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PRIMECLUSTER  コンセプトガイド 4.3
FUJITSU Software

1.7.1 Linux

Linuxで、以下の環境の場合のクラスタシステムの可用性について説明します。

表1.1 クラスタシステム構成別の可用性

監視対象

物理サーバ

KVM

VMware

管理OS異常切替機能を使用したクラスタ

異なる管理OS上のゲストOS間クラスタ

同一管理OS上のゲストOS間クラスタ

異なるESXホスト上のゲストOS間クラスタ

同一ESXホスト上のゲストOS間クラスタ

(1) 筐体

×

×

(2) 共用ディスクおよびディスクアクセスパス

×

×

(3)業務LAN

×

×

(4) OS(物理、管理OS/ESXホスト)

○*1

×

○*2

×

(5) OS(ゲストOS)

○*2

×

(6) 業務(クラスタアプリケーション)

異常時の業務継続 ○:可、×:不可

*1 管理OSのシステムディスク異常は自動切替え、管理OS異常はLEFTCLUSTERとなります

*2 ゲストOSのハングアップを検出しゲストOSを待機系に自動切替えできない場合は、LEFTCLUSTERとなります

図1.11 物理環境

図1.12 仮想環境

VMware環境の場合、管理OSをESXホスト/ESXiホストと読み替えてください。

監視対象の異常検出方法

  1. 筐体

    PRIMEQUESTの場合、サーバ管理ボード(MMB)と連携した非同期監視機能が、CPUやメモリ等の異常を契機とするパニック、およびリセットを即時検出し、待機系に切り替えます。PRIMERGYの場合、ハートビート監視で異常を検出し、待機系に切り替えます。

  2. 共用ディスクおよびディスクアクセスパス

    ボリューム管理機能(GDS)と組み合わせることで、ディスクアクセスおよび、ディスクアクセスパスの故障を検出(Gdsリソースで監視)し、ディスクアクセス不可または、ディスクアクセスパスの全系故障の場合に待機系に切り替えます。

  3. 業務LAN

    ネットワーク多重化機能(Global Link Services。以降、GLS)と組み合わせることで、業務LANのネットワークアダプタや経路の故障を検出(Glsリソースで監視)し、ネットワークの全系故障の場合に待機系に切り替えます。

  4. OS(物理、管理OS/ESXホスト)

    物理環境、管理OS異常切替機能を使用した(KVM)の場合、クラスタインタコネクト(LAN)定周期監視によりOSのハングアップを検出し、待機系に切り替えます。

    異なる管理OS間クラスタ(KVM)の場合は、管理OSに異常が発生した場合、対象ゲストOSはLEFTCLUSTERとなります。
    (注)システムディスク故障時の自動切替えは、ファイルシステムをext3または、ext4にし、mountオプションに「errors=panic」を指定することで可能

    異なるESXホスト間クラスタ(VMware)の場合は、ESXホストに異常が発生した場合、対象ゲストOSのハングアップを検出し、ゲストOSを待機系に切り替えます。

    同一管理OS上のゲストOS間クラスタ(KVM,VMware)の場合は、管理OS/ESXホストの異常検出はできません。(管理OS/ESXホストがシングルのため)

  5. OS(ゲストOS)

    KVM環境の場合は、クラスタインタコネクト(LAN)定周期監視によりOSのハングアップを検出し、待機系に切り替えます。

    異なるESXホスト間クラスタ(VMware)の場合は、I/Oフェンシング機能を設定し、クラスタインタコネクトでの通信が行えず、それ以外のネットワークでも通信ができない場合、待機系に切り替えます。

    同一ESXホスト上のゲストOS間クラスタ(VMware)の場合は、ゲストOSに異常が発生した場合LEFTCLUSTERとなります。

  6. 業務(クラスタアプリケーション)

    クラスタアプリケーションのリソース異常発生時に待機系に切り替えます。