ISI Studioの画面([ISI Studio]ウィンドウ)と、ISI Studioを利用するうえで必要な基礎知識について説明します。
ISI Studioの画面構成を以下に示します。
図1.1 ISI Studioの画面例
項目 | 説明 |
---|---|
タイトルバー | ウィンドウタイトル“ISI Studio”が表示されます。 |
メニューバー | ISI Studioのメニュータイトルが表示されます。 |
ツールバー | ISI Studioでよく利用するメニュー項目に対応したボタンが表示されます。 |
ISIナビゲータービュー | ISIプロジェクト配下のシーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送、ユーザテンプレートの一覧がツリー形式で表示されます。 |
ISIエクスプローラービュー | 利用者が任意に作成した階層配下にシーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送、ユーザテンプレートの一覧がツリー形式で表示されます。 |
エディタ | シーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送を表示、編集します。
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パレット | シーケンスエディタ、ホスト接続エディタ、キュー接続エディタがアクティブの場合に表示されます。アクティブなエディタの種類によって、表示されるパレットが異なります。
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プロパティビュー | シーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送のプロパティを表示、設定します。 |
比較ビュー | シミュレート機能を利用したシーケンスの実行結果が表示されます。 |
ISI問題ビュー | シーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送編集時に発生した問題が表示されます。 |
コンソールビュー | ISIサーバに定義を登録する時に、ISIサーバ側で発生したエラーの詳細が表示されます。 |
アウトラインビュー |
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オーバービュー | シーケンス、キュー間転送の全容が表示されます。 |
ポイント
ISI Studioのパースペクティブを開いた場合、ナビゲータなどのビュー、エディタはパースペクティブで指定した順序で整列表示されます。
ポイント
以降の説明で、特に明記していない場合には「ISIナビゲータービュー」と記載されている操作は「ISIエクスプローラービュー」でも同様の操作を行うことができます。なお、「ISIエクスプローラービュー」と記載している操作は、「ISIナビゲータービュー」で行うことはできません。
ISI Studioを使用するうえで必要な基礎知識について、以下に示します。
Interstage Service Integrator(以降、ISIと略します)の動作に必要なシステム、業務の定義情報です。
サービスエンドポイント、シーケンス、メディエータファンクション、ルーティング、キュー間転送の定義を、ISI Studioで定義します。
定義の構成要素(サービスエンドポイント、シーケンス、ステップ、メディエータファンクション、ルーティング、ホスト、ホスト間コネクション、キュー、キュー間コネクション)を総称してオブジェクトと呼びます。
ISI Studioで作業するためのエディタとビューの組合せのことです。
シーケンス、サービスエンドポイント、メディエータファンクション(ユーザプログラム呼出し)、ルーティング、キュー間転送を表示、編集するための領域です。
ISIプロジェクト配下に格納されている定義情報の一覧や詳細なプロパティなどを表示する領域の総称です。ISI Studioには、ISIナビゲータービュー、プロパティビュー、ISI問題ビュー、アウトラインビュー、オーバービューなどのビューがあります。
ISIナビゲータービューおよびISIエクスプローラービューに表示されるツリーの最上位に位置し、作成した定義は、ISIプロジェクト配下に格納されます。ISIプロジェクトは、ISIサーバ単位に作成します。
ISIエクスプローラービューに表示される利用者が任意に作成できる定義の格納先です。階層配下に別の階層を作成して複数層の階層とすることができます。
サービスエンドポイントには、サービス利用側との連携ポイントとなる受信側サービスエンドポイントと、サービス提供側との連携ポイントとなる送信側サービスエンドポイントがあります。
受信側サービスエンドポイントをインバウンドサービスエンドポイント、送信側サービスエンドポイントをアウトバウンドサービスエンドポイントと呼びます。
指定した順にメディエータファンクションを実行するエンジンのことです。シーケンスエンジンと呼ぶ場合もあります。
シーケンスには、標準提供メディエータファンクションとユーザプログラム呼出し用のメディエータファンクションを定義することができます。
