ジョブネットは、起動条件と起動日の設定に基づいてそれぞれ個別に起動されますが、ジョブのように順序を決めて順番に実行させることもできます。
ただし、あるジョブネットの処理が終了した後に、別のジョブネットを続けて実行させようとして、2つのジョブネットの起動時刻を単純に設定してしまうと、先に起動されたジョブネットが終了しないまま、次のジョブネットが起動してしまう可能性があります。
確実に先行ジョブネットの処理が完了するのを待ち合わせてから、次のジョブネットを起動させたい場合には、以下のいずれかの方法でジョブネットの実行順序を指定します。
ジョブネットの階層化
ジョブネットの中にジョブとして別のジョブネットを登録すること(ジョブネットの階層化と呼びます)ができます。このジョブネットの階層化を利用することで、ジョブネットのアイコンを画面上で接続し、視覚的にフロー図を作成してスケジュールできます。
メッセージ事象連携
先行ジョブネットの最終ジョブよりメッセージを受信し、そのメッセージ受信を契機に、次のジョブネットが起動されるようスケジュールします。
メッセージ事象を発生させるには、先行ジョブネットの最終ジョブにjobschmsgeventコマンドを登録します。メッセージの受信を契機に起動されるジョブネット側では、[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウの[基本情報]シートおよび[メッセージ]シートで設定します。
グループ化
複数のジョブネットをグループ化することで、順番に実行させることができます。グループを作成するフロー上でジョブネットを接続し、視覚的にフロー図を作成してスケジュールできます。
それぞれ、以下のメリット、デメリットがあるので、運用に応じてどの方法を使うか検討します。
スケジュール方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ジョブネットの階層化 | フローで視覚的に先行後続関係を編集、確認できる。 フロー順にそのまま実行されるので、動作状況が把握しやすい。 | 同じプロジェクト内のジョブネットだけが連携対象。 |
メッセージ事象連携 | プロジェクトをまたがった連携や、他システムとの連携が可能。 | ジョブネットの動作状況が確認しにくく、メッセージ事象のクリア操作で運用が煩雑になりやすい。 |
グループ化 | フローで視覚的に先行後続関係を編集・確認できる。 グループ内ジョブネットに対して、メッセージ起動や時刻起動の設定ができる。 | 1日1回の時刻起動するジョブネットの集合体で、日によって実行するジョブネットの構成を変えたい場合を想定した機能のため制約が多い。 |
なお、迷った場合は、制約が少なく、フローで視覚的に先行後続関係を編集、確認できて分かりやすいジョブネットの階層化がお勧めです。
詳細については、“Systemwalker Operation Manager 活用ガイド”を参照してください。