FUJITSU Enterprise Postgresの運用管理には、以下の2つの方法があります。
GUIツールを使用した運用管理
コマンドを使用した運用管理
参照
データベース多重化機能を利用してスイッチオーバ、またはフェールオーバ運用を行う場合は、“クラスタ運用ガイド”の“データベース多重化運用”を参照してください。
GUIツールを使用した運用管理
GUIツールによる運用管理の方法には、WebAdminとpgAdminがあります。
WebAdminによる管理
従来、データベースを運用する際に必要不可欠であった、煩雑な環境設定やバックアップ/リカバリの複雑な運用設計を行う必要がありません。データベースの専門知識がなくても、簡単に、確実に、データベースの状態監視、ストリーミングレプリケーションクラスタの作成、データベースのバックアップ、およびリストアを運用することができます。
pgAdminによる管理
アプリケーション開発やデータベースの保守を行うにあたり、pgAdminを使用して、以下のようなデータベースオブジェクトに対する簡単な操作を行うことができます。
インデックスの再構築や統計情報の更新など
データベースオブジェクトの作成、削除および更新
また、FUJITSU Enterprise PostgresのpgAdminからは、PostgreSQLのSQLコマンドに対するFUJITSU Enterprise Postgresによる拡張機能を利用することができます。
参照
FUJITSU Enterprise PostgresによるpgAdminの拡張機能については、“pgAdminヘルプ”を参照してください。
コマンドを使用した高度な運用管理
コマンドを使用してデータベースの詳細な設定や運用操作、運用管理ができます。コマンドを使用して運用管理を進めた場合、WebAdminによる運用管理に移行できません。
注意
WebAdminとサーバコマンドを以下のように組み合わせて運用することはできません。
initdbコマンドで作成したインスタンスのWebAdminによる運用
WebAdminで作成したインスタンスのコマンドによる運用
WebAdminでバックアップしたデータベースのコマンドによるリカバリ
ただし、WebAdminで作成したインスタンスにおいてpgx_dmpallコマンドによりバックアップを取得することが可能です。また、pgx_dmpallコマンドで取得したバックアップを使用してWebAdminでリカバリすることが可能です。
pgAdminにおいても、バックアップとリストアを行うことができますが、WebAdminおよびpgx_dmpallで取得したバックアップデータと、pgAdminで取得したバックアップデータとは、相互に互換性がありません。
pgAdminのその他の注意事項は、“pgAdminヘルプ”を参照してください。
各フェーズで利用する機能
GUIによる運用とコマンドによる運用のそれぞれについて、各フェーズで利用する機能を以下に示します。
運用 | GUIによる運用 | コマンドによる運用 | |
---|---|---|---|
セットアップ | インスタンスの作成 | WebAdmin | initdbコマンド |
スタンバイインスタンスの作成 | WebAdmin WebAdminがソースインスタンスのベースバックアップを行い、新しいスタンバイインスタンスを作成します。 | pg_basebackupコマンドを使用し、スタンバイインスタンスを作成します。 | |
設定ファイルの変更 | WebAdmin | 設定ファイルを直接編集 | |
インスタンスの起動 | WebAdmin | pg_ctlコマンド | |
データベースの作成 | pgAdmin | DDL文で指定し、psqlやアプリケーションで定義 | |
データベースのバックアップ | WebAdmin pgx_dmpallコマンド | pgx_dmpallコマンド | |
モニタリング | データベースの異常 | WebAdmin (注1) | システムログに出力されるメッセージ (注1) |
ディスク容量 | WebAdmin (注1)(注2) | OSのdfコマンド (注1) | |
コネクション状況 | pgAdmin | psqlコマンド (注3) | |
データベースのリカバリ | WebAdmin | pgx_rcvallコマンド |
注1) 運用管理ミドルウェア(Systemwalker Centric Managerなど)による監視が可能です。
注2) ディスクの使用量が全体の80%に到達すると、警告を表示します。
注3) 標準統計情報ビューのpg_stat_activityを検索して状況を監視します。