メディエータファンクションは、シーケンスエディタのパレットから矢印上の挿入ポイントにステップを挿入します。
メディエータファンクションを呼び出す場合の呼出し単位のことです。
データの加工やフォーマット変換などシーケンス上で実行する部品のことです。
標準提供メディエータファンクションには、以下の種類があります。
同期サービス呼出し
メッセージをサービスへ送信して処理結果を得ます。
ルーティングして同期サービス呼出し
メッセージを条件に合うサービスへ送信して処理結果を得ます。
非同期サービス呼出し
メッセージをサービスへ送信します。
ルーティングして非同期サービス呼出し
メッセージを条件に合うサービスへ送信します。
複数の非同期サービス呼出し
メッセージを複数のサービスへ送信します。
固定長メッセージの変換
固定長フォーマットのメッセージのフォーマットおよび文字コードを変換します。
XMLメッセージの変換
XML形式のメッセージのフォーマットを変換します。
XMLメッセージの検証
XML形式のメッセージの妥当性をチェックします。
XML メッセージの編集
XML形式のメッセージに対して、要素の追加・変更・削除を行います。
XML メッセージから情報取得
XML形式のメッセージから情報を取り出します。
固定長メッセージから情報取得
固定長形式のメッセージから情報を取り出します。
SOAP メッセージの操作
SOAPメッセージの作成、情報の設定・取得を行います。
コマンドの実行
シーケンスからコマンドラインアプリケーションを実行できます。
ファイルの入出力
ファイルの内容をペイロードに読み込みます。また、ペイロードの内容をファイルに出力します。
添付操作
ペイロードに読み込んだSOAPメッセージに、インバウンドで受信した添付ファイルを添付します。また、添付を持つSOAPメッセージから添付ファイルを取得します。
添付入出力
添付ファイルを入力して共通メッセージに反映します。また、共通メッセージの添付ファイルを添付変換メディエータファンクション用に出力します。
添付変換
添付入出力メディエータファンクションで出力した添付ファイルのフォーマットおよび文字コードを変換します。
List Creatorとの連携
Interstage List Creatorとの連携により、サービスバスを流れるデータを加工・編集し、オーバレイ付き帳票印刷やPDF保存などを行うことができます。
BPM Analyticsとの連携
Interstage BPM Analyticsと連携し、サービスの処理状況や稼動状況などをモニタリングできます。
ポイント
サーバの実行環境で利用可能なメディエータファンクションは、以下のとおりです。
メディエータファンクション | J2EE実行環境 | Java EE実行環境 |
---|---|---|
同期サービス呼出し | ○ | ○ |
ルーティングして同期サービス呼出し | ○ | ○ |
非同期サービス呼出し | ○ | ○ |
ルーティングして非同期サービス呼出し | ○ | ○ |
複数の非同期サービス呼出し | ○ | ○ |
固定長メッセージの変換 | ○ | ○ |
XMLメッセージの変換 | ○ | ○ |
XMLメッセージの検証 | ○ | ○ |
XML メッセージの編集 | ○ | ○ |
XML メッセージから情報取得 | ○ | ○ |
固定長メッセージから情報取得 | ○ | ○ |
SOAP メッセージの操作 | ○ | ○ |
コマンドの実行 | ○ | ○ |
ファイルの入出力 | ○ | ○ |
添付操作 | × | ○ |
添付入出力 | × | ○ |
添付変換 | × | ○ |
List Creatorとの連携 | ○ | ○ |
BPM Analyticsとの連携 | ○ | ○ |
○:利用できます。 ×:利用できません。
ISI Studioで、サーバの実行環境によって利用できないメディエータファンクションを指定したシーケンスを定義してサーバに登録することができますが、シーケンスの実行結果は保証されません。
シーケンス上には標準提供メディエータファンクションだけでなく、ユーザプログラムをメディエータファンクションとして呼び出すこともできます。ユーザプログラム呼出し用のメディエータファンクションは、メディエータファンクションエディタで作成します。
メッセージの内容によって、メッセージを振り分けます。インバウンドルーティング、アウトバウンドルーティング、シーケンスルーティングがあります。
ルーティング定義の構成要素を総称してアイテムと呼びます。アイテムには、以下の種類があります。
ルートアイテム
ポジションアイテム
条件アイテム
送信先アイテム
デフォルト送信先アイテム
キュー間転送
ISIサーバのキューと、別サーバに内のキューの間で、同期をとりながら自動でメッセージ交換する機能のことです。ISI Studioでは、キュー間転送機能を利用するための定義を作成します。
ホスト
ISI Studioでは、キュー間転送を利用するシステムのことです。
ホスト間コネクション
2つのホストを接続するキュー間転送のことです。ホスト間でキュー間転送を利用する場合は、2つのホストをホスト間コネクションで接続します。
キュー
ISI Studioでは、キュー間転