GFS 共用ファイルシステムでは、監視デーモン (sfcfrmd, sfcprmd, sfcfsd, sfchnsd, sfcpncd) がクラスタの状態を監視し、クラスタ内でプライマリ MDS が同時に 1つだけしか動作しないようにすることで、すべてのノードで厳密な一貫性を維持したファイルシステムへのアクセスを実現しています。
クラスタパーティションの発生により、クラスタ内の一部のノードの状態を確認できない場合は、クラスタ整合状態が保証できないため、プライマリ MDS を動作させるノードを決定できません。この場合、sfcfrmd デーモンの起動を保留して、GFS 共用ファイルシステムのサービスを利用できないようにします。
sfcfrmd デーモンの起動方法には、以下の 2種類があります。
wait
ノード起動時、クラスタ整合状態が保証されるまで、sfcfrmd デーモンの起動を保留し、ノードの起動も同時に保留します。
また、GUI からの CF 起動時、クラスタ整合状態が保証されていない場合は、sfcfrmd デーモンの起動を中止します。
wait_bg
ノード起動時、および GUI からの CF 起動時、クラスタ整合状態が保証されるまで、sfcfrmd デーモンの起動をバックグラウンドで保留します。ノードの起動、または、CF の起動は継続します。
省略値 (管理パーティションを初期化したときに登録される起動方法) は、wait です。
クラスタアプリケーションが GFS 共用ファイルシステムを使用する場合は、wait を選択してください。
クラスタアプリケーションが GFS 共用ファイルシステムを使用しない場合は、wait_bg を選択することもできます。この場合、GFS 共用ファイルシステムが使用可能になるのを待つことなくクラスタアプリケーションが起動されるため、システムの起動時間を短縮することができます。
注意
クラスタ内のすべてのノードを停止した後に、一部のノードを起動した場合、クラスタに参入していないノードの状態を確認できません。この場合、クラスタ内のすべてのノードがクラスタに参入するまで、sfcfrmd デーモンの起動を保留します。
sfcfrmd デーモンの起動方法が wait の場合に、クラスタを構成するすべてのノードで CF を停止した後、GUI から CF を起動するときは、本書の“12.6 GFS 共用ファイルシステムを利用している環境で GUI から CF を起動する手順”に従ってください。
参考
ノードの起動が保留されているとき、ネットワーク経由でシステムにログインすることはできます。