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Enterprise Postgres 10 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)
FUJITSU Software

7.3.3 プライマリ候補サーバのインスタンスの作成・設定・登録

プライマリ候補サーバのインスタンスの作成・設定・登録について、説明します。

  1. カーネルパラメータの設定を行います。

    詳細は“導入ガイド(サーバ編)”の“カーネルパラメータの設定”を参照してください。

  2. 透過的データの暗号化機能を利用する場合は、格納データの暗号化の設定を行います。

    運用センタのプライマリサーバのキーストア・ファイルを待機センタのプライマリ候補サーバにコピーします。

    詳細は、“運用ガイド”の“データベース多重化運用”を参照して、設定してください。

  3. インスタンスを複製します。

    pg_basebackupコマンドを実行して、待機センタのプライマリ候補サーバに運用センタのプライマリサーバのインスタンスを複製します。この時、pg_basebackupコマンドにより、各オプションに指定された運用センタのプライマリサーバへの接続情報を使用してrecovery.confファイルも作成されます。

    例)
    $ pg_basebackup -D /database/inst1 -X fetch --waldir=/transaction/inst1 --progress --verbose -R --dbname='application_name=待機センタのプライマリ候補サーバ名' -h 運用センタのプライマリサーバのIPアドレス -p 運用センタのプライマリサーバのポート番号

    注意

    運用センタのプライマリサーバへの接続がパスワード認証を必要とする方式の場合、自動で認証が行われるようにしておく必要があります。pg_basebackupコマンドの-Rオプションを指定し、--dbnameオプションにpasswordパラメータを指定すると、 pg_basebackupコマンドによりrecovery.confファイルにパスワードが設定されて自動的に接続できるようになります。

    recovery.confファイルにパスワードを設定しない場合は、インスタンス管理者ユーザーのホームディレクトリに.pgpassファイルを作成してreplicationデータベースに対するパスワードを設定してください。

  4. postgresql.confファイルの以下のパラメータを変更します。

    表7.3 変更するパラメータ

    パラメータ

    変更内容

    following_async_walsenders

    パラメータを削除します。

    restart_after_crash

    パラメータを削除するか、もしくはonを指定します。

    synchronous_standby_names

    '待機センタのスタンバイサーバ名'を指定します。

  5. recovery.confファイルに以下のパラメータを設定します。

    表7.4 設定するパラメータ

    パラメータ

    指定内容

    recovery_target_timeline

    'latest'

    restore_command

    ‘インストールディレクトリ/bin/pgx_walcopy.cmd "広域回線異常時の手動転送先の一時ディレクトリ/%f" "%p"'

    archive_cleanup_command

    'pg_archivecleanup "広域回線異常時の手動転送先の一時ディレクトリ" "%r"'

    ポイント

    restore_commandパラメータを使用することで、広域回線異常時に待機センタのプライマリ候補サーバに手動転送した運用センタのアーカイブログを適用し、RPOを高めることができます。

    注意

    広域回線異常時に手動転送されたアーカイブログファイルと、バックアップデータを利用したリカバリに備えて取得するアーカイブログファイルは異なります。このため、restore_commandパラメータ、およびarchive_cleanup_commandパラメータには、archive_commandパラメータに指定したバックアップデータ格納先ディレクトリを指定しないでください。

  6. recovery.confファイルのprimary_conninfoパラメータに指定された接続文字列を以下のように変更します。

    表7.5 接続文字列の変更内容

    キーワード

    指定内容

    host

    運用センタのプライマリサーバのホスト名, 運用センタのスタンバイサーバのホスト名

    port

    運用センタのプライマリサーバのポート番号, 運用センタのスタンバイサーバのポート番号

    target_session_attrs

    read-write

  7. pg_ctlコマンドを使用して、プライマリ候補サーバのインスタンスを起動します。

参照