ソース・登録集原文の作成、編集方法について説明します。なお、対象となるソース・登録集原文は、既に次の作業を実施済みのものとして説明します。
プロジェクトファイルを作成し、ソース・登録集ファイルをプロジェクトに登録している。
既存資産の保守および拡張の場合は、OSIV系システムからソース・登録集原文をWindowsシステムに転送し、プロジェクトに登録したパスに格納している。
COBOLプロジェクトマネージャは次の2つの操作ビューを持ちますが、ソース・登録集原文の作成、編集方法はこのどちらの操作ビューからも可能です。
作成、編集対象のソース・登録集原文を選択して、〔プロジェクト〕メニューから“編集”を選ぶか、選択したファイル名をダブルクリックすることで、エディタが起動して、選択したファイルの編集ができるようになります。
通常は、エディタとしてNetCOBOLの製品に組込みのCOBOLエディタが用いられます。以下、このエディタの固有の操作とプロジェクトマネージャで使用するエディタをカスタマイズする方法について説明します。
NetCOBOLに組込みのエディタは、通常のテキストエディタとしての機能の他にCOBOLソースの効率的な編集のため、次のような機能を持っています。
一連番号領域の操作の自動化・制限
カラー構文表示
テンプレート展開機能
簡易翻訳モード
メッセージ連携機能(エラージャンプ機能)
ここではこれらの機能についてのみ説明します。一般的なエディタの機能については、エディタのヘルプを参照してください。
なお、このエディタの編集対象ファイルの管理方式は次の2つの形式があります。
行番号付きテキスト
行番号なしテキスト
COBOLソースの正書法の形式で一連番号領域(1~6カラム)が正しく昇順の行番号となっている場合は、自動的に行番号付きテキストとして読み込みます。一連番号領域に空白や行番号として認識できない文字、あるいは昇順でない行番号が含まれる場合、ファイルのオープン時に次のダイアログボックスが表示されます。
そのまま〔OK〕ボタンをクリックした場合、一連番号領域に新しい昇順に生成した行番号を上書きした上で、行番号付きテキストとしてファイルを開きます。
“行番号なしテキストとして読み込む”を選択してから、〔OK〕ボタンをクリックした場合、次のように行番号なしテキストとしてファイルを開きます。
行番号なしテキストとしてファイルを開いた場合、編集操作の一部の機能でふるまいが変わってくるので注意してください。
一連番号領域の操作の自動化・制限
ファイルを行番号付きテキストとして読み込んだ場合、一連番号領域(1~6カラム目)をエディタが認識して、次のような操作の自動化と制限が行われます。
行の追加・挿入時、行番号を自動生成/自動リナンバ
編集やソース行の“右シフト”、“左シフト”の対象になりません。
カラー構文表示
編集中のソース・登録集の構文を認識して以下のカテゴリで色分けして表示します。
行番号
注釈/行内注記
予約語
プログラムテキスト(利用者語/定数)
注意
NetCOBOLコンパイラは、翻訳オプションRSVの指定で使用する予約語セットを選択して、どの語を予約語と見なすか切り換えることができます。しかし、エディタのカラー構文表示で使用される予約語セットの選択を行うことはできません。
エディタの〔表示〕メニューから“色”を選択すると、〔色〕ダイアログを表示します。このダイアログから、個々の表示色のカスタマイズが可能です。
テンプレート展開機能
COBOLの基本的な構文についてのテンプレートが用意されており、編集中のソース・登録集原文の任意の位置に展開することができます。
テンプレート展開機能の使用法を説明します。
テンプレートを展開しようとする行にカーソルを合わせます。
エディタの〔編集〕メニューから “テンプレート展開”を選択します。
〔テンプレート展開〕ダイアログから、“テンプレートの分類”、“テンプレート名”および“プレビュー”などを参考に展開するテンプレートを選択します。
展開するテンプレートが決まったら、そのテンプレート名を選択して、〔展開〕ボタンをクリックします。
エディタのカーソル行から、テンプレートが挿入されます。この例では、入出力節の見出しを展開しています。
テンプレートはいくつかのカテゴリがありますが、最も基本的なカテゴリである“COBOLの基本機能”では次のようなテンプレートを用意しています。
ソース単位
見出し部
環境部
データ部
手続き部
ファイルを使用する
印刷機能を使用する
整列併合用機能を使用する入出力機能を使用する
なお、テンプレート展開で挿入するソース中で、データ名や定数などはその位置を示すだけの記号で表現します。適切な形に修正してください。
簡易翻訳処理
編集中のソースをエディタの上から一時的に翻訳してみることができます。
注意
プロジェクトの翻訳オプションの設定を引き継ぎません。別途設定が必要です。
エディタの〔ツール〕メニューから“翻訳”を選択します。
〔ビルダ〕ウィンドウが現れ、翻訳処理を実行します。
翻訳が終了すると翻訳結果を〔ビルダ〕ウィンドウに表示します。
メッセージ連携機能(エラージャンプ機能)
エディタの簡易翻訳機能あるいはプロジェクトマネージャのビルド機能によってプログラムを翻訳した結果、翻訳エラーが検出された場合、〔ビルダ〕ウィンドウに表示した診断メッセージからエディタ上でエラーの発生箇所に移動します。
以下、手順を説明します。
〔ビルダ〕ウィンドウ上で、修正しようとしている翻訳エラーに対する診断メッセージを選択します。
選択した診断メッセージをダブルクリックすると、エディタにフォーカスが移動し、エラーの発生した行の先頭にカーソルが移動します。翻訳エラーの発生したソースがエディタで開かれていない場合、自動的にエディタが起動します。
COBOLプロジェクトマネージャから起動するエディタは、初期状態ではNetCOBOLに組み込まれているエディタです。普段使い慣れているエディタが他に存在する場合、プロジェクトマネージャから起動するエディタをそのエディタで置き換えることもできます。これを“エディタのカスタマイズ”と呼びます。
“エディタのカスタマイズ”の設定方法と解除方法を説明します。
エディタのカスタマイズの設定
プロジェクトマネージャの〔環境〕-〔エディタのカスタマイズ〕メニューから、“設定”を選択します。
〔エディタのカスタマイズ〕ダイアログが表示されるので、置き換えるエディタを起動するためのコマンドラインを直接テキストボックスに入力するか、〔参照〕ボタンをクリックして、〔ファイルを開く〕ダイアログでエディタの実行形式ファイルを選択ください。
〔OK〕ボタンをクリックします。
エディタのカスタマイズ後の動作
エディタをカスタマイズした場合、COBOLプロジェクトマネージャからの操作は次のように変わります。
COBOLソース・登録集ファイルの編集
COBOLソース・登録集ファイルの編集の為にファイルを開くエディタが〔エディタのカスタマイズ〕ダイアログで指定したエディタに変更されます。編集に使用できる機能は“カスタマイズ”で指定したエディタの機能に依存します。
翻訳結果の表示
COBOLプロジェクトマネージャでCOBOLソースの翻訳処理を行った場合、その翻訳結果が一時的なファイルに出力され、カスタマイズしたエディタで開かれます。“カスタマイズ”によりCOBOLエディタのメッセージ連携機能(エラージャンプ機能)は使用できなくなりますが、カスタマイズ後のエディタが“タグジャンプ”機能などを持つ場合、同等のことが可能です。
エディタのカスタマイズの設定解除
設定したエディタのカスタマイズを解除するには、COBOLプロジェクトマネージャの〔環境〕-〔エディタのカスタマイズ〕メニューから、“解除”を選択します。