Oracle RAC スケーラブル運用において、Oracleリソースの起動、停止、監視処理について説明します。
参照
Oracle Data Guard/Oracle Active Data Guardを使用したOracle RAC スケーラブル運用におけるOracleリソースの起動、停止、監視処理については"G.3.2 Oracle RACスケーラブル運用における Oracle データベースの制御"を参照してください。
Oracle RAC インスタンスの起動
Oracle RAC インスタンスの起動処理は、以下のようになります。
su - <Oracle ユーザー>
srvctl start instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID
Oracle RAC インスタンスの停止
Oracle RAC インスタンスの停止処理は、以下のようになります。
su - <Oracle ユーザー>
srvctl stop instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID
リスナーの起動
リスナーは、Clusterwareの起動により自動的に起動されます。PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、リスナーの起動を確認し、リスナーが起動されていない場合は、以下の手順でリスナーを起動します。
su - <Grid ユーザー>
srvctl start listener -n $NODE_NAME -l $LSNR_NAME
リスナーの停止
リスナーは、Clusterwareの停止により自動的に停止されます。PRIMECLUSTER Wizard for Oracleは、リスナーを停止しません。
Oracle Clusterware の起動
Oracle Clusterware の起動処理は、以下のようになります。
crsctl start crs で Oracle Clusterware を起動。
crsctl status resource -t で Oracle Clusterware の起動が完了したことを確認。
Oracle Clusterware の停止
Oracle Clusterware の停止処理は、以下のようになります。
crsctl stop crs で Oracle Clusterware を停止。
注意
Oracle インスタンス、リスナーの起動・停止・切替えを行う場合は、RMS の userApplication に対して操作 (hvswitch, hvutil) してください。Oracle Clusterware の srvctl コマンドや 、Oracle インスタンスに対して SHUTDOWN コマンドを直接実行すると、PRIMECLUSTER 側で異常と判断してリカバリーが実行される場合があります。上記コマンドを実行したい場合は、hvoradisable コマンドで Oracle インスタンスリソース、リスナーリソースの監視を中断して実行してください。
メンテナンスなどで OS のシャットダウンや再起動を行う場合、先に userApplication および RMS を停止してください。OS のシャットダウンや再起動に伴う Oracle Clusterware の停止に連動して Oracle インスタンスやリスナーが停止するため、userApplication が Online 状態の場合、Oracle インスタンスリソースやリスナーリソース異常と判断されます。
Oracle RAC インスタンスの監視
Oracle RAC インスタンスの監視は、以下の点を除いてスタンバイ運用の場合と同じです。詳細は、“3.1.1.2 スタンバイ運用におけるOracleリソースの監視” の “Oracleインスタンスの監視”を参照してください。
監視間隔(Interval)
バックグラウンド・プロセス (PMON・SMON・DBWn・LGWR・CKPT) の監視間隔は、デフォルト60秒です。
Oracle RAC インスタンスの異常と復旧
Oracle RACの異常を検出した場合、Warningを通知し、Oracle Clusterwareによる復旧を待ち合わせます。
Oracle Clusterware は、Oracle RAC インスタンスの復旧や Oracle RACの再構成を行います。
Oracle Clusterware による復旧が、設定項目「復旧待ち時間(WFTime)」の時間内で完了しない場合は、Faultを通知し、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle がOracle RACインスタンスを停止します。
「復旧待ち時間(WFTime)」については、“2.3.5 Oracle RAC インスタンス、リスナーリソースを含む userApplication の作成”を参照してください。
PDBの監視
PDBを監視しません。
リスナーの監視
リスナーの監視は、以下の点を除いてスタンバイ運用の場合と同じです。詳細は、“3.1.1.2 スタンバイ運用におけるOracleリソースの監視” の “リスナーの監視”を参照してください。
監視間隔(Interval)
psコマンドを使用したリスナープロセスの監視間隔は、デフォルト60秒です。
tnspingコマンドを使用したネット・サービス監視は行いません。
リスナーの異常と復旧
リスナーの異常を検出した場合、Warningを通知し、Oracle Clusterwareによる復旧を待ち合わせます。
Oracle Clusterware は、リスナーの復旧を行います。
Oracle Clusterware による復旧が、設定項目「復旧待ち時間(WFTime)」の時間内で完了しない場合は、Faultを通知します。PRIMECLUSTER Wizard for Oracle は、リスナーを停止しません。
「復旧待ち時間(WFTime)」については、“2.3.5 Oracle RAC インスタンス、リスナーリソースを含む userApplication の作成”を参照してください。
Oracle Clusterware の監視
Oracle Clusterware の監視は行いません。NullDetector フラグが自動的に有効になります。