事前準備
Oracle Database のマニュアルやインストールガイドに従って、Oracle Grid Infrastructure および Oracle Database のインストール、設定を行ってください。
カーネルパラメーター
カーネルパラメーター semopm には、4以上の値を設定してください。
インストールユーザー
Oracle Grid Infrastructure および Oracle Database に対して、インストールユーザーを分割するか、または単一のユーザーを使用することができます。(オラクル社は、分割することを推奨しています。)
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、ユーザー分割、単一ユーザーの両方に対応しています。
また、ユーザーID、グループID は全ノードで同一にしてください。
注意
本書では、インストールユーザーを分割した場合を想定して記載しています。
単一インストールユーザーの場合は、“Grid ユーザー” を “Oracle ユーザー” に読み替えてください。
Oracle Grid Infrastructure のインストール
Oracle Grid Infrastructure のマニュアルおよびインストールガイドに従って、Oracle Grid Infrastructure のインストールを行ってください。
注意
Oracle Grid Infrastructure は各ノードのローカルディスクにインストールしてください。
以下のように root ユーザーで su(1M) を実行し、Grid ユーザーにスイッチできることを確認してください。
# su - <Grid ユーザー>
Grid ユーザーのプロファイルにおいて、対話型のコマンド (例 script) を実行しないでください。プロファイルは、/etc/profile, .bash_profile, .cshrc, .profile などを指します。
Grid ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルを共用ディスクに配置した環境は、サポート対象外です。Grid ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルは各ノードのローカルディスクに配置してください。
Oracle Database のインストール
Oracle Database のマニュアルおよびインストールガイドに従って、Oracle Database のインストールを行ってください。
注意
Oracle Database は各ノードのローカルディスクにインストールしてください。
以下のように root ユーザーで su(1M) を実行し、Oracle ユーザーにスイッチできることを確認してください。
# su - <Oracle ユーザー>
Oracle ユーザーのプロファイルにおいて、対話型のコマンド (例 script) を実行しないでください。プロファイルは、/etc/profile, .bash_profile, .cshrc, .profile などを指します。
Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルを共用ディスクに配置した環境は、サポート対象外です。Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルは各ノードのローカルディスクに配置してください。
データベースの作成・設定
Oracle Database のマニュアルおよびインストールガイドに従って、データベースの作成を行ってください。
注意
1台のサーバに複数の ORACLE_HOME を作成している場合 (複数の Oracle Database ソフトウェアをインストールしている場合) 、Oracle RAC インスタンス名には異なる Oracle RAC インスタンス名を設定してください。
1台のサーバに複数の ORACLE_HOME を作成している場合 (複数の Oracle Database ソフトウェアをインストールしている場合) 、リスナー名には異なるリスナー名を設定してください。
参考
Oracle RACのスケーラブル運用における RMS 上のリソース名は Oracle RACのリソース名や SID をもとに、以下のように生成されます。
Oracle RAC インスタンスリソース
<SubApplicationName>_<SID>.i
Oracle リスナーリソース
<SubApplicationName>_<lsnr_name>.l
<lsnr_name> のデフォルトは “LISTENER” です。
Oracle Clusterware リソース
<SubApplicationName>_Clusterware
これらのリソース名には、以下の規約があります。
39文字以内である必要があります。
<SubApplicationName> の設定は、“2.3.4 Oracle Clusterware リソースを含む userApplication の作成” または “2.3.5 Oracle RAC インスタンス、リスナーリソースを含む userApplication の作成” を参照してください。
SYSTEM ユーザーのパスワード
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle では、Oracle データベースの SYSTEM ユーザーとして Oracle インスタンスに接続し、Oracle インスタンスの監視を行っています。そのため、SYSTEM ユーザーのパスワードを、PRIMECLUSTER Wizard for Oracle に登録する必要があります。 4.3 clorapass - 監視用パスワードの登録 を参照して、SYSTEM ユーザーのパスワードを登録してください。
設定の変更
Oracle Clusterware の自動起動の設定
2.3.3 の構成パターンA、B、C に応じてOracle Clusterware の自動起動を設定してください。
構成パターン | Oracle Clusterware 自動起動の設定 |
---|---|
無効 | |
無効 | |
有効 |
以下のコマンドでOracle Clusterwareの自動起動の設定を確認してください。
# <Oracle Grid Infrastructure のインストールディレクトリ>/bin/crsctl config crs
Oracle Clusterware の自動起動を無効にする場合は、rootユーザーで以下のコマンドを実行してください。
# <Oracle Grid Infrastructure のインストールディレクトリ>/bin/crsctl disable crs
Oracle Clusterware の自動起動を有効にする場合は、rootユーザーで以下のコマンドを実行してください。
# <Oracle Grid Infrastructure のインストールディレクトリ>/bin/crsctl enable crs
CRS リソースの自動起動の無効化
Oracle Clusterware による Oracle RAC インスタンスの自動起動制御を、無効に設定してください。これは、Oracle RAC インスタンスを RMS リソースとして登録することで、その起動を Oracle Clusterware ではなく userApplication と連動させるためです。
以下のコマンドの実行により、設定できます。
$ srvctl modify database -d $DB_NAME -y manual
参考
設定方法については、Oracle RAC のマニュアルを参照してください。
動作確認
PRIMECLUSTER Wizard for Oracleでは、rootユーザーからOracleユーザーにsu(1M)を用いてスイッチし、Oracle RACインスタンス(データベース)、リスナーの起動、停止を行っています。事前に、以下のようにrootユーザーでsu(1M)を実行し、OracleユーザーにスイッチしてからOracle RACインスタンス、リスナーを手動で起動・停止できることを確認してください。これは、Oracle RACを構成する全てのノードで行ってください。
また、Grid ユーザーにて crsctl status resource コマンドが正しく動作すること、および Oracle ユーザーにて srvctl config database コマンドが正しく動作することを確認してください。
例
以下に例を示します。
# su - <Grid ユーザー> $ srvctl start listener -n $NODE_NAME -l $LSNR_NAME $ srvctl stop listener -n $NODE_NAME -l $LSNR_NAME # su - <Oracle ユーザー> $ srvctl start instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID $ srvctl stop instance -d $DB_NAME -i $ORACLE_SID
# su - <Grid ユーザー> $ crsctl status resource -t ------------------------------------------------------------------- NAME TARGET STATE SERVER STATE_DETAILS ------------------------------------------------------------------- Local Resources ------------------------------------------------------------------- ora.DATA.dg ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ora.LISTENER.lsnr ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ora.asm ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ora.eons ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ora.gsd OFFLINE OFFLINE node1 OFFLINE OFFLINE node2 ora.net1.network ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ora.ons ONLINE ONLINE node1 ONLINE ONLINE node2 ------------------------------------------------------------------- Cluster Resources ------------------------------------------------------------------- ora.LISTENER_SCAN1.lsnr 1 ONLINE ONLINE node1 ora.oc4j 1 OFFLINE OFFLINE ora.racdb.db 1 ONLINE ONLINE node1 Open 2 ONLINE ONLINE node2 Open ora.scan1.vip 1 ONLINE ONLINE node1 ora.node1.vip 1 ONLINE ONLINE node1 ora.node2.vip 1 ONLINE ONLINE node2 $
# su - <Oracle ユーザー> $ srvctl config database racdb $
ログファイルのフルパス定義
PRIMECLUSTER Wizard for Oracle の調査資料コマンド clgetoralog は、Oracle データベースのアラート・ファイルやリスナーログを採取します。しかしログファイルの格納場所によっては採取できない場合があり、この結果、トラブル調査に時間を要する可能性があります。
これを防止するために、/opt/FJSVclora/etc/clgetoralog.conf ファイルにログファイルのフルパスを定義してください。詳細は、“4.5 clgetoralog - Oracle データベース調査資料採取” の「注意」を参照してください。