ファイル管理機能の構成と概要
ファイル管理機能の構成を以下に示します。
ファイル管理機能は、バッチジョブ定義にしたがってファイル資源を管理します。バッチアプリケーションは、ファイル管理機能から通知された情報を利用してファイルをアクセスします。
ファイル管理機能には以下の機能があります。
2.4.1 ファイルの排他機能
ジョブ開始時に、バッチジョブ定義に指定されたファイルの排他を獲得し、ジョブステップ終了時またはジョブ終了時にジョブが使用したファイルの排他を解除します。
ファイルの排他機能は、ファイル管理独自の仕組みによる排他制御を行うため、バッチ実行基盤で実行していないアプリケーションや一般のコマンドとは排他しません。
2.4.2 ファイルの割当て機能
ジョブステップ開始時に、該当のジョブステップが使用するファイルを割り当て、ジョブステップ終了時に不要となったファイルの割当てを解除(削除)します。
また、ジョブステップ開始時に、資源名と物理的なパスの対応関係を、環境変数に設定します。
2.4.3 ファイルパスの論理化機能
バッチアプリケーションの実行時に、そのジョブで使用するファイルの格納先のディレクトリを論理的なディレクトリ名から絶対パス名に置き換えて処理を行います。
2.4.4 ファイルのNetCOBOL連携機能
COBOLアプリケーションから、NetCOBOLのファイル機能を使用したファイルアクセスができます。
2.4.5 ファイルの事前容量チェック機能
ジョブステップ開始時に、アプリケーションの実行中に必要となるディスク容量を論理的に確保します。
ファイルの事前容量チェック機能は、ファイル管理独自の論理によるチェックを行うため、バッチ実行基盤で使用しないファイルは容量チェックの対象になりません。
2.4.6 ファイルの世代管理機能
バッチアプリケーションが実行時に作成するファイル資源のバックアップを保存し、ファイルの世代を管理します。
2.4.7 インラインファイル機能
ファイル管理機能がアプリケーションに割り当てる一時ファイルに、バッチジョブ定義で定義されたデータを書き込みます。
注意
ファイル管理機能は、業務用データベースの資源に関する管理を行いません。
バッチジョブ定義のジョブステップ定義の資源に設定していないファイルは、ファイル管理機能の対象外であるため、上記で説明したファイル管理機能は動作しません。
ファイル管理機能では、アプリケーション内で行う、ファイル操作(open、read、write、close)については制御を行いません。
したがって 、ファイルの追加書き/上書きなどもバッチアプリケーションのファイル操作に依存します。
ファイル管理機能は、該当ファイルをInterstage運用グループの権限でアクセスします。そのため、ファイル転送などにより外部から持ち込んだファイルをファイル管理機能で利用する場合、Interstage運用グループにファイルのアクセス権を与える必要があります。アクセス権がなかった場合は、ファイルの削除などで権限エラーとなります。
パスを構成する各ディレクトリ名およびファイル名の終端に“.”(ピリオド)および“ ”(半角空白)を指定しないでください。
予約デバイス名に一致するディレクトリ名およびファイル名を指定しないでください。
ファイル管理機能が使用できるファイルシステム
ファイル管理機能は、以下のファイルシステムを使用できます。
UFS
ZFS
(RHEL5(Intel64)、またはRHEL6(Intel64)の場合)
ext3
(RHEL7(Intel64)の場合)
ext3
ext4
XFS
NTFS
ファイル管理機能が使用できるファイルの種類
ファイル管理機能は、以下のファイルを使用できます。
通常のファイル
(ディレクトリ、特殊ファイル、名前付きパイプ、リンク、およびシンボリックリンクは指定できません)
ファイル管理機能が割り当てるファイル
ファイル管理機能が割り当てるファイルには、以下の2つがあります。
一時ファイル
非一時ファイル
ダミーファイル/nullデバイス
ファイル管理機能が容量を事前チェックするファイル
ファイル管理機能が、ファイル容量を事前チェックするファイルには、以下の2つがあります。
一時ファイル
非一時ファイル
一時ファイル
ジョブ内に閉じて使用する一時的なファイルです。ジョブ内で一時的に使用する場合や、ジョブステップ間の情報の引継ぎに使用する場合に、一時ファイルを使用できます。
ジョブ内で一時的に使用するファイル
ジョブステップ間の情報の引継ぎに使用するファイル
注意
世代ファイルを一時ファイルとして使用することはできません。
非一時ファイル
ジョブ間で使用し、ジョブが終了しても削除されないファイルです。ジョブ間の情報を引継ぐ場合や、ジョブ終了後に処理結果を残す場合などに使用します。
ジョブ間の情報の引継ぎに使用するファイル
ポイント
ジョブのテストやジョブの異常時のための調査用に情報を残す必要がある場合は、ジョブステップ間の情報の引継ぎにも非一時ファイルを使用することができます。
ダミーファイル
実体が存在しない架空のファイルを“ダミーファイル”と呼びます。
バッチアプリケーション(COBOLアプリケーション)からダミーファイルに対してファイルの割当てを行うことができます。
ダミーファイルは、ファイルの排他制御は行われません。
nullデバイス
バッチアプリケーション(C言語アプリケーション、コマンド/スクリプト)からnullデバイスに対してファイルの割当てを行うことができます。
nullデバイスは、ファイルの排他制御は行われません。
バッチアプリケーション(C言語アプリケーション、コマンド/スクリプト)でのnullデバイスの使い方については、各プラットフォームのnullデバイスの仕様に従ってください。