ページの先頭行へ戻る
Cloud Storage Gateway V1.1.0 ユーザーズガイド
FUJITSU Software

1.4.1 データ転送

NASインターフェース

一般的にクラウドプロバイダーにアクセスするには、クラウドプロバイダーが提供する専用のAPIを利用する必要があります。本製品は、使い慣れたNASインターフェース(NFS/SMB)を提供します。利用者は、クラウドプロバイダーにアクセスするためのAPIを意識する必要はありません。本製品が自動的に変換および転送を行うため、既存のバックアップ運用を大幅に変更することなく、クラウドプロバイダーにデータを格納できます。一般的なバックアップソフトウェアであれば、バックアップデータの出力先を本製品が提供する共有フォルダに変更するだけで、クラウドプロバイダーへのバックアップ運用を実現できます。

重複排除と圧縮

本製品は、データを重複排除・圧縮してキャッシュに格納し、重複排除・圧縮された状態のデータをクラウドプロバイダーへ転送します。このため、以下のメリットがあります。

重複排除・圧縮は本製品の仮想マシンで行われるため、バックアップサーバに負荷はかかりません。
なお、重複排除は無条件に動作しますが、圧縮は設定画面で実施有無を選択できます。

キャッシュ機構

本製品は、仮想マシンのローカルディスクを“キャッシュ”として利用します。キャッシュによる効果は、以下のとおりです。


キャッシュには、実データおよびメタデータが格納されます。本製品は、キャッシュの使用率に応じて、実データおよびメタデータを以下のように扱います。

表1.2 キャッシュ機構の動作

キャッシュの使用率

実データの扱い

メタデータの扱い

80%未満

キャッシュに格納します。

キャッシュに格納します。

80%以上

キャッシュに格納します。そのあと、キャッシュの使用率が80%未満になるまで、アクセス日時が古いデータから順番に削除します。

キャッシュに格納します。削除対象としません。


キャッシュサイズは、本製品の導入時に利用者が定義できます。

暗号化

本製品は、データを暗号化してデータストアに格納できます。これによって、データの安全性を確保します。データ暗号化の設定方法は、「3.2 データストアとキャッシュの登録」を参照してください。

トラフィックコントロール

本製品は、設定した転送レートの上限を基準に、本製品がデータ転送量を調整できます。これによって、ネットワーク帯域の使用量を抑えることができます。

注意

本機能は、クラウドとのデータ転送量を監視し、設定した上限値を超えた場合に、一時的に転送を停止することでデータ転送量を調整します。そのため、一時的に上限を超えることがあります。特に、クラウド側から送られてくるデータ量によっては大きく上限を超えることがあります。

複数ネットワーク構成

本製品は、管理用・NAS用・クラウド用ネットワークのトラフィック分割およびセキュリティ観点から、最大3つのサブネットへ接続するネットワーク構成をサポートします。