NASインターフェース
一般的にクラウドプロバイダーにアクセスするには、クラウドプロバイダーが提供する専用のAPIを利用する必要があります。本製品は、使い慣れたNASインターフェース(NFS/SMB)を提供します。利用者は、クラウドプロバイダーにアクセスするためのAPIを意識する必要はありません。本製品が自動的に変換および転送を行うため、既存のバックアップ運用を大幅に変更することなく、クラウドプロバイダーにデータを格納できます。一般的なバックアップソフトウェアであれば、バックアップデータの出力先を本製品が提供する共有フォルダに変更するだけで、クラウドプロバイダーへのバックアップ運用を実現できます。
重複排除と圧縮
本製品は、データを重複排除・圧縮してキャッシュに格納し、重複排除・圧縮された状態のデータをクラウドプロバイダーへ転送します。このため、以下のメリットがあります。
キャッシュのデータ保管量の削減
クラウドプロバイダーへのデータ転送時間の短縮
クラウドプロバイダー上でのデータ保管コストの削減
重複排除・圧縮は本製品の仮想マシンで行われるため、バックアップサーバに負荷はかかりません。
なお、重複排除は無条件に動作しますが、圧縮は設定画面で実施有無を選択できます。
キャッシュ機構
本製品は、仮想マシンのローカルディスクを“キャッシュ”として利用します。キャッシュによる効果は、以下のとおりです。
クラウドプロバイダーへのデータ転送時
キャッシュにデータを書き込んだ時点でバックアップソフトウェアに「書込み完了」を返却することで、バックアップソフトウェアへの高速レスポンスを実現します。
データリストア時
クラウドプロバイダーからデータをリストアする代わりにキャッシュからデータをリストアすることで、リストア時間の短縮を実現します。
キャッシュには、実データおよびメタデータが格納されます。本製品は、キャッシュの使用率に応じて、実データおよびメタデータを以下のように扱います。
キャッシュの使用率 | 実データの扱い | メタデータの扱い |
---|---|---|
80%未満 | キャッシュに格納します。 | キャッシュに格納します。 |
80%以上 | キャッシュに格納します。そのあと、キャッシュの使用率が80%未満になるまで、アクセス日時が古いデータから順番に削除します。 | キャッシュに格納します。削除対象としません。 |
キャッシュサイズは、本製品の導入時に利用者が定義できます。
暗号化
本製品は、データを暗号化してデータストアに格納できます。これによって、データの安全性を確保します。データ暗号化の設定方法は、「3.2 データストアとキャッシュの登録」を参照してください。