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Interstage Studio V12.0.0 ユーザーズガイド
FUJITSU Software

E.2.1 Lesson1 カレンダー

JBK(J Business Kit)のカレンダーBeanが使用されたアプリケーションの開発を通して、プロジェクトの新規作成からアプリケーションの実行までの手順を説明します。

Javaアプリケーションプロジェクトの作成

  1. ワークベンチを起動します。

  2. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [プロジェクト]を選択します。

  3. [新規プロジェクト]ウィザードが表示されます。
    ツリーから[Javaアプリケーションプロジェクト]を選択し、[次へ]をクリックします。

  4. [Javaアプリケーションプロジェクト]ページが表示されます。
    以下のようにプロジェクトの情報を入力します。
    情報を設定後、[完了]をクリックします。この操作で新規プロジェクトが生成されます。

    設定項目

    設定内容

    プロジェクト名

    MyCalendar

  5. フレームを作成します。
    ワークベンチの[ファイル] > [新規] > [その他]を選択します。[新規]ウィザードが表示されます。
    ツリーから[Java] > [GUI] > [フォーム]を選択し、[次へ]をクリックします。

  6. [Javaフォーム情報]ページが表示されます。以下の情報を入力し、[次へ]をクリックします。

    設定項目

    設定内容

    ソースフォルダ

    MyCalendar/src

    パッケージ

    myapp.javaform

  7. [Javaフォームの新規作成]ダイアログボックスが表示されます。
    [フレーム]を選択し、[OK]をクリックします。

  8. [フレーム]ダイアログボックスが表示されます。
    このページでは、作成するフレームの情報を指定します。
    以下の情報を入力し、[作成]をクリックします。

    設定項目

    設定内容

    パッケージ名

    myapp.javaform

    Javaフォーム名

    Frame1

    基底クラス

    javax.swing.JFrame

    ポイント

    重量コンポーネントと軽量コンポーネント

    コンテナやBeanの種類に、重量コンポーネント(AWT)と軽量コンポーネント(Swing)の二つがあります。Javaフォームやアプレットの作成では、できるだけ重量コンポーネントと軽量コンポーネントの利用を統一することを推奨します。重量コンポーネントと軽量コンポーネントを混在すると、重ね合わせの問題(必ず重量コンポーネントが上に表示される)やメニューのBeanの下への潜り込みなど、問題が発生する可能性があります。

  9. 次に、フォームのクラスとフォームを表示する実行可能なクラスを作成します。
    メニューバーから[ファイル] > [新規] > [クラス]を選択します。

  10. [Javaクラス]ページが表示されます。
    このページでは、作成するJavaクラスの基本情報を指定します。
    以下の情報を入力し、[完了]をクリックします。

    設定項目

    設定内容

    ソースフォルダ

    MyCalendar/src

    パッケージ

    myapp.javaform

    名前

    MyCalendar

    継承された抽象メソッド

    チェックする

  11. [Javaエディタ]に作成されたソースが表示されます。

    作成されたソースを修正します。の部分を追加します。

    package myapp.javaform;
    
    public class MyCalendar {
        //コンストラクタ
        public MyCalendar() {
        }
        
        public void run() {
            //新規フォームプロジェクトの作成
            Frame1 form = new Frame1();
            //フォームの表示
            form.setVisible(true);
        }
        //メイン処理
        public static void main(String[] args) {
            // MyCalendarクラスのインスタンスを作成
            MyCalendar object = new MyCalendar();
            // MyCalendarクラスのインスタンスのrunメソッドを呼び出す
            object.run();
        }
    }
  12. 以上の操作で、フォームのクラスとフォームを表示する実行可能なクラスが作成されます。

Javaフォームの定義

  1. 画面の形やレイアウトをJavaのクラスで定義したものが、Javaフォームです。
    このJavaフォームを編集して完成させます。

  2. Javaフォーム定義を使用して、Beanの配置、プロパティ(属性)の設定、処理手続きを記述し、フォームを完成させます。

  3. Frame1のプロパティを変更します。
    プロパティの参照および設定はプロパティウィンドウ内の「プロパティシート」で行います。
    プロパティウィンドウが表示されていない場合は、Javaフォーム定義のメニューバーから[表示] > [プロパティ]を選択し、プロパティウィンドウを表示します。
    プロパティシートには選択中のBeanのプロパティが一覧表示されます。選択中のBeanがない場合は、Javaフォームのプロパティが表示されます。
    Frame1のプロパティを以下のように指定します。

    プロパティ名

    レイアウトマネージャ

    <なし>

    背景色

    ライトグレイ

    Beanの情報は、標準プロパティと固有プロパティに分かれて表示されています。
    [固有]タブをクリックし、以下のように指定します。

    プロパティ名

    ウィンドウタイトル

    カレンダー

カレンダーBeanの配置

  1. ユーザとウィンドウの間で入出力を制御するのが、プッシュボタンやリストボックスなどのBeanです。
    ここでは、JBKのカレンダーBeanをJavaフォームに配置します。
    Beanの配置はマウスを使って行います。マウスを使って、Beanの新規配置、サイズの変更、移動などの編集操作を行います。
    オブジェクトパレットの[JBK]が選択されていない場合は、[JBK]をクリックします。

    ポイント

    オブジェクトパレット

    オブジェクトパレットは、フォームにコンポーネント(Beanやコントロール)を配置するときに使うパレットです。パレット上の絵をクリックすることで、コンポーネントが選択できます。

  2. オブジェクトパレットの[カレンダー]をクリックし選択します。

  3. Javaフォーム上に配置します。
    編集対象のJavaフォームの貼り付けたい位置でマウスの左ボタンを押します。
    マウスをドラッグし、貼り付けたい大きさでマウスの左ボタンを離すことにより、フォームにBeanを貼り付けることができます。

イベント処理の記述

  1. マウスのクリックやキーボードからキーを入力するという操作に対応して発生する事象を、イベントといいます。
    イベントに対して記述された処理手続きを、イベント処理と呼びます。
    イベント処理は、Javaエディタを使用して記述します。
    Javaフォーム定義のメニューバーから[表示] > [Javaエディタ]を選択し、Javaエディタをアクティブにします。Javaフォーム上や貼り付けたBean上でマウスをダブルクリックすることにより、Javaエディタをアクティブにすることもできます。

  2. イベントが発生したときの処理を記述するため、[Beanリスト]ビューを表示します。
    メニューバーから[ウィンドウ] > [ビューの表示] > [その他]を選択します。[ビューの表示]ダイアログボックスが表示されます。 [Java] > [Beanリスト]を選択し、[OK]をクリックします。

  3. フレームが閉じた場合に、アプリケーションを終了するように処理を記述します。
    フレームが閉じた場合は、windowイベントが発生します。windowイベントに対応した「window_windowClosing」イベントに処理を記述します。
    [Beanリスト]ビューにある[Frame1] > [イベント] > [window_windowClosing]をダブルクリックします。
    イベント処理の作成確認画面が表示されるので、「はい」をクリックします。

  4. 「Frame1_window_windowClosing$」イベントにの部分を記述します。

        private void Frame1_window_windowClosing$(java.awt.event.WindowEvent e) {
            if(!defaultEventProc$(e)) {
                // ここにイベント発生時の処理を記述します。
                System.exit(0);
            }
        }

    ポイント

    Javaフォーム定義が管理する変更禁止ソースについて

    Javaフォームは、画面(Bean)の情報やイベント処理を呼び出すソースを含んでいます。このソースは、Javaフォーム定義が管理しているため変更禁止です。
    のコメントで囲われた部分が、 Javaフォーム定義が管理する変更禁止ソースになります。

    public class Frame1 extends javax.swing.JFrame {
        //@@Form Design Information start
    ~Javaフォーム定義が管理する変更禁止ソース~
    //@@Form Design Information end
  5. Javaフォームを保存します。
    ワークベンチのメニューバーから[ファイル] > [保管]を選択します。または、Javaフォーム定義のメニューバーから[ファイル] > [上書き保存]を選択します。
    ファイルの保存はワークベンチとJavaフォーム定義のどちらからでも行うことができます。
    Javaフォーム定義のメニューバーから [ファイル] > [終了]を選択し、Javaフォームを終了します。

ビルド

  1. ビルドは、[プロジェクト]メニューの[自動的にビルド]が有効になっている場合は、Javaファイルなどのリソースファイルを保存すると自動的に実行されます。
    [自動的にビルド]が無効になっている場合は、プロジェクトを選択し右クリックメニューの[プロジェクトのビルド]を選択するか、[プロジェクト]メニューの[プロジェクトのビルド]を選択します。

  2. JARファイルについては別途必要なため、これを作成します。
    JARファイルの作成は、エクスポートウィザードから行います。
    エクスポートウィザードを起動するには、[ファイル] > [エクスポート]を選択します。
    エクスポートウィザードから[Java] > [JARファイル]を選択し、[次へ]をクリックします。

  3. JARエクスポートウィザードが表示されます。
    [エクスポートするリソースの選択]で[MyCalendar] > [src]フォルダを選択し、以下の設定項目を入力します。
    情報を設定後、[完了]をクリックします。

    設定項目

    設定内容

    エクスポートするリソースの選択

    src/

    生成されたクラスファイルとリソースをエクスポート

    チェックする

    JARファイル

    MyCalendar/MyCalendar.jar

    JARファイルの内容を圧縮

    チェックする

    JARエクスポートでは以下のメッセージが出力されますが、問題ありません。

実行

  1. 実行するファイル(クラス)を選択します。ワークベンチの[パッケージ・エクスプローラー]ビューにある[MyCalendar] > [src] > [myapp.javaform] > [MyCalendar.java]をクリックします。

  2. メニューバーから[実行] > [実行] > [Javaアプリケーション]を選択します。アプリケーションが起動し、Javaフォームが表示されます。

  3. カレンダーBeanの動作を確認します。
    カレンダーBeanは、カレンダーの表示と日付の選択を行う機能を持っています。
    マウスでクリックすると、クリックした日付を選択します。
    カーソルキーや、[PageUp]キー、[PageDown]キーを押すことにより、日/週/月単位に選択表示を変更することができます。

  4. タイトルバーのクローズボタン([X]ボタン)をクリックして、アプリケーションを終了します。