ページの先頭行へ戻る
ServerView Resource Orchestrator Express/Virtual Edition V3.2.0 設計ガイド
FUJITSU Software

2.2 機能概要

本製品では、以下の機能を提供します。本製品のライセンスによって、利用できる機能が異なります。詳細は、「2.3 商品による機能の違い」を参照してください。

表2.1 管理対象サーバに関する機能一覧

提供機能

説明

メリット

対象リソース

物理OS

VMホスト (注1)

VMゲスト (注1)

監視

サーバなどのリソース状態を監視し、GUIを使用して、正常、異常などの状態を表示する機能です。

故障によるサーバへの影響や原因の特定を簡単にし、ハードウェア保守を迅速に行えます。

○ (注2)

○ (注2)

電源操作

サーバの電源ONや電源OFFを行う機能です。

管理対象サーバに直接乗り込まなくても、リモートから操作できるため、計画保守などでの電源操作を簡単に行えます。

バックアップ・リストア (注3)

サーバのシステムイメージを、管理サーバのディスク上へバックアップし、リストアする機能です。

OS/ソフトウェアの導入、変更、削除時や、パッチ適用時にバックアップし、サーバのトラブル(ハードウェアトラブルまたはソフトウェアトラブル)発生時にリストアすることで、システムの復旧を迅速に行えます。

○ (注4)

○ (注4、注5)

×

ハードウェア保守

ハードウェア交換を簡易化する機能です。
SANに接続している場合、I/O仮想の設定を行っておくことで、ストレージ機器の再設定をする必要がありません。
また、VIOMを利用することで、MACアドレス、ブート設定およびネットワーク設定も自動的に変更するため、MACアドレスを参照するソフトウェアやネットワーク機器の設定変更も必要ありません。

ハードウェア交換時の作業手順を削減でき、また操作ミスを防止できます。

-

サーバ切替え

サーバ故障が発生した場合、事前に定義した予備サーバに切り替えてシステムを再起動する機能です。

サーバ故障が発生した場合、復旧処理時間や復旧手順を削減できます。

○ (注4)

○ (注4)

×

クローニング (注3)

クローニングイメージを管理サーバ上に作成し、複数のサーバに配付する機能です。

サーバの導入、増設時に、サーバへのOS/ソフトウェアの導入が簡単にできます。また、同じOS/ソフトウェア構成のサーバのバックアップを共通化できます。

×

×

○: サポート
×: 未サポート
-: 該当しません
注1) VMホストとVMゲストのサーバ仮想化ソフトウェア別の提供機能については、「9.1 サーバ仮想化ソフトウェアの決定」を参照してください。
注2) 使用しているハードウェアによって利用できないことがあります。
詳細は、「解説書」の「6.2.1 エディション共通」の「エージェントで利用できる機能」を参照してください。
注3) 本製品と同一サブネット内(管理LAN上)でServerView Deployment Managerを使用する場合は必要ありません。
注4) 管理対象サーバにクラスタソフトウェアを導入している場合はサポートしていません。
注5) VMホストの起動ディスク上にVMゲストが存在する場合の動作は、サーバ仮想化ソフトウェアの製品ごとに異なります。詳細は、「9.2.2 利用する製品別の機能」を参照してください。


表2.2 OS別機能一覧

機能名

OS(物理OS、VMホスト)

Windows

Linux

VMware

Solaris

Xen

KVM

Windows

Hyper-V (注1、注2)

Red Hat

vSphere (注3、注4、注5)

Infrastructure 3

Solaris

Solarisゾーン

OVM for

SPARC

Citrix (注6)

Red Hat

Red Hat

監視

電源操作

バックアップ・リストア

○ (注7)

○ (注7)

○ (注8)

×

×

×

×

○ (注9、注10)

○ (注11)

○ (注11)

サーバ切替え

バックアップ・リストア方式

○ (注7)

○ (注7)

×

×

×

×

○ (注12)

HBA address rename方式

○ (注7)

○ (注7)

×

×

×

○ (注12)

VIOMサーバプロファイル切替え方式

○ (注7)

○ (注7)

×

×

×

ストレージアフィニティ切替え方式

×

×

×

×

×

○ (注13、注14、注15、注16、注17)

○ (注13、注14、注15、注16、注17、注18)

○ (注14、注16、注17、注18、注19、注20)

×

×

×

ping監視 (注21)

○ (注22)

○ (注14)

○ (注14)

○ (注14)

クローニング

○ (注23)

×

○ (注8)

×

×

×

×

×

×

×

×

VLAN設定 (注24)

