本章では、データベース多重化運用のセットアップの手順および確認方法について、説明します。
データベースサーバののセットアップと操作は、インスタンス管理者ユーザーで行います。
裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用の場合に、裁定サーバでセットアップと操作を行うユーザーは以下です。
任意のOSユーザーで実施可能です。
“Administrator”権限のあるユーザー(Administratorsグループに属するOSのユーザーID)で行います。本ユーザーはサービスとしてログオンする権利が割り当てられている必要があります。
ポイント
Mirroring Controllerがデータベースのインスタンスに接続するユーザーとして任意のデータベーススーパーユーザーを選択することで、Mirroring Controllerのコマンドを操作するインスタンス管理者ユーザーとデータベーススーパーユーザーが異なる環境においても、データベース多重化運用を行うことが可能です。
データベースのインスタンスへ接続するアプリケーション名は‘mc_agent’です。
セットアップを開始する前に、OSの時刻合わせ機能などを使用してプライマリサーバ、スタンバイサーバおよび裁定サーバの時刻を合わせてください。
許容誤差範囲は、1秒程度です。
許容誤差範囲を超えるような時刻のずれがあると、トラブル発生時の調査に影響することがあります。
データベースサーバのハートビート監視はOSのpingコマンドを利用しているため、管理用ネットワークおよび裁定用ネットワークにおいてICMPが利用可能なようにネットワークの設定を行ってください。詳細は各オペレーティングシステムに従ってください。
以下にセットアップの手順を示します。ただし、裁定サーバの手順については、裁定サーバを利用して自動縮退を行う運用の場合にのみ実施します。また、プライマリサーバおよびスタンバイサーバの手順において、裁定サーバの利用有無によって手順を区別しています。
手順 | 作業項目 | 参照先 | ||
---|---|---|---|---|
プライマリサーバ | スタンバイサーバ | 裁定サーバ | ||
1 | インストール | |||
2 | データベースサーバの準備作業 | 裁定サーバの準備作業 | ||
3 | 裁定サーバの設定 | |||
4 | ユーザー出口の作成 | |||
5 | 裁定プロセスの起動 | |||
6 | データベース多重化運用のセットアップ | |||
7 | インスタンスの作成・設定・登録 | |||
8 | ユーザー出口の作成 | |||
9 | Mirroring Controllerの起動 | |||
10 | データベース多重化運用のセットアップ | |||
11 | インスタンスの作成・設定・登録 | |||
12 | ユーザー出口の作成 | |||
13 | Mirroring Controllerの起動 | |||
14 | ストリーミングレプリケーションの状態確認 | |||
15 | 接続状態の確認 | |||
16 | 接続状態の確認 | |||
17 | 接続状態の確認 | |||
18 | アプリケーションの作成 | |||
19 | 動作確認 |
以降で各手順の説明を行います。
参考
単一サーバでの運用をデータベース多重化運用に変更する場合のセットアップ手順も同様です。この場合、FUJITSU Enterprise Postgresのインストールやインスタンスの作成は省略してください。
詳細は、“3.9.2 単体のサーバでの運用からデータベース多重化運用への変更”を参照してください。
システムテストなどの目的のために、プライマリサーバとスタンバイサーバを擬似的に同一のサーバ内に構築できます。この場合も同様の手順でセットアップを行いますが、補足事項があります。
セットアップする前に、“付録B プライマリサーバとスタンバイサーバを同一サーバ内に構築する場合の補足事項”を参照してください。