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PRIMECLUSTER  Cluster Foundation 導入運用手引書 4.5
FUJITSU Software

1.3 クラスタ構成のバックアップおよびリストア (CCBR)

注意

CCBRは、PRIMECLUSTER関連の構成情報のみをバックアップします。

CCBRを使用すると、あるクラスタノードごとに現状のPRIMECLUSTER構成情報を簡単にバックアップすることができます。 また、ノードのアップデートにより重大な問題や障害が発生し、アップデート されたノードを元に戻す必要がある場合に、いつでも元に戻すことができます。 CCBRは、バックアップおよびリストアをノード単位で行います。 複数のクラスタノードは、それぞれのノードでバックアップおよびリストアを行う必要があります。

CCBRには、以下のコマンドが用意されています。

cfrestore(1M) の実行後に、RMSを起動するには、RMS構成定義ファイルを再配布する必要があります。RMS構成定義の再配布が完了した時点で、以下の処理が完了しています。

RMS構成の配布の詳細については、“PRIMECLUSTER RMS導入運用手引書”の“3.4 RMS構成定義ファイルの作成と配布”を参照してください。

注意

  • cfrestore(1M) コマンドでPRIMECLUSTERの構成を正しくリストアできるようにするには、バックアップ作成時以降にハードウェアまたはオペレーティングシステムの変更がないこと、および、インストールされているPRIMECLUSTER製品のバージョンが同じであることを確認してください。

  • 一部のPRIMECLUSTER製品では、インストールまたは再インストールによりカーネルドライバが追加されるため、デバイスの再構成が行われる場合があります。 通常これで問題が生じることはありません。 しかしながら、ネットワークインタフェースカード (NIC) の装着、取り外し、交換、移動が行われていると、デバイスのインスタンス番号 (/dev/hme2の2番など) が変更される可能性があります。 この種の変更が発生すると、リストアされたPRIMECLUSTERの構成が無効になる可能性があります。

cfbackup(1M) およびcfrestore(1M) は、フレームワークとプラグインで構成されています。 フレームワークとプラグインには以下のような機能があります。

  1. フレームワークは、SMAWcfパッケージのプラグインを呼び出します。

  2. このプラグインは、あらかじめ定義されたリスト、ログファイル、およびエラーログファイルの作成および更新を行います。

  3. インストール済みのPRIMECLUSTER製品の全プラグインが、名前順に呼び出されます。

  4. すべてのプラグインの処理が完了すると、バックアップディレクトリのアーカイブ (tar形式) が作成され、圧縮されます。

  5. バックアップの完了が記録され、ログファイルのファイルロックが開放されます。

cfbackup(1M) コマンドは、PRIMECLUSTERを構成する各ノード単位で実行され、そのノードに存在するすべてのクラスタの構成情報をバックアップします。 このコマンドを正しく運用するには、すべてのクラスタノードで同時に実行し、関連するすべてのPRIMECLUSTER構成情報をバックアップする必要があります。 cfbackup(1M) コマンドは必ずrootで実行します。 バックアップ処理が中止された場合、CCBRアーカイブは作成されません。 いずれかのプラグインでバックアップ処理が失敗すると、コマンドの処理は次のプラグインには進まずにそこで中止します。cfbackup(1M) は成功すると0 (ゼロ)、失敗すると0以外の値で復帰します。

cfrestore(1M) コマンドは、PRIMECLUSTERを構成する各ノード単位で実行され、それまでにバックアップされたPRIMECLUSTER構成情報のすべてをCCBRアーカイブからリストアします。 ノードは、シングルユーザモードで、かつCFがロードされていない状態であることが必要です。 クラスタ構成で運用中のノードでは実行できません。 cfrestore(1M) コマンドは必ずrootで実行します。 cfrestore(1M) は成功すると0 (ゼロ)、失敗すると0以外の値で復帰します。

cfrestore(1M) が成功した後で、必ず再起動してください。cfrestore(1M) が途中で終了した場合は、構成の更新が完了していない可能性があるため、失敗の原因を詳しく検討する必要があります。

注意

  • cfbackup(1M) コマンドおよびcfrestore(1M) コマンドは、多重実行はできません。1ノード上では、1つだけ実行してください。マルチユーザモードではcfbackup(1M) コマンドが実行可能で、シングルユーザモードではcfrestore(1M) コマンドのみ実行可能です。

  • 一部のPRIMECLUSTER情報は、ノードがクラスタに参入した時点で渡されます。 リストアされた情報は使用されません。 このPRIMECLUSTER情報をリストアし、使用するためには、クラスタ全体をダウンさせ、クラスタを生成する最初のノードにリストアされたデータを保持させる必要があります。

cfbackup(1M) およびcfrestore(1M) コマンドが動作するためには、不可欠なファイルやディレクトリがあります。 それらを以下に説明します。

参照

cfbackup(1M) および cfrestore(1M) の詳細については、“PRIMECLUSTER 活用ガイド<コマンドリファレンス編>”の cfbackup(1M) および cfrestore(1M) を参照してください。

