ページの先頭行へ戻る
NetCOBOL for .NET V8.0.0 リリース情報
FUJITSU Software

2.4.2 MeFt(64bit)

2.4.2.1 プリンタ情報ファイルのBOMの扱い

変更内容

プリンタ情報ファイルのUnicodeサポートに伴い、BOM(UTF-8)が付加されているプリンタ情報ファイルを使用できるようになりました。これにより、BOM(UTF-8)が付加されているプリンタ情報ファイルを入力した場合の動作が、以下のように異なります。

V10以前

BOMを文字データの一部として読み込みます。

入力したファイルの1行目に有効になるべきキーワードが記述されている場合、キーワードの先頭にBOMが付加された状態で読み込まれるため、記述したキーワードが無効になっていることがあります。

V11以降

BOMをUTF-8の識別コードと認識し、読み飛ばします。

入力したファイルの1行目に有効になるべきキーワードが記述されている場合、ファイルの先頭のBOMは読み飛ばされるため、記述したキーワードが有効になります。

影響

プリンタ情報ファイルがBOM付きUTF-8ファイルの場合、V10までは1行目に記述した内容が無効になっていましたが、V11以降では1行目に記述した内容が有効になります。1行目がコメント行または空行などの有効な情報を持たない行である場合は、アプリケーションの動作に変更はありません。

対処方法

1行目を削除またはコメント化して、情報が無効になるように修正してください。

2.4.2.2 移行時の注意事項

ここでは、MeFt(32bit)および64bit(Itanium)で動作するMeFt(以降では、“MeFt(64bit(Itanium)版)”と表記します。)から、MeFt(64bit)へ移行した際の注意事項について記載します。

障害修正に関する互換情報

MeFt(32bit)およびMeFt(64bit(Itanium)版)のMeFtで修正された障害により動作が変わるものを、以下に説明します。

  1. 項目領域長に文字列がおさまらない場合、V4.0以前では、すべての文字が出力されない場合がありましたが、本版では、すべての文字が出力されるようになります。ただし、文字の幅が項目領域長におさまらないような条件の場合は、旧バージョンと同様出力されません。

  2. 罫線や網がけの印刷をした場合、V4.0以前と出力結果が変わることがあります。旧バージョンと同一にする場合は、プリンタ情報ファイルのQUALITYPRT(罫線・網がけ制御指定)に「速度重視」を指定してください。しかし、罫線や網がけの指定によっては、「速度重視」が有効にならずV4.0以前と同一の出力結果にならないことがあります。 「速度重視」が有効にならない条件は、QUALITYPRT(罫線・網がけ制御指定)の注意事項を参照してください。

  3. 読込み時にコード変換が発生し、変換できない文字があった場合、V4.0以前では'・'または'_'(空白)で印刷されていました。V5.0では'?'で印刷されます。本版では、コード変換できない文字は、全角の場合は全角の‘_'に、半角の場合は半角の‘_'になります。ただし、置換する文字を、プリンタ情報ファイルのREPKANJI(置換漢字文字指定)、 REPANK(置換ANK文字指定)で指定できます。

  4. 圧縮で文字ピッチを省略した場合に、V4.0以前では項目領域長に対して文字列長が短く印刷される場合がありましたが、本版では、項目領域長と同じ文字列長で印刷されます。

  5. V5.0以降では、帳票定義体の場合に、プリンタ情報ファイルのJALIGN(文字出力の位置補正)の"UC"および"UL"の指定は無効になります。

  6. V5.0以降では、パーティション形式の印刷でプリンタヘッド位置よりパーティション開始位置が上の条件になった場合、改ページ処理が発生します。

  7. 帳票定義体の1行目に定義した文字が、V5.0以前では正しい位置に印刷されない場合がありましたが、本版では正しい位置に印刷されます。 ただし、用紙の上端に項目を定義している場合は、システムが採用するフォントのサイズにより、出力する文字が用紙の上端を超えることがあります。その場合、文字が出力されないことがありますので、注意が必要です。

  8. 帳票を電子保存する場合、以下の相違があります。

    • 本版では、帳票に指定した拡大/縮小指定が有効となります。
      このため、拡大/縮小を指定した帳票を出力した場合、V7.0以前での出力結果と相違が生じることがあります。この場合は、帳票の拡大/縮小の指定を行わないでください。

    • 本版ではV7.0以前と比較して、画面帳票定義体を使用した場合は1/1440インチ、帳票定義体を使用した場合は2/1440インチ、下方に出力されます(本版での項目出力位置が、正しい出力位置となります)。そのため、V7.0以前で電子帳票保存した帳票をデータ変換した場合、データ変換されない項目がありますので、注意が必要です。
      なお、V7.0以前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTLWOLDPOS”に“Y”を指定してください。

    • 帳票定義体のプロパティの拡大/縮小印刷タブで、任意印刷サイズに「任意」を指定し、かつ「等方性の保証」を指定しない場合、V8.0以前では指定した横幅、縦幅が逆転して電子帳票保存されますが、本版では、正しく保存されます。

    • V10.0.0D以前では、OCR-B項目の出力時、直前に出力した文字項目の拡大/縮小属性が引き継がれ、OCR-B文字が拡大/縮小されて出力されますが、本版では、正しく出力されます。
      なお、V10.0.0D以前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTLWOLDOCRB”に“C”を指定してください。

  9. V8.0L10以前では、プリンタ情報ファイルのバーコード描画の以下の調整用キーワードが無効となる場合がありましたが、本版では必ず有効となります。

    • BARGAP(キャラクタ間ギャップ幅指定)

    • BARNWRATIO(細太エレメント比指定)

    • BARQZONE(クワイエットゾーンの描画方法指定)

    • BARFNC1(ファンクションキャラクタ‘FNC1’指定)

    • BARFNC2(ファンクションキャラクタ‘FNC2’指定)

    • BARFNC3(ファンクションキャラクタ‘FNC3’指定)

    • BARFNC4(ファンクションキャラクタ‘FNC4’指定)

  10. V10.0.0B以前では、矩形混在項目または矩形英数字項目で、文字列が出力できる桁数分の空きがあっても次の行に送られて出力される場合がありましたが、本版では、正しく前の行に出力されるようになります。
    なお、V10.0.0B以前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTWRAPCONTROL”に“1”を指定してください。

  11. 以下のフォントに対して文字を登録し、このフォントをList Creator のPDFフォント登録機能で登録しPDFファイルに出力した場合、V10.0.0B以前では登録した文字が「・」などで出力されていましたが、本版では、登録した文字で出力されるようになります。

    • FUJ明朝体

    • FUJゴシック体

    • @FUJ明朝体

    • @FUJゴシック体

    なお、V10.0.0B以前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTPDFFONTSEARCH”に“2”を指定してください。

  12. V10.0.0C以前では、フリーフレーム形式の帳票定義体で用紙の改ページ後、帳票定義体を切り替えて出力を行うと、異常動作(*1)となる場合がありましたが、本版では、正しく出力されるようになります。

    *1:出力形態により、現象が異なります。

    以下は、2ページ目で帳票定義体を切り替えて出力した場合の結果です。

    • 印刷の場合(正常動作)

      正常終了し、2ページ印刷されます。

    • 印刷プレビューの場合(異常動作)

      正常終了するが、出力ページ数は3ページとなり、2ページ目で「There is not the 2th-page EMF file」のメッセージボックスが出力され、表示できません。

    • PDF出力の場合(異常動作)

      出力処理が通知コード“9M”でエラー終了します。

    • ListWORKS電子保存の場合(異常動作)

      正常終了するが、出力ページ数は3ページとなり、2ページ目は白紙が出力されます。

    なお、V10.0.0C以前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTFRAMEPGSKIP”に“C”を指定してください。

  13. V10.0.0E以前では、両面印刷を指定した帳票を電子保存し印刷した場合、表面を指定した帳票定義体が途中のページから裏面に出力される場合がありましたが、本版では、正しく出力されるようになります。
    なお、V10.0.0E以前の動作に戻す場合、プリンタ情報ファイルのキーワード“LWOLDPRINTSIDE”に“C”を指定してください。

2.4.2.3 未サポート機能

MeFt(64bit)では、以下の機能は未サポートです。

2.4.2.4 障害修正に関する互換情報について

表2.5 MeFt(64bit)の障害修正に関する互換情報

項番

V/L(注)

P番号

変更内容

1

V10.1.0

(V4.1.0)

PG78188

以下の条件の時、フリーフレーム形式の帳票定義体で用紙の改ページ後、帳票定義体を切り替えて出力を行うと、不要なメッセージウィンドウが表示される問題を修正しました。

  1. フリーフレーム形式の帳票定義体を使用する。かつ、

  2. フレームの縦位置が0以外である。かつ、

  3. フレームに含まれるパーティションを出力する。かつ、

  4. “用紙の改ページ”を指定してプリンタ装置の制御を呼び出す。または、
    “出力して改ページ”を指定してパーティション出力を呼び出す。または、
    最終リンクフレームで“改フレーム”を指定して出力する。かつ、

  5. 帳票定義体を切り替えて出力を行う。かつ、

  6. 印刷プレビューを行った。

なお、修正前の動作に戻す場合、環境変数“MEFTFRAMEPGSKIP”に“C”を指定してください。

例)バッチファイルで、環境変数"MEFTFRAMEPGSKIP"に値"C"を設定する場合
    set MEFTFRAMEPGSKIP=C

2

V10.1.0

(V3.0

V4.0.0)

PG77027

[変更内容1]

以下の条件の時、本来、次行に送り出されるべきでない文字列が次行に送り出される問題を修正しました。

  1. 矩形混在項目または矩形英数字項目のプロパティで「句読点のぶら下げ」または「行頭/行末禁則」のいずれかをONにした場合。かつ、

  2. 「ワードラップ」をONにした場合。かつ、

  3. 項目内のいずれかの行の末尾が空白の場合。かつ、

  4. 3.の行末尾の空白の直前がASCIIコードで0x21~0x7Eの範囲の文字が2個以上連続している場合。かつ、

  5. 4.の文字列の直前が空白文字の場合。かつ、

  6. 5.の空白の前に空白以外の文字が存在する場合。

[備考]

変更内容1について、修正前の動作に戻す場合、以下の環境変数を指定してください。

    環境変数:MEFTWRAPCONTROL
    設定値:1

例)バッチファイルで、環境変数"MEFTWRAPCONTROL"に値"1"を設定する場合

    set MEFTWRAPCONTROL=1

[変更内容2]

以下の条件の時、本来、複数行に分割されるべきでない文字列が分割される問題を修正しました。

  1. 矩形混在項目または矩形英数字項目のプロパティで「行頭/行末禁則」をONにし「行頭および行末」または「行末のみ」を指定した場合。かつ、

  2. 「ワードラップ」をONにした場合。かつ、

  3. 項目内のいずれかの行でワードラップや行頭・行末禁則による追い出しが発生した場合。かつ、

  4. 3.の追い出しを行ったあと、行末尾が空白となる場合。かつ、

  5. 4.の直前がASCIIコードで0x21~0x7Eの範囲の行末禁則文字の場合。かつ、

  6. 5.の直前がASCIIコードで0x21~0x7Eの範囲の文字の場合。かつ、

  7. 6.の文字列の直前が空白の場合。かつ、

  8. 7.の空白の前に空白以外の文字が存在する場合。

変更内容2については、実行時に、以下の環境変数を指定することで修正が有効となります。

    環境変数:MEFTWRAPCONTROL
    設定値:2

例)
バッチファイルで、環境変数"MEFTWRAPCONTROL"に値"2"を設定する場合

    set MEFTWRAPCONTROL=2

注:V/Lは障害が存在する範囲を示します。()内のバージョンはNetCOBOL for .NETシリーズでのバージョン・レベルを示します。