K5環境でクラスタシステムに集約修正などの各種修正を適用する場合の手順概要を示します。GDSを使用していない環境では、GDS関連の手順は不要です。
注意
PRIMECLUSTERの修正適用/削除を行う前に、システムストレージに対してスナップショットを取得してください。
全系停止による修正適用手順を説明します。
各ノードに修正すべき適用を、あらかじめローカルファイルシステムにコピーしておきます。
RMSを停止
RMSが起動している場合は、いずれかのノードで、以下のコマンドを実行し、RMSを停止してください。
# hvshut -a
注意
GDSのボリュームの等価性コピー処理中にすべてのノードのRMSを停止した場合、修正適用後にすべてのノードを再起動すると、ボリュームの領域全体の等価性コピーが実行されます。
ボリュームの領域全体の等価性コピーを行いたくない場合は、等価性コピー処理が完了してから、RMSを停止してください。
GDSのボリュームのスライス状態の確認には以下のコマンドを使用します。
いずれかのノードで以下のコマンドを実行し、コマンド出力のSTATUSフィールドの値を確認します。
等価性コピー処理中はコピー先のスライスがCOPY状態となり、コピーが完了するとACTIVEまたはSTOP状態になります。
# sdxinfo -S
RCスクリプトの自動起動抑止
すべてのノードで以下のコマンドを実行し、RCスクリプトの自動起動を抑止します。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off
システム再起動
すべてのノードでシステムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
SFとGDSのデーモンの停止
全ノードで以下のコマンドを実行し、SFのデーモンを停止してください。
# initctl stop sf
全ノードで以下のコマンドを実行し、GDSのデーモンを停止してください。
# initctl stop sdxm
修正適用/削除
あらかじめローカルファイルシステムにコピーしておいた修正を適用してください。
または、修正を削除してください。
修正の適用
作業ディレクトリに修正をコピーした後、以下のコマンドを実行してください。
# cd <作業ディレクトリ>
# /opt/FJSVfupde/bin/uam add -d ./ -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to update with single user mode. Do you want to apply the update now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
修正の削除
以下のコマンドを実行してください。
# /opt/FJSVfupde/bin/uam remove -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to restore with single user mode. Do you want to restore the updated product to its pre-update state now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
RCスクリプトの自動起動設定
すべてのノードで以下のコマンドを実行し、手順2.で抑止したRCスクリプトの設定を元に戻してください。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on
システム再起動
すべてのノードでシステムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
ローリングアップデートによる修正適用手順を説明します。
GDS のボリュームのスライス状態を確認
いずれかのクラスタノードで以下のコマンドを実行し、コマンド出力のSTATUSフィールドの値を確認してください。
# sdxinfo -S
ネットミラーボリュームにCOPY状態スライスが存在する場合、コピーの完了を待ってください。
待機ノード(node2)で以下の操作を行います。
RMSを停止
待機ノード(node2)へ修正を適用するため、RMSを停止してください。この停止に伴い、切捨ての状態遷移が発生し、組込みを行うまで二重化運用状態ではなくなることに注意してください。
# hvshut -l
RCスクリプトの自動起動抑止
以下のコマンドを実行し、RCスクリプトの自動起動を抑止します。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off
システム再起動
システムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
SFとGDSのデーモンの停止
以下のコマンドを実行し、SFのデーモンを停止してください。
# initctl stop sf
全ノードで以下のコマンドを実行し、GDSのデーモンを停止してください。
# initctl stop sdxm
修正適用/削除
修正を適用/削除してください。
- 修正の適用
作業ディレクトリに修正をコピーした後、以下のコマンドを実行してください。
# cd <作業ディレクトリ>
# /opt/FJSVfupde/bin/uam add -d ./ -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to update with single user mode. Do you want to apply the update now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
- 修正の削除
以下のコマンドを実行してください。
# /opt/FJSVfupde/bin/uam remove -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to restore with single user mode. Do you want to restore the updated product to its pre-update state now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
RCスクリプトの自動起動設定
以下のコマンドを実行し、手順2.の2.で抑止したRCスクリプトの設定を元に戻してください。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on
システム再起動
システムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
クラスタアプリケーションの組込み
停止に伴い修正を適用したノード(node2)が、クラスタシステムから切捨て状態となっている場合は、組込み操作を行ってください。
クラスタアプリケーションの組込み方法については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“7.2.2.1 クラスタアプリケーションを起動する”を参照してください。
GDSのボリュームのスライス状態の確認
待機ノード(node2)の起動後、ネットミラーボリュームの等価性コピー処理が実行されます。いずれかの1ノードで、等価性コピー処理が完了し、すべてのスライスがACTIVEまたはSTOP状態であることを確認してください。
ネットミラーボリュームのスライス状態の確認には以下のコマンドを使用します。
いずれかのクラスタノードで以下のコマンドを実行し、コマンド出力のSTATUSフィールドの値を確認してください。
# sdxinfo -S
クラスタアプリケーションの切替え
運用ノード(node1)へ修正を適用するため、hvswitchを実行して、すべてのクラスタアプリケーションを待機ノード(node2)へ切り替えてください。切替えの方法については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“7.2.2.3 クラスタアプリケーションを切り替える”を参照してください。
旧運用ノード(node1)で以下の操作を行います。
RMSを停止
運用ノード(node1)へ修正を適用するため、RMSを停止してください。この停止に伴い、切捨ての状態遷移が発生し、組込みを行うまで二重化運用状態ではなくなることに注意してください。
# hvshut -l
RCスクリプトの自動起動抑止
以下のコマンドを実行し、RCスクリプトの自動起動を抑止します。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off
システム再起動
システムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
SFとGDSのデーモンの停止
以下を実行し、SFのデーモンを停止してください。
# initctl stop sf
全ノードで以下のコマンドを実行し、GDSのデーモンを停止してください。
# initctl stop sdxm
修正適用/削除
修正を適用/削除してください。
- 修正の適用
作業ディレクトリに修正をコピーした後、以下のコマンドを実行してください。
# cd <作業ディレクトリ> # /opt/FJSVfupde/bin/uam add -d ./ -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to update with single user mode. Do you want to apply the update now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
- 修正の削除
以下のコマンドを実行してください。
# /opt/FJSVfupde/bin/uam remove -i <修正番号>
このとき、以下のメッセージが出力されますが、“Y”を選択してください。
It is required to restore with single user mode. Do you want to restore the updated product to its pre-update state now? (Y/N)Y
また、以下のメッセージが出力されますが、“N”を選択してください。
Do you want to restart your computer immediately? (Y/N)N
RCスクリプトの自動起動設定
以下のコマンドを実行し、手順5.の2.で抑止したRCスクリプトの設定を元に戻してください。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on
システム再起動
システムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
クラスタアプリケーションの組込み
停止に伴い修正を適用したノード(node1)が、クラスタシステムから切捨て状態となっている場合は、組込み操作を行ってください。クラスタアプリケーションの組込み方法については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“7.2.2.1 クラスタアプリケーションを起動する”を参照してください。
クラスタアプリケーションの切戻し
必要に応じて、切戻し操作により運用待機の配置を導入時に定義した状態に戻してください。切戻しの方法については、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”の“7.2.2.3 クラスタアプリケーションを切り替える”を参照してください。