以下のネットワーク構成における環境設定例を示します。
図のIPアドレスにおけるxx,yy等はアドレス自動構成により自動採番されることを表します。
待機パトロール監視を行わない場合は、各ホストの設定手順5）を省略します。
注意
以下に、IPv6ルータとしてSolarisサーバを使用する場合の/etc/inet/ndpd.conf設定例を示します。
なお、/etc/inet/ndpd.confの詳細については、Solarisのマニュアルを参照してください。
ifdefault AdvSendAdvertisements true # すべてのInterfaceでルータ広報を送信 prefix fec0:1::0/64 fjgi1000 # fjgi1000からPrefix fec0:1::0/64を送信 prefix fec0:2::0/64 fjgi2001 # fjgi2001からPrefix fec0:2::0/64を送信 |
[HOST-Aの設定]
1) システムの設定
1-1) /etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。
192.168.70.1 hosta # HOST-Aの仮想IP 192.168.70.3 host71 # HOST-Aの物理IP (タグVLANインタフェース) 192.168.80.1 hostb # HOST-Aの仮想IP 192.168.80.3 host81 # HOST-Aの物理IP (タグVLANインタフェース) 192.168.70.2 hostc # HOST-Bの仮想IP 192.168.70.4 host72 # HOST-Bの物理IP (タグVLANインタフェース) 192.168.80.2 hostd # HOST-Bの仮想IP 192.168.80.4 host82 # HOST-Bの物理IP (タグVLANインタフェース) 192.168.70.100 swhub1 # primary監視先スイッチ/HUBのIP 192.168.80.100 swhub2 # secondary監視先スイッチ/HUBのIP |
1-2) Solaris 10の場合
/etc/hostname.fjgi1000ファイル、および/etc/hostname.fjgi2001ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。
/etc/hostname.fjgi1000の内容
host71 |
/etc/hostname.fjgi2001の内容
host81 |
1-2) Solaris 11の場合
dladm(1M)コマンドおよびipadm(1M)コマンドを用いて使用するインタフェースと上記で定義したホスト名で設定を行います。
使用インタフェースfjgi1000
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi0 -v 1 # /usr/sbin/ipadm create-ip fjgi1000 # /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a host71/24 fjgi1000/v4 |
使用インタフェースfjgi1001
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi1 -v 1 |
使用インタフェースfjgi2000
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi0 -v 2 |
使用インタフェースfjgi2001
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi1 -v 2 # /usr/sbin/ipadm create-ip fjgi2001 # /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a host81/24 fjgi2001/v4 |
1-3) /etc/inet/netmasksファイルに、サブネットマスクを定義します。
192.168.70.0 255.255.255.0 192.168.80.0 255.255.255.0 |
1-4) Solaris 10の場合
/etc/hostname6.fjgi1000ファイル、および/etc/hostname6.fjgi2001ファイルを空ファイルとして作成します。
1-4) Solaris 11の場合
ipadm(1M)コマンドを用いて使用するインタフェースの設定を行います。
使用インタフェースfjgi1000
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf fjgi1000/v6 |
使用インタフェースfjgi2001
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf fjgi2001/v6 |
1-5) /etc/inet/ipnodesファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。
fec0:1::1 v6hosta1 # HOST-Aの仮想IP(1) fec0:2::1 v6hosta2 # HOST-Aの仮想IP(2) fec0:1::2 v6hostb1 # HOST-Bの仮想IP(1) fec0:2::2 v6hostb2 # HOST-Bの仮想IP(2) |
2) IPv4仮想インタフェースの作成
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 192.168.70.1 -e 192.168.70.3 -t fjgi1000,fjgi1001 /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m d -i 192.168.80.1 -e 192.168.80.3 -t fjgi2001,fjgi2000
注意
オプションの‘-e’に指定する物理IPアドレスは、必ず/etc/hostname.fjgi1000、/etc/hostname.fjgi2001、またはipadm(1M)コマンドで設定した物理IPアドレスと一致させてください。
3) IPv6仮想インタフェースの作成
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha0,sha0 -i fec0:1::1/64 /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha1,sha1 -i fec0:2::1/64
4) HUB監視機能の設定
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 192.168.70.100 -b off /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha1 -p 192.168.80.100 -b off
5) 待機パトロール機能の設定
待機パトロール機能は1つのみ設定します。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha2 -m p -t sha0
6) リブート
以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、fjgi1000およびfjgi2001がIPv4/IPv6インタフェースとして活性化されていることをifconfigコマンドで確認してください。
/usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
[HOST-Bの設定]
1) システムの設定
1-1) /etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。
1-2) Solaris 10の場合
/etc/hostname.fjgi1000ファイル、および/etc/hostname.fjgi2001ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。
/etc/hostname.fjgi1000の内容
host72 |
/etc/hostname.fjgi2001の内容
host82 |
1-2) Solaris 11の場合
dladm(1M)コマンドおよびipadm(1M)コマンドを用いて使用するインタフェースと上記で定義したホスト名で設定を行います。
使用インタフェースfjgi1000
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi0 -v 1 # /usr/sbin/ipadm create-ip fjgi1000 # /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a host72/24 fjgi1000/v4 |
使用インタフェースfjgi1001
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi1 -v 1 |
使用インタフェースfjgi2000
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi0 -v 2 |
使用インタフェースfjgi2001
# /usr/sbin/dladm create-vlan -l fjgi1 -v 2 # /usr/sbin/ipadm create-ip fjgi2001 # /usr/sbin/ipadm create-addr -T static -a host82/24 fjgi2001/v4 |
1-3) /etc/inet/netmasksファイルに、サブネットマスクを定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。
1-4) Solaris 10の場合
/etc/hostname6.fjgi1000ファイル、および/etc/hostname6.fjgi2001ファイルを空ファイルとして作成します。
1-4) Solaris 11の場合
ipadm(1M)コマンドを用いて使用するインタフェースの設定を行います。
使用インタフェースfjgi1000
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf fjgi1000/v6 |
使用インタフェースfjgi2001
# /usr/sbin/ipadm create-addr -T addrconf fjgi2001/v6 |
1-5) /etc/inet/ipnodesファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。定義内容はHOST-Aと同じです。
2) IPv4仮想インタフェースの作成
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 192.168.70.2 -e 192.168.70.4 -t fjgi1000,fjgi1001 /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m d -i 192.168.80.2 -e 192.168.80.4 -t fjgi2001,fjgi2000
注意
オプションの‘-e’に指定する物理IPアドレスは、必ず/etc/hostname.fjgi1000、/etc/hostname.fjgi2001、またはipadm(1M)コマンドで設定した物理IPアドレスと一致させてください。
3) IPv6仮想インタフェースの作成
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha0,sha0 -i fec0:1::2/64 /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig copy inet6 -n sha1,sha1 -i fec0:2::2/64
4) HUB監視機能の設定
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 192.168.70.100 -b off /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha1 -p 192.168.80.100 -b off
5) 待機パトロール機能の設定
待機パトロール機能は1つのみ設定します。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha2 -m p -t sha0
6) リブート
以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、fjgi1000およびfjgi2001がIPv4/IPv6インタフェースとして活性化されていることをifconfigコマンドで確認してください。
/usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
