複数サブシステム運用を実施しているときに、自ホストのサブシステム、他ホストのサブシステムにかかわらず、任意のサブシステムにネットワークジョブを依頼することができます。
任意のサブシステムにネットワークジョブを依頼するには、以下のいずれかの方法で指定します。指定方法を以下に示します。
GUIで-rsysオプションを指定する方法
[登録-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートで指定します。
図4.45 [登録-ジョブ]-[基本情報]シート
[コマンド]の先頭に、-rsysオプションを指定します。[コマンド]の指定方法は、以下のとおりです。
-rsys サブシステム番号 コマンド |
-rsys サブシステム番号:ネットワークジョブを依頼するサブシステム番号を指定します。
自ホストと異なるホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、チェックボックスをチェックします。自ホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、チェックボックスをチェックする必要はありません。
依頼先のホスト名を指定します。自ホストのサブシステムにネットワークジョブを投入したい場合は、指定する必要はありません。
コマンドで-rsysオプションを指定する方法
“qsub ジョブの投入コマンド”の-rsysオプションに、依頼先のサブシステム番号を指定します。指定例を以下に示します。
qsub [-rh 依頼ホスト [-rsys サブシステム番号]] ジョブファイル |
-rh 依頼ホスト:依頼先のホスト名を指定します。
-rsys サブシステム番号:ネットワークジョブを依頼するサブシステム番号を指定します。
自ホストと異なるホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、-rsysオプションと同時に、-rhオプションを指定してください。自ホストのサブシステムにネットワークジョブを依頼するときは、-rhオプションを指定する必要はありません。
詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”の“qsub ジョブの投入コマンド”を参照してください。
APIで-rsysオプションを指定する方法
ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)には、引数submitinfに、qsubコマンドの引数が指定できます。引数submitinfに-rsysオプションを指定することにより、実行サーバのサブシステムを指定します。引数の記述形式は、qsubコマンドにおける-rsysオプションの指定方法と同じです。
ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)の詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”の“ジョブ投入API”を参照してください。
実行サブシステム名を使用する方法
実行サブシステム名を使用することで、実行サブシステム名に対応するホストおよびサブシステムに、ネットワークジョブを依頼することができます。
実行サブシステム名を使用する手順を以下に示します。
実行サブシステム名を定義します。定義方法の詳細は、“Systemwalker Operation Manager 導入ガイド”の“実行サブシステム名の定義”を参照してください。
実行サーバを指定する設定項目に、実行サブシステム名を指定します。実行サブシステム名が使用できる箇所は以下のとおりです。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[デフォルトホスト名]
[登録/監視-ジョブ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[依頼ホスト名]
qsubコマンドの-rhオプション、および、ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)のsubmitinfパラメタ
qsubコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”の“qsub ジョブの投入コマンド”を参照してください。
ジョブ投入API(Mp_SubmitJob)の詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”の“ジョブ投入API”を参照してください。
注意
任意のサブシステムに投入できないジョブ/キューについて
以下のジョブについては、任意のサブシステムへのネットワークジョブは投入できません(投入元で、ネットワークジョブを依頼するときのサブシステム番号が指定できません)。指定しても無視されます。
Interstage属性のジョブ
JCL(業務手続言語)のジョブ
分散実行キュー、旧互換負荷分散キューに、任意のサブシステムへのジョブ投入はできません。ジョブ投入に失敗します。
スケジュールサーバまたは実行サーバのどちらかがV13.2.0以前のバージョンの場合、任意のサブシステムへのネットワークジョブは投入はできません。ジョブ投入に失敗します。
以下のジョブについては、-rsysオプションを指定する方法で任意のサブシステムへのネットワークジョブは投入できません。投入元で、ネットワークジョブを依頼するときのサブシステム番号が指定できません。
デマンドジョブ(ジョブフォルダ/フォルダ管理外ジョブからのジョブ投入)
以下のジョブについては、実行サブシステム名を使用する方法で任意のサブシステムへのネットワークジョブは投入できません。指定しても無視されます。
実行サーバを二重化し、第1候補および第2候補の実行サーバを指定したジョブ
注意
-rsysオプションと実行サブシステム名の併用について
-rsysオプションと実行サブシステム名の両方を指定してジョブを依頼すると、実行サブシステム名に定義したサブシステム番号が優先され、-rsysで指定したサブシステム番号は無視されます。
注意
ホスト名にも実行サブシステム名にも存在する名前の扱いについて
実行サーバとして指定した名前が、ホスト名にも実行サブシステム名にも存在する名前の場合、実行サブシステム名として扱われます。
注意
実行サブシステム名を使用できないジョブに実行サブシステム名を指定した場合の動作について
実行サブシステム名を使用できないジョブに実行サブシステム名を指定した場合、その名前はホスト名として扱われ、実行サブシステム名に定義したホスト名には置き換えらずにジョブが投入されます。
参考
ジョブの投入元サーバ(スケジュールサーバ)がSystemwalker Operation Manager SE版で、依頼先サーバ(実行サーバ)がSystemwalker Operation Manager EE版の場合、本機能を利用してジョブを投入する実行サーバのサブシステムを指定することができます。
ポイント
-rsysオプション使用時の[ジョブをネットワークジョブとして投入する]/-rhオプションの指定方法について
クラスタ構成でない単一サーバで運用している場合
ジョブの投入サーバと同じホストにジョブを投入する場合は、[ジョブをネットワークジョブとして投入する]および-rhオプションを指定せずに投入サーバと同じホストにジョブを投入することができます。
クラスタ構成で運用している場合
クラスタ上で運用しているサブシステムに対してジョブを投入するときは、[ジョブをネットワークジョブとして投入する]を指定した上で[依頼ホスト名]に論理IPアドレスを指定する、または論理IPアドレスを指定した-rhオプションを指定する必要があります。
クラスタ上で運用していないサブシステムに対してネットワークジョブを投入するときは、[ジョブをネットワークジョブとして投入する]を指定した上で[依頼ホスト名]に物理IPアドレスを指定する、または物理ノードのIPアドレスを指定した-rhオプションを指定する必要があります。