リストアの前後処理シェルスクリプトをカスタマイズする方法について、以下に説明します。
ボリュームグループをリストアする場合
ファイルシステムが構築された論理ボリュームを含むボリュームグループがリストア対象の場合は、前後処理シェルスクリプトの修正が必要です。
シェルスクリプトを修正後、前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)の130行目のexit文をコメント("#")化してください。
前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)の134~170行目、および後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の197、198、202~250行目のコメント("#")をエディタなどで消去し、ファイルシステムが構築されたすべての論理ボリュームがアンマウント/マウントされるように、適宜修正してください。
"X"で示す箇所は、実際の環境に合わせて変更してください。また、複数の論理ボリュームが対象となる場合は、前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)の138~168行目、後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の206~249行目の処理をボリューム数分記述してください。
バックアップ時に業務ボリュームがマウントされていた場合、かつバックアップボリュームに対してfsckを行っていない場合は、リストア後に業務ボリューム内のファイルシステムが構築されたすべての論理ボリュームに対してfsckを行う必要があります。
注意
カスタマイズしていない状態では、ボリュームグループに対する前処理がエラーになります。
業務ボリュームがボリュームグループの場合は、リストア後処理において、業務ボリュームをLVMとして使用可能にするために、vgcfgrestoreコマンドでボリュームグループ構成情報をリストアしています。記載のシェルスクリプトでは、標準のバックアップファイル「/etc/lvmconf/volumeGroupName.conf」からボリューム構成情報をリストアしています。ボリュームグループ構成情報が別ファイルにバックアップされている場合は、シェルスクリプトをカスタマイズしてください。
クラスタ運用している場合は、クラスタを構成する各ノードにボリュームグループ構成情報が存在している必要があります。
mountコマンドやfsckコマンドなどのOSコマンドのパラメーターやオプションは、運用に合わせて適宜修正してください。
共有モードのボリュームグループの場合
後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の96-127、133、134、および138行目をコメント化して、後処理シェルスクリプトでは共有モードのボリュームグループを再構成しないようにしてください。
リストア実行後に以下の作業を手動で実施して、ボリュームグループを再構成してください。
ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a n volumeGroupName
# |
ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgcfgrestore -n volumeGroupName pvPath # |
共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -S y -c y volumeGroupName
# |
ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)
# /usr/sbin/vgchange -a s volumeGroupName
# |
ファイルシステム名
リストア実行時の後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の205行目のファイルシステム名は、運用に合わせて適宜修正してください。
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合で、業務ボリュームのマウントポイントがクラスタ業務に登録されているときは、前後処理シェルスクリプトのカスタマイズが必要です。
前後処理シェルスクリプト内のマウント/アンマウント処理を、マウントポイントリソースのオフライン/オンライン処理に変更してください。
また、マウントポイントリソースのオフライン/オンラインを行ってから実際にボリュームがアンマウント/マウントされるまで時間差があります。そのため、実際にアンマウント/マウントされるまで待ち合わせる処理(sleepやdfコマンドの結果を監視するなど)を、オフライン/オンラインの成否を判定する箇所のうしろに追加してください。
以下に、前後処理シェルスクリプトのカスタマイズ例を示します。
[例] リストアの前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)の、アンマウント処理変更
[80、89、139、148行目]
(変更前) | /usr/sbin/umount $mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -offline resourceName -sys systemName |
[例] リストアの前処理シェルスクリプト(OpcRestore.pre)の、アンマウント待ち処理追加
[110、169行目]
(追加) | while /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done |
[例] リストアの後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の、マウント処理変更
[152、156、158、171、175、177、223、232行目]
(変更前) | /usr/sbin/mount $device $mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -online resourceName -sys systemName |
[例] リストアの後処理シェルスクリプト(OpcRestore.post)の、マウント待ち処理追加
[197、251行目]
(追加) | while ! /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done |