【名前】
hanetnic - 物理インタフェースの動的追加・削除・切替え
【形式】
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic command [args]
【機能説明】
hanetnic コマンドは、使用する物理インタフェースの動的追加/削除/切替えを該当する仮想インタフェースが活性化状態で実行する事ができます。
コマンド | 処理概要 | 実行権限 |
---|---|---|
add | 物理インタフェースの追加 | スーパユーザ |
delete | 物理インタフェースの削除 | スーパユーザ |
change | 使用インタフェースの切替え | スーパユーザ |
(1) add コマンド
高速切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式の仮想インタフェースで束ねている物理インタフェースの動的追加(仮想インタフェース活性化中での物理インタフェースの追加)を行います。addコマンドの実行形式は以下のとおりです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n devicename -i interface [-f] |
-n devicename
追加する物理インタフェースが属する仮想インタフェース名を指定します。なお、指定できる仮想インタフェースの運用モードは高速切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式です。
-i interface
追加する物理インタフェース名を指定します。
なお、下記“-f”パラメタ省略時、指定する物理インタフェース名はその仮想インタフェースの構成情報に設定されている物理インタフェース名でなければなりません。
-f
仮想インタフェースの構成情報の変更も同時に行う場合に指定します。(恒常的な動的追加)
なお、運用モードがGS連携方式の場合、本オプションを指定することはできません。
(2) delete コマンド
高速切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式の仮想インタフェースで束ねている物理インタフェースの動的削除(仮想インタフェース活性化中での物理インタフェースの削除)を行います。deleteコマンドの形式は以下のとおりです。なお、仮想インタフェースが束ねている物理インタフェースが1つしかない場合、実行できません。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n devicename -i interface [-f] |
-n devicename
削除する物理インタフェースが属する仮想インタフェース名を指定します。なお、指定できる仮想インタフェースの運用モードは、高速切替方式、仮想NIC方式、またはGS連携方式です。
-i interface
削除する物理インタフェース名を指定します。
なお、指定する物理インタフェース名は、その仮想インタフェースの構成情報に設定されている物理インタフェース名でなければなりません。
-f
仮想インタフェースの構成情報の変更も同時に行う場合に指定します。(恒常的な動的削除)
なお、運用モードがGS連携方式の場合、本オプションを指定することはできません。
(3) change コマンド
NIC切替方式または仮想NIC方式の仮想インタフェースで使用している物理インタフェースを、現待機の物理インタフェースへ切り替えます。changeコマンドの形式は以下のとおりです。
NIC切替方式の場合:
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n devicename |
仮想NIC方式の場合:
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n devicename -i interface |
-n devicename
使用する物理インタフェースを変更する仮想インタフェース名を指定します。なお、指定できる仮想インタフェースの運用モードは、NIC切替方式(運用モード“d”または“e”)または仮想NIC方式(運用モード“v”)が指定されている仮想インタフェース名のみです。
-i interface
通信の切替え先の物理インタフェース名を指定します。なお、指定できる仮想インタフェースの運用モードは、仮想NIC方式です。
【注意事項】
高速切替方式(運用モード“t”)の仮想インタフェースに対して動的追加を行う物理インタフェースは、動的追加を実行する前に、必ず、活性化されている必要があります。(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethXファイルの設定を確認し、設定していない場合は設定してください。その後、“/sbin/ifup ethX”コマンドを実行し、物理インタフェースの活性化を行ってください。)
GS連携方式の場合は、一時的な追加/削除のみ可能です。
仮想マシン機能の管理OS上で、NIC切替方式の仮想インタフェースに対してhanetnic changeコマンドを連続実行する場合は、1分以上間隔を空けて実行するようにしてください。
待機状態の物理インタフェースは、dsphanetコマンドでOFF状態の物理インタフェースがあるかどうかで確認できます。
以下の場合、hanetnic changeコマンドは実行できません。
NIC切替方式の場合
シングル構成で仮想インタフェースが非活性化状態
物理IP引継ぎIIのuserApplicationがOfflineまたはStandby状態
仮想NIC方式の場合
待機インタフェースが切り離されている状態
待機インタフェースがリンクダウンしている状態
仮想インタフェースが非活性化状態
仮想NIC方式の仮想インタフェースで使用している物理インタフェースを、-fオプションで動的追加・削除する場合、物理インタフェースとスイッチ/HUBの接続状態に合わせて監視先を変更してください。
【使用例】
(1) add コマンド
仮想インタフェースsha0において、束ねている物理インタフェースにeth0を追加する場合の設定例を以下に示します。なお、sha0は高速切替方式(運用モード“t”)、仮想NIC方式(運用モード“v”)またはGS連携方式(運用モード“c”)で既に定義されており、“hanetnic delete”コマンドにてeth0が削除されているとします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic add -n sha0 -i eth0 |
(2) delete コマンド
仮想インタフェースsha0において、束ねている物理インタフェースからeth1を削除する場合の設定例を以下に示します。なお、sha0は高速切替方式(運用モード“t”)、仮想NIC方式(運用モード“v”)またはGS連携方式(運用モード“c”)で既に定義されているとします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic delete -n sha0 -i eth1 |
(3) change コマンド
仮想インタフェースsha0において、使用している物理インタフェースを、待機物理インタフェースを使用するようにする場合の設定例を以下に示します。なお、sha0はNIC切替方式(運用モード“d”)で既に定義されているとします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 |
仮想インタフェースsha0において、使用している物理インタフェースを、待機物理インタフェースを使用するようにする場合の設定例を以下に示します。なお、sha0は仮想NIC方式(運用モード“v”)で既に定義されているとします。また、待機物理インタフェースをeth2とします。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetnic change -n sha0 -i eth2 |