Oracle Data Guard環境におけるPRIMECLUSTER Wizard for Oracleの留意事項について説明します。
Oracle Data Guard Brokerなど、プライマリ・データベースからスタンバイ・データベースへフェイルオーバーを自動的に実行する運用はサポート対象外です。
クラスタ運用中に、ALTER文によるログ適用サービスの動的変更が可能ですが、Oracleインスタンスリソースの設定項目「REDOApply」には反映されません。反映する場合、RMS停止後、リソースの設定変更を行ってください。
データベース・ロールの切替えを行う場合、PRIMECLUSTERを保守モードに移行し、Oracleリソースの監視を中断してください。詳細は"F.4 データベース・ロールの切替え手順概要"を参照してください。
スタンバイ・サイトでuserApplicationの停止や切替えを行った際に、syslogに以下のメッセージが出力されることがありますが、問題ありません。
ORA-01109を含むメッセージ
FSP_PCLW-ORACLE_FJSVclora: ERROR: 3403: clorainstance detected Oracle error! (ORA-01109: database not open ) Please check the Oracle alert log file.
上記メッセージは、フィジカル・スタンバイ・データベースがMOUNTED状態で運用されているとき、userApplicationの停止や切替えが行われた場合に出力されます。
ORA-16136を含むメッセージ
FSP_PCLW-ORACLE_FJSVclora: ERROR: 3403: clorainstance detected Oracle error! (ORA-16136: Managed Standby Recovery not active ) Please check the Oracle alert log file.
上記メッセージは、フィジカル・スタンバイ・データベースにおいて、ログ適用サービスが停止しているとき、userApplicationの停止や切替えが行われると出力されます。
スナップショット・スタンバイからフィジカル・スタンバイに変換後、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイト間で通信が確立されていないとき、スタンバイ・サイトでuserApplicationの起動や切替えを行うと、Oracleデータベースのアラートログに以下のメッセージが出力されることがありますが、問題ありません。
“通信が確立されていない”ケースとして、プライマリ・データベースが停止している、リスナーが停止している、ネットワーク異常のケースがあります。
Sun Jul 24 01:14:28 2011 ALTER DATABASE RECOVER AUTOMATIC DATABASE Media Recovery Start started logmerger process Sun Jul 24 01:14:28 2011 Managed Standby Recovery not using Real Time Apply Media Recovery failed with error 1666 Recovery Slave PR00 previously exited with exception 283 ORA-283 signalled during: ALTER DATABASE RECOVER AUTOMATIC DATABASE...
スタンバイ・サイトでメンテナンスによりOracleインスタンスを停止した場合、Oracleインスタンス再起動時にはログ適用サービスをOracleインスタンスリソースの設定項目「REDOApply」に設定した値と同じになるようにしてください。
Oracle インスタンス起動処理 (Online 処理) において、Oracle の状態 (V$INSTANCEビューの STATUS 列) が "MOUNTED" のときに呼び出される/opt/FJSVclora/usr 配下のスクリプトmount*には、次のパラメータが渡されます。/opt/FJSVclora/usr 配下のスクリプトmount*については、「2.3.1 Oracle リソース起動・停止時のスクリプトの設定」を参照してください。
$1 : $ORACLE_HOME
$2 : $ORACLE_SID
$3 : Oracleユーザー名
$4 : データベース・ロール(V$DATABASEのDATABASE_ROLE列)