Wizard for SAP HANA の導入によって、PRIMECLUSTER 上で、SAP HANA のシステムレプリケーションを利用したスタンバイ運用(ホットスタンバイ)を行うことができます。
Wizard for SAP HANAは、以下の機能を提供します。
SAP HANA インスタンスの監視を行います。
SAP HANA が提供するコマンドにより、SAP HANA インスタンスを構成するプロセスの状態、SAP HANA データベースの状態を監視します。
SAP HANA のプライマリシステムで異常が発生すると、SAP HANA のセカンダリシステムに処理は引き継がれます。
また、セカンダリシステムが動作する待機ノードで異常が発生しても、プライマリシステムが動作する運用ノードで処理が継続されます。
ポイント
レプリケーションモードが Full Sync (完全同期オプション指定の同期) の場合でも、セカンダリシステムが動作する待機ノードで異常が発生したときには、Wizard for SAP HANA が Full Sync を解除するため、プライマリシステムが動作する運用ノードでのトランザクションの処理は継続できます。
クラスタアプリケーションの状態遷移に従って、SAP HANA が提供するコマンドにより SAP HANA インスタンスを起動・停止します。
クラスタアプリケーションの切替え時は、SAP HANA の運用がプライマリシステムからセカンダリシステムに引き継がれます。
SAP HANA の運用や環境設定を補助するためのコマンドを提供します。詳細は、"第4章 コマンド"を参照してください。
参考
SAP HANA は、大量のデータの高速分析を可能とするインメモリ DWH です。高速化を実現するための技術(インメモリ演算、カラムストア型データベース、超圧縮など)を活用し、予測分析やテキスト検索など豊富な機能をワンプラットフォームで実現します。
注意
Wizard for SAP HANA では以下の SAP HANA の機能は使用できません。
マルチノード SAP HANA システムレプリケーション
Active/Active (Read Enabled)