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Systemwalker Operation Manager Systemwalker for ERPパッケージジョブ連携ガイド SAP ERP編
FUJITSU Software

5.4.2 r3exec SAP ERP システムへのSAP ERP システムジョブ投入/実行

記述形式

r3exec [ -c a|b|c|A|B|C][ -d destin ] [ -e exit ] [-g group-name] [ -h server-name] [ -i ] [ -j job-name ] [ -l login ] [ -m mail-address ] [ -n ] [ -p time interval ] [ -x host-name ] [ -o logfile ] [ -t ] jobfile

利用方法

r3execコマンドは、[登録-ジョブ]ウィンドウの[コマンド名]欄に指定します。[登録-ジョブ]ウィンドウは、[ジョブネットの新規作成]ウィンドウのアイコン選択域で、SAP ERPスケジュールジョブを選択して起動されたものに限ります。それ以外では使用できません。

機能説明

r3execコマンドは、SAP ERP システムへSAP ERP システムジョブを投入するコマンドです。完了すると標準出力にSAP ERP システム内でのSAP ERP システムジョブのログ(XMIログ)を出力します。

本コマンドの終了コードが、SAP ERPスケジュールジョブの終了コードになります。終了コードについては、“5.5 コマンドの終了コード”を参照してください。

オプション

-c a|b|c|A|B|C

ジョブクラスを指定します。ジョブクラスとは、SAP ERP システムジョブの実行優先度です。本オプションを省略した場合は、ジョブクラスはCとなります。

a または A  :    優先度高

b または B  :    優先度中

c または C  :    優先度低

-d destin

SAP ERP システム内のトランザクションSPADで定義した出力先のプリンタ名の略称名を指定します。指定可能なバイト数は、4バイトです。本オプションにより指定された出力は、即時印刷を行いません。一旦、プリンタのスプールに出力されます。

-e exit

ユーザ出口を指定します。ユーザ出口には、プログラムまたはシェルスクリプトを指定します。プログラムまたはシェルスクリプトは、環境変数PATHで検索可能な場所にあるものを指定するか、フルパスで指定してください。フルパスで指定した文字列の中に空白がある場合は、パス全体をダブルクォーテーション(”)で囲んでください。exitで指定できる文字列の最大値は、1024バイトです。

ユーザ出口は、r3execコマンドが終了する前に呼び出されます。呼び出されたユーザ出口は、呼び出された時に標準入力から、SAP ERP システムジョブのログ(XMIログ)を受け取ります。また、ユーザ出口では、以下の環境変数が参照できます。

R3_JOBNAME  :    SAP ERPシステムジョブの名前が設定されます。

R3_JOBSTAT  :    SAP ERPシステムジョブの終了状態が設定されます。

R3_LOGIN    :    SAP ERPシステムへのセション開設用情報名が設定されます。

ユーザ出口では、必ず終了コードを設定してください。ユーザ出口の終了コードが、r3execコマンドの終了コードになります。ユーザ出口の終了コードが[正常終了コード上限値]で指定した値以下の場合、Systemwalker Operation Managerは、SAP ERP システムジョブが正常終了したと見なします。[正常終了コード上限値]で指定した値よりも大きい場合は、SAP ERP システムジョブが異常終了したと見なします。

-g group-name

SAP ERPシステムジョブのABAP/4ステップを実行するサーバグループのグループ名を指定します。group-nameの長さは最大18バイトです。group-nameには、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列を指定します。日本語コードは使用しないでください。

本オプションは、ABAP/4ステップに対して有効な機能です。サーバグループの指定は、ステップでなくジョブに対して有効となりますが、外部プログラムの場合は、-xオプションで実行するサーバを指定する必要があります。したがって、外部プログラムが実際に実行されるサーバは、-xオプションで指定したサーバとなります。

本オプションは、-hオプションと併用することはできません。

-h server-name

SAP ERPシステムジョブを実行するサーバ名を指定します。

server-nameには、<ホスト名>_<SID>_<インスタンスNo>であらわされるサーバ名を指定します。<SID>、<インスタンスNo>は、SAP ERPの名称です。server-nameの長さは、最大20バイトです。

server-nameには、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列を指定します。日本語コードは使用しないでください。

