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PRIMECLUSTER GD4.5A00 インストールガイド
FUJITSU Software

付録B 前バージョンからの移行手順

ここでは、単一サーバにインストールされているPRIMECLUSTER GDSを前バージョンから本バージョンに移行する手順を説明します。クラスタシステムの場合は、クラスタ製品のインストールガイドを参照してください。

アップグレードを実施する前に、dd(1)コマンドなどを利用してシステム全体のバックアップを実施してください。また、本章に示す手順はコンソールで実行してください。

  1. シングルユーザモードに移行します。

    [Red Hat Enterprise Linux 6の場合]

    vi(1)等により以下のように/etc/inittab ファイルのidエントリの内容を編集し、システム起動時にシングルユーザモードで起動するようにします。

    注意

    • 修正前のデフォルトランレベル(以下の例では3)は、環境によって異なります。

    • 後で元に戻すため、修正前のデフォルトランレベルを記録しておいてください。

    変更前)
    #   3 - Full multiuser mode
    #   4 - unused
    #   5 - X11
    #   6 - reboot (Do NOT set initdefault to this)
    #
    id:3:initdefault:
    変更後)
    #   3 - Full multiuser mode
    #   4 - unused
    #   5 - X11
    #   6 - reboot (Do NOT set initdefault to this)
    #
    id:1:initdefault:

    シングルユーザモードで再起動します。

    # shutdown -r now <Return>
    [Red Hat Enterprise Linux 7の場合]

    現在のデフォルトターゲットの確認を行います。

    注意

    • デフォルトターゲット(以下の例では『multi-user.target』)は、環境によって異なります。

    • 後でデフォルトターゲットを戻すため、現在のデフォルトターゲットを記録しておいてください。

    # systemctl get-default <Return>
    multi-user.target

    シングルユーザモードにするために、デフォルトターゲットの変更を行います。

    # systemctl set-default rescue.target <Return>

    システムの再起動を行います。

    # shutdown -r now <Return>
  2. 既存の環境から基本ソフトウェアのアップデートを行う場合は、本手順で実施します。アップデート手順については、各一括修正説明書を参照してください。

  3. 以下の手順を実行します。

    1. バックアップディレクトリを作成します。

      # mkdir /<mydir> <Return>
    2. Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)の場合、PRIMECLUSTER Web-Based Admin Viewの動作環境をバックアップします。

      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf /<mydir> <Return>
      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/.policy /<mydir> <Return>
      # cp -p /opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf /<mydir> <Return>

      Plugin.html ファイルの設定が変更されていないか確認します。
      vi(1)等により/opt/FJSVwvbs/etc/Plugin.html ファイルを開いて、下記のエントリがデフォルト値 ( 60 )
      になっていることを確認します。
      デフォルト値と異なる場合、後で元に戻すために、その値を記録してください。

      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="60">
    3. GLSを使用している場合は、GLSの動作環境をバックアップします。

      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetbackup -d /<mydir> <Return>

      バックアップファイル名は、"hanetYYYYMMDD.bk"です。なお、YYYYMMDDはコマンド実行日の情報です。(YYYY:西暦、MM:月、DD:日)

    4. GDSの動作環境をバックアップします。

      # cp -p /etc/sysconfig/devlabel /<mydir> <Return>
      # cp -p /etc/sysconfig/devlabel.d/devname_conf /<mydir> <Return>
    5. DVDをDVDドライブにセットし、マウントします。

      # mount -t iso9660 -r /dev/<デバイスファイル名> <DVD-ROMマウントポイント> <Return>
      以降で、DVDのマウントポイントを<DVDROM_DIR>とします。
    6. 以下のスクリプトを実行し、一部のPRIMECLUSTERパッケージを削除します。

      # cd <DVDROM_DIR>/Tool <Return>
      # ./upgrade_uninstall <Return>
      Are you sure to remove a part of PRIMECLUSTER from your system (y or n) ? y <Return>
      ・
      ・
      The uninstallation finished successfully.
    7. 以下のスクリプトを実行し、パッケージを新規または上書きインストールします。

      # cd <DVDROM_DIR>/Tool <Return>
      # ./cluster_install -e PCL-GDS <Return>
      ・
      ・
      The installation finished successfully.

      注意

      • cluster_installスクリプト実行の結果、上記のようなメッセージ出力とはならず、次のようなメッセージが出力されることがあります。

        # ./cluster_install -x xx <Return>
        INFO: no package to update

        このメッセージは、インストールしようとしたすべてのパッケージについて、DVDに収録されたものよりも新しいバージョンのパッケージがすでにシステムにインストール済みであり、アップグレードの必要がないことをあらわします。
        問題ではありませんので、手順は継続して実行してください。

      • cluster_installスクリプト実行中下記のようなメッセージが出力されることがあります。

        # ./cluster_install -x xx <Return>
        Installing package <XXXXXXXXXXX> ... skipped.

        このメッセージは、インストールしようとしたパッケージについて、DVDに収録されたものと同じバージョンのパッケージがすでにシステムにインストール済みであり、アップグレードの必要がないことをあらわします。問題ではありませんので、手順は継続して実行してください。

    8. GLSを使用している場合は、以下のスクリプトを実行し、パッケージを新規または上書きインストールします。

      # cd <DVDROM_DIR>/Tool <Return>
      # ./cluster_install -e PCL-GLS <Return>
      ・
      ・
      The installation finished successfully.
    9. DVDをDVDドライブから取り出します。

      # cd / <Return>
      # umount <DVDROM_DIR> <Return>
      # eject cdrom <Return>
    10. Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)の場合、2.でバックアップしたPRIMECLUSTER Web-Based Admin Viewの動作環境をリストアします。

      # cp -p /<mydir>/webview.cnf /opt/FJSVwvbs/etc/webview.cnf <Return>
      # cp -p /<mydir>/.policy /opt/FJSVwvbs/etc/.policy <Return>
      # cp -p /<mydir>/wvlocal.cnf /opt/FJSVwvbs/etc/wvlocal.cnf <Return>

      2.で Plugin.html ファイルの設定変更があった場合、値を元に戻します。
      Plugin.htmlファイルの設定が変更されていない場合、本手順は不要です。
      vi(1)等により/opt/FJSVwvbs/etc/Plugin.html ファイルを編集し、2.で控えた値 (以下の例では "xx") に書き戻します。

      (例)
      【変更前】
      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="60">
      【変更後】
      <PARAM NAME = Initial_wait VALUE ="xx">
    11. GLSを使用している場合は、3.でバックアップしたGLSの動作環境をリストアします。

      # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetrestore -f /<mydir>/hanetYYYYMMDD.bk <Return>
    12. 4.でバックアップしたGDSの動作環境をリストアします。

      # cp -p /<mydir>/devlabel /etc/sysconfig/devlabel <Return>
      # cp -p /<mydir>/devname_conf /etc/sysconfig/devlabel.d/devname_conf <Return>
  4. システムをリブートします。

    [Red Hat Enterprise Linux 6の場合]

    vi(1)等により以下のように/etc/inittab ファイルのidエントリの内容を編集し、マルチユーザモードでシステムを起動させるために手順1.で変更した/etc/inittabファイルのidエントリの内容を元に戻します。

    変更前)
    #   3 - Full multiuser mode
    #   4 - unused
    #   5 - X11
    #   6 - reboot (Do NOT set initdefault to this)
    #
    id:1:initdefault:
    変更後)
    #   3 - Full multiuser mode
    #   4 - unused
    #   5 - X11
    #   6 - reboot (Do NOT set initdefault to this)
    #
    id:3:initdefault:

    システムを再起動します。

    # shutdown -r now <Return>
    [Red Hat Enterprise Linux 7の場合]

    マルチユーザモードにするために、デフォルトターゲットの変更を行います。

    # systemctl set-default multi-user.target <Return>

    システムの再起動を行います。

    # shutdown -r now <Return>
  5. 修正のダウンロード

    UpdateSiteからPRIMECLUSTER GDの最新のUpdateSite形式の修正、および修正情報ファイルをダウンロードしてください。

  6. PRIMECLUSTER GDの修正を適用してください。

    適用方法、留意事項等については各修正の修正情報ファイルを参照してください。