×

×

×

一括設定

○ (注25)

○: 利用できます。
×: 利用できません。
注1) Windowsマネージャーだけのサポートになります。
注2) VMゲストのサーバ間の移動、VMメンテナンスモードの設定/解除を利用する場合、SCVMMが必要です。また、マネージャーのOSにPowerShell 2.0が必要です。
注3) BIOS時計設定について、VMware vSphere 4以降のVMware ESX/ESXiのサーバはUTC(協定世界時)だけ、Windowsサーバはローカル時刻だけが設定できます。そのためVMware vSphere 4以降のVMware ESX/ESXiのサーバとWindowsサーバでは予備サーバを共有して運用できません。
注4) VMware Infrastructure 3からアップグレードを行う場合、アップグレード前に採取していたVMホストのシステムイメージはアップグレード後もそのまま保持します。ただし、アップグレード前のシステムイメージによるバックアップ・リストア方式のサーバ切替えを行っても、VMホストは正常に稼動しません。バックアップ・リストア方式のサーバ切替えに対する予備サーバの指定は、アップグレード前にすべて解除してください。また、アップグレード前に採取していたシステムイメージはリストアの必要がなくなった時点で削除してください。
注5) VMware Fault Toleranceを有効にしたVMゲストに対する本製品による管理はサポートしていません。
注6) Citrix XenDesktop上のXenServerだけのサポートになります。
注7) 本製品をインストールする管理対象サーバのWindowsに対して、ボリュームライセンスが必要です。Windows Server 2008以降の場合、OEMライセンスも適用できますが、リストア対象サーバ/予備サーバ/交換後のサーバにもOEMライセンスが必要です。
注8) 本製品による操作を行う場合、ファイルシステムはNTFS、ext3、ext4、またはLinuxSwapファイルシステムで作成してください。
注9) 本製品によるバックアップ・リストアを行う場合、ファイルシステムはext3ファイルシステムで作成してください。
注10) 本製品によるリストアを行う場合、バックアップしたときと同一のNIC構成のハードウェアに対して行ってください。NICを交換、変更したハードウェアにリストアした場合、Citrix XenServerのマニュアルを参照して、XenServerを再インストールしてください。
注11) VMメンテナンスモードの設定/解除は、VM製品が本機能をサポートしていません。VMホストのバックアップ・リストア実行時にVMメンテナンスモードの設定を行う必要はありません。
注12) XenServer5.7以降は使用できません。サーバ切替えを行う場合は"VIOMサーバプロファイル切替え方式"を使用してください。XenServer5.7以降でサーバ切替えを行った場合、サーバ切替えに失敗し、NICの構成に不整合が発生します。Citrix XenServerのマニュアルを参照し、XenServerを再インストールしてください。
注13) OSのファイルシステムをUFSで構築する場合、起動時のfsck実行を抑止するため、UFSファイルシステムのマウント設定についてロギングを有効にしてください。UFSロギングの設定については、Solarisのシステム管理のマニュアルを参照してください。
注14) PRIMEQUEST、領域を分割しているSPARC Enterpriseパーティションモデル、およびBuilding Block構成をしているSPARC M10では、サーバ切替えを含むリカバリ処理はできません。
注15) SPARC M10の場合、運用サーバ、予備サーバともにfactory-defaultの構成状態で実行してください。
注16) SPARC M10の場合、予備サーバのXSCFに保存している構成情報が、サーバ切替えによって運用サーバ側のXSCFに保存されている構成情報で上書きされる場合があります。
注17) ストレージのマルチパス構成はMPxIOだけ使用できます。
注18) ZFSストレージプールにゾーンを作成したサーバ切替えは、Solaris11.1以降で行えます。
注19) Oracle VM Server for SPARC 3.0/3.1をサポートしています。ただし、Oracle VM Server for SPARC 3.1の場合で、かつ、PCIeエンドポイントデバイス単位で物理I/Oを割り当てたI/Oドメインがある場合、サーバ切替えはできません。
注20) SPARC M10の場合、運用サーバはfactory-default以外のドメイン構成情報を保存した状態で実行してください。
注21) 設定方法については、「導入ガイド VE」の「第8章 監視情報の設定」を参照してください。
注22) VMware ESXiの場合、本機能はサポートしていません。
注23) 本製品をインストールする管理対象サーバのWindowsに対して、ボリュームライセンスが必要です。
注24) ブレード型の場合だけのサポートになります。
注25) ゲストドメインのエージェント登録情報は、未サポートです。


表2.3 ブレードサーバのシャーシに関する機能一覧

提供機能

説明

メリット

電源操作

シャーシの電源ONや電源OFFを行う機能です。

マネジメントブレードに接続しなくても、リモートから操作できるため、計画保守や節電などを目的とした電源操作が簡単にできます。

表2.4 管理サーバの設定、および保守に関する機能一覧

提供機能

説明

メリット

一括設定

事前に作成した構成定義ファイルを読み込むことで、多数のサーバから構成されるシステムを簡単に構築、変更する機能です。

多数の設定を一度に行えるため、オペレーションミスを防止できます。
また、構成定義ファイルは、本製品がインストールされていないマシン上でも編集できます。

バックアップ・リストア

本製品が管理する資産をバックアップし、リストアする機能です。

環境構築後や、リソースの追加、削除、変更後にバックアップし、運用管理者の人為的なミスなどが原因で資産が破損した場合に、リストアすることで管理サーバを迅速に復旧できます。

表2.5 LANスイッチに関する機能一覧

提供機能

説明

メリット

LANスイッチブレード (注1)

LANスイッチ

switchモード

IBPモード

エンドホストモード

Converged Fabricモード

DCB SW (注2)

FEX Nexus B22 (注3)

監視

LANスイッチのリソース状態を監視し、GUIを使用して、正常、異常などの状態を表示する機能です。

LANスイッチの異常によるサーバへの影響や原因の特定を簡単にし、ハードウェア保守が迅速にできます。

ネットワークビューア

物理ネットワークと、VLANやサーバ仮想化ソフトウェア内の仮想スイッチで仮想化された論理ネットワークを関連付けて表示する機能です。

リソース(ネットワーク機器やサーバ仮想化ソフトウェア)の種別にかかわらず、接続関係(トポロジ)と結線の状態を自動的に収集して可視化できます。

○ (注4)

○ (注4)

VLAN設定

サーバが接続するLANスイッチに対するVLAN(ポートVLANまたはタグVLAN)を自動設定する機能です。

サーバの導入、増設時に、LANスイッチへのVLANの設定が簡単にできます。また、サーバ故障によるサーバ切替えでVLAN設定手順を削減できます。

×

×

○ (注5)

×

×

ポートグループ設定

サーバ切替え時、サーバが接続するIBPモードで動作するLANスイッチのポートグループを自動設定する機能です。

サーバ故障によるサーバ切替えでポートグループ設定手順を削減できます。

×

×

×

×

×

×

リストア

LANスイッチの最新のVLAN情報をリストアする機能です。

LANスイッチ交換時に、バックアップしたLANスイッチの構成定義から変更されたVLAN情報を最新の状態に復旧できます。

×

×

○ (注5)

×

×

○: サポート
×: 未サポート
注1) PRIMERGY BX600シリーズの場合はswitchモードの列を参照してください。
注2) LANスイッチブレード PY CB DCB SW 10Gb 18/6/6でVCSモード使用/未使用時をDCB SWと略して記載しています。
注3) LANスイッチブレードPY CB 10Gb FEX Nexus B22をFEX Nexus B22と略して記載しています。
注4) 内部結線の接続関係(トポロジ)だけ表示されます。
注5) 内部ポートだけにVLANを設定できます。


表2.6 電力採取対象装置を利用した機能

提供機能

説明

メリット

消費電力監視 (注)

電力監視デバイス(PDUやUPS)に接続された機器、または電力監視をサポートした機器の消費電力の動向を監視し、一定期間の消費電力データを採取、出力する機能です。

エコ、コストダウン対策の消費電力の確認に利用できます。

注) サポート対象装置については、「2.5 ハードウェア環境」を参照してください。管理対象サーバがVMware ESXiの場合、本機能はサポートしていません。


表2.7 VMに関する機能

提供機能 (注)

説明

メリット

VMゲストのサーバ間の移動(マイグレーション)

VMゲストを異なる物理サーバ間で移動する機能です。

負荷や保守の状況に応じて、VMゲストを最適に配置できます。

VMメンテナンスモードの設定/解除

VMホストを保守できる状態に設定/解除する機能です。

サーバ仮想化ソフトウェアの運用構成からの切離し/復帰を行えます。

VMホームポジションの設定/移動/解除

VMホームポジションを設定/解除、VMホームポジションへの移動を行う機能です。

VMゲストが様々な場所へ移動した状態でも、すぐに元の場所に戻すことができます。

注) サーバ仮想化ソフトウェアによって提供機能が異なります。詳細は、「9.1 サーバ仮想化ソフトウェアの決定」を参照してください。