Systemwalker Operation Managerによって投入されたSAP ERP システムジョブは、“-h”オプションで指定したSAP ERP システムに転送され、そこで実行されます。本オプションを省略した場合、SAP ERP システムジョブは、SAP ERPによって自動的に負荷の低いアプリケーションサーバ上で実行されます。

-i

SAP ERP システムにワークプロセスの空きがある場合にのみ実行します。ワークプロセスについては、SAP ERPのドキュメントを参照してください。

-j job-name

SAP ERP システムジョブの名前を指定します。job-nameの長さは、最大32バイトです。33バイト目以降は無視されます。job-nameには、空白とTABコード以外の印刷可能な文字列を指定します。job-nameの先頭に数字が指定された場合、SAP ERP システムジョブの名前の先頭に“J”を付加します。

印刷可能な文字列とは、英数字などの文字列のことです。

本オプションを省略した場合、環境変数JC_JOBNAMEに設定されている文字をSAP ERP システムジョブの名前とみなします。

この環境変数も設定されていない場合、パス名および、拡張子を取り除いたjobfile名を、SAP ERP システムジョブの名前とみなします。

-l login

セション開設用情報名を指定します。セション開設用情報名は、前もって、r3usraddを使用し、登録しておく必要があります。“-l”オプションは、必須オプションですので、コマンド行もしくは、jobfileのどちらかに必ず記述してください。さらに、r3execコマンドを実行するユーザは、システム管理者かセション開設用情報名と同じ名称のグループに所属している必要があります。

-m mail-address

スプール情報をメール配信するときの、E-Mailアドレスを指定します。指定可能なバイト数は最大240バイトです。mail-addressには、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列を指定します。E-Mailアドレスを複数指定することはできません。

-n

SAP ERP システムジョブの投入だけを行います。SAP ERP システムジョブは実行されませんので、SAP ERP システムジョブのログ(XMIログ)の標準出力への出力はありません。その代わりにジョブ名、ジョブ番号が標準出力に出力されます。また、ユーザ出口は、呼び出しません。保留中のSAP ERP システムジョブの実行は、5.4.3 r3mgr SAP ERP システムジョブの操作コマンドで行います。

-p time interval

SAP ERP システムにSAP ERP システムジョブの終了を監視する間隔を指定します。単位は、秒です。time intervalには、0から2147483647の値を指定します。“-p”オプションを指定しなかった場合、r3execは、1秒間隔でSAP ERP システムジョブの終了を監視します。

r3execは、SAP ERP システムジョブの終了を確認すると、XMIログからジョブログを取り出し、標準出力に出力した後に終了します。

-x host-name

SAP ERP システムジョブのEXTPGMステップを実行するアプリケーションサーバの名前を指定します。host-nameの長さは、最大32バイトです。host-nameには、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列を指定します。日本語コードは使用しないでください。

本オプションは、EXTPGMステップが指定されたSAP ERP システムジョブを実行する場合に指定します。本オプションを指定せずに、EXTPGMステップが指定されたSAP ERP システムジョブを実行した場合は、エラーとなります。

jobfile

jobfileとは、SAP ERP システムに投入するSAP ERP システムジョブのことです。jobfileには、コメント、ABAP/4ステップおよびEXTPGMステップを記述します。jobfileは、システムのコード系に合わせて保存してください。

以下にジョブファイルの記述例を示します。なお、#はコメントを表します。

# ジョブファイルの例:
#
# @$-l SAP -x extpgm-target
# ・ セション開設用情報名として SAP を指定します。
# ・ EXTPGMステップを実行するアプリケーションサーバ名と
#    して extpgm-target を指定します。
AB: ABAP/4プログラム名 引数 # ステップ1
EX: EXTPGMプログラム名 引数1 引数2 # ステップ2

jobfileの最初のコメントブロックには、r3execコマンドのオプションを記述できます。オプションは、“@$”に続いて記述します。jobfileに記述したオプションと同じオプションをコマンド行に指定した場合、コマンド行に指定したオプションの引数が優先します。

ABAP/4ステップ

ABAP/4ステップとは、SAP ERP システムのコマンド群であるABAP/4プログラムの実行を行うステップです。jobfileにABAP/4ステップを記述する時は、行の先頭に“AB:”を指定します。ABAP/4プログラムと共に引数を記述する場合には、プログラム名と引数の間は1つ以上の空白を挿入してください。また、プログラム名と引数は、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列で指定します。日本語コードは使用しないでください。

例) AB: ABAP/4プログラム名 引数

一度に指定できるABAP/4ステップの数に制限はありませんが、1ステップにつき1行で記述してください。引数は、複数指定しても、第一引数以外は無視されます。ABAP/4プログラム名は、最大40バイトです。引数は、最大14バイトです。

1行は、コメントも含め、1024バイト以内で記述します。

複数のステップを同時に指定した場合には、記述した順にABAP/4ステップが実行されます。EXTPGMステップと混在して指定することも可能です。

ただし、あるステップのプログラムで異常が発生すると、それより後に記述したステップは実行されずに、SAP ERPスケジュールジョブは異常終了します。異常が発生した時に、異常が発生したステップを特定したり、そのステップ以降を再実行するのに手間がかかることが予想されるため、1つのSAP ERPスケジュールジョブに1つのステップのみを実行することをお薦めします。

EXTPGMステップ

EXTPGMステップとは、SAP ERP システム以外のコマンドを実行するステップです。jobfileにEXTPGMステップを記述する時は、行の先頭に“EX:”を指定します。EXTPGMプログラムと共に引数を記述する場合には、プログラム名と引数の間は1つ以上の空白を挿入してください。また、プログラム名と引数は、空白とTABコード以外の印刷可能なASCII文字列で指定します。日本語コードは使用しないでください。

例) EX: EXTPGMプログラム名 引数1 引数2

一度に指定できるEXTPGMステップの数に制限はありませんが、1ステップにつき1行で記述してください。EXTPGMプログラム名と引数は、それぞれ128バイトが最大値となります。1行は、コメントも含め、1024バイト以内で記述します。

複数のステップを同時に指定した場合には、記述した順にEXTPGMステップが実行されます。ABAP/4ステップと混在して指定することも可能です。

ただし、あるステップのプログラムで異常が発生すると、それより後に記述したステップは実行されずに、SAP ERPスケジュールジョブは異常終了します。異常が発生した時に、異常が発生したステップを特定したり、そのステップ以降を再実行するのに手間がかかることが予想されるため、1つのSAP ERPスケジュールジョブに1つのステップのみを実行することをお薦めします。

障害調査用オプション

以下に、r3execコマンドの障害調査用オプションおよび引数について説明します。通常は、以下のオプションを使用することはありません。富士通SEからの依頼があった時のみ使用してください。

-o logfile

SAP ERP システムにアクセスするためのインタフェースであるRFCファンクションの呼び出しログをlogfileで指定したファイルに格納します。指定したファイルがすでに存在する場合には、追加書きを行います。

-t

SAP ERP システムにアクセスするためのインタフェースであるRFCのトレースを行うようにSAP ERP システムに依頼します。トレース情報は、SAP ERP システム内に格納されます。

注意事項

コマンド格納場所

Windows

Systemwalker Operation Managerインストールディレクトリ\MpWalker.JM\bin

Solaris/ Linux

/usr/bin

ファイル

データが格納されているファイルを以下に示します。

セション開設用情報ファイル

Windows

Systemwalker Operation Managerインストール先ディレクトリ¥MPWALKER.JM¥Mpmjessv¥R3¥r3passwd

Solaris/Linux

/etc/mjes/r3/r3passwd

SAP ERP システムジョブの管理ファイル

Windows

Systemwalker Operation Managerインストール先ディレクトリ¥MPWALKER.JM¥Mpmjessv¥R3¥r3job

Solaris/Linux

/var/spool/mjes/r3/r3job