、システム管理者が、アプリケーションが現在Onlineであるノード上のアプリケーションを残すことが、ノードを残すことよりも重要であると判断しています。これは、問題のアプリケーションを制御するためにRMSが使用される場合にのみ適用が可能です。この方針は、重要であると判断されたアプリケーションが2つ以上あり、かつ、異なるクラスタノード上で実行されている場合、複雑になる可能性があります。クラスタパーティション状態では、すべてのアプリケーションが残るわけではないため、クラスタパーティションが解決された後にRMSによる切替えが必要になる場合があります。

この機能を実行するには、以下の設定を行います。

例として、3つのアプリケーションが存在する4つのノードのクラスタについて考えます。すべてのノードのSFの重みを1に設定し、3つのアプリケーションのShutdownPriorityをそれぞれ、50、10、 10に設定します。これにより、ShutdownPriorityの値50を持つアプリケーションはいかなる場合も残り、さらに、このアプリケーションが稼動するサブクラスタも常にクラスタパーティション後に残ります。この例についてさらに説明すると、クラスタノードA、B、CおよびDがあり、それぞれ重みとして、1が設定され、App1、App2およびApp3には、ShutdownPrioritiesとしてそれぞれ、50、10、および10が設定されているとします。App1が稼動するノードDが、アプリケーションApp2およびApp3が稼動するノードA、BおよびCを対象にクラスタパーティションの状態に陥ったという最悪の場合でも、サブクラスタの重みは、Dが51、A、B、Cの合計が23になります。このようにして、最も重いサブクラスタ (D) が勝ち残ります。