1: バックアップ

fuji2# cfbackup 

このコマンドは、システムfuji2に存在するすべてのCCBRプラグインの構成定義ファイルをバックアップし、検証します。

cfbackup(1M) コマンドは以下のような出力を行います。

# cfbackup
01/16/03 17:21:39 cfbackup 11 started
01/16/03 17:21:40 active cluster nodes:
Node    Number  State   Os      Cpu
fuji2   1       UP      Solaris Sparc
fuji3   2       UP      Solaris Sparc
01/16/03 17:21:40 installed ccbr plugins:
FJSVwvbs.pi
SMAWcf.pi
SMAWdtcp.pi
_rmswizvalidate
_sample.pi
rmswizbackup
rscmgr.pi
sfbackup
sfvalidate
01/16/03 17:21:40 validate started
01/16/03 17:21:40 validate ended
01/16/03 17:21:40 validate started
01/16/03 17:21:40 validate ended
01/16/03 17:21:40 FJSVwvbs: validate started
01/16/03 17:21:40 FJSVwvbs: validate ended
01/16/03 17:21:40 SMAWcf: validate started for
/var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11
01/16/03 17:21:40 SMAWcf: validate ended
01/16/03 17:21:41 SMAWdtcp: validate started
Checking for file /etc/dtcp.ap
Checking for file /etc/inittab
01/16/03 17:21:41 SMAWdtcp: validate ended
01/16/03 17:21:41 validation failed in /opt/SMAW/ccbr/plugins/rmswizbackup
01/16/03 17:21:41 rscmgr.pi: validate started
01/16/03 17:21:41 rscmgr.pi: validate normal ended
SMAWsf validation begins .....
Validation done. No problems found .....
Please read the validation report
/var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11/sf/backupvalidatelog
01/16/03 17:21:41 cfbackup 11 ended unsuccessfully.

この出力は、rmswizbackupに問題があり、cfbackup(1M) が正常に終了しなかったことを示しています。 この場合、サブディレクトリ/var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11が生成されます。 このディレクトリに、rmswizbackup.blogおよびerrlogが保存されます。

rmswizbackup.blogファイルの出力は以下のとおりです。

01/16/03 17:21:40 rmswizbackup: validate started
01/16/03 17:21:40 rmswizbackup: validate ended

errlogの出力は以下のとおりです。

01/16/03 17:21:40 cfbackup 11 error log started
Environment variable $CCBROOT not set ...
/opt/SMAW/ccbr/plugins/rmswizbackup[66]:
/opt/SMAW/ccbr/plugins/rmswizvalidate: not found

cfrestore(1M) を実行するには、ノードはシングルユーザモードで、かつCF がロードされていない状態であることが必要です。

以下のファイルは、cfrestore(1M) を実行中は別々に扱います。

cfrestore(1M) コマンドは以下のような出力を行います。

2: リストア

fuji2#  cfrestore 11

このコマンドは、cfbackup 11の構成設定ファイルをfuji2にリストアおよび検証します。

cfrestore(1M) コマンドは以下のような出力を行います。

01/16/03 17:35:28 cfrestore 11 started
01/16/03 17:35:28 extract files from tar archive
x ., 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc/opt, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc/opt/FJSVwvbs, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc/opt/FJSVwvbs/etc, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc/opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf, 834 bytes, 2 tape blocks
x ./root/etc/opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf, 260 bytes, 1 tape blocks
x ./root/etc/default, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/etc/default/cluster, 136 bytes, 1 tape blocks
x ./root/etc/default/cluster.config, 144 bytes, 1 tape blocks
x ./root/etc/cip.cf, 279 bytes, 1 tape blocks
x ./root/var, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/var/adm, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./root/var/adm/cfreg.data, 216 bytes, 1 tape blocks
x ./OS, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./OS/etc, 0 bytes, 0 tape blocks
x ./OS/etc/hosts, 195 bytes, 1 tape blocks
x ./errlog, 92 bytes, 1 tape blocks
x ./ccbr.cluster.list, 79 bytes, 1 tape blocks
x ./ccbr.plugin.list, 33 bytes, 1 tape blocks
x ./pirc, 2 bytes, 1 tape blocks
x ./FJSVwvbs.blog, 172 bytes, 1 tape blocks
x ./SMAWcf.blog, 242 bytes, 1 tape blocks
x ./FJSVwvbs.id, 36 bytes, 1 tape blocks
x ./saved.files, 160 bytes, 1 tape blocks
x ./SMAWcf.id, 20 bytes, 1 tape blocks
01/16/03 17:35:28 this backup (/var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11) created on 
01/16/03 17:26:32
01/16/03 17:35:28 nodes in the cluster were:
Node    Number  State   Os      Cpu
fuji2   1       UP      Solaris Sparc
fuji3   1       UP      Solaris Sparc
Are you sure you want to continue (y/n) y
01/16/03 17:36:02 FJSVwvbs: validate started
01/16/03 17:36:02 FJSVwvbs: validate ended
01/16/03 17:36:02 SMAWcf: validate started for /var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11
01/16/03 17:36:02 SMAWcf: validate ended
01/16/03 17:36:02 cfrestore: The following files will be automatically restored:
/etc/opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf
/etc/opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf
/etc/opt/FJSVwvbs/etc
/etc/opt/FJSVwvbs
/etc/opt
/etc/default/cluster
/etc/default/cluster.config
/etc/default
/etc/cip.cf
/etc
/var/adm/cfreg.data
/var/adm
/var
/.
112 blocks
01/16/03 17:36:02 FJSVwvbs: restore started
01/16/03 17:36:02 FJSVwvbs: restore ended
01/16/03 17:36:03 SMAWcf: restore started for /var/spool/SMAW/SMAWccbr/fuji2_ccbr11
01/16/03 17:36:03 SMAWcf: restore ended
01/16/03 17:36:03 cfrestore: System Administrator please NOTE:
The following system (OS) files were saved but have not been restored:
./etc/hosts
01/16/03 17:36:03 cfrestore 11 ended

例2は、世代番号11のバックアップのリストアが成功したことを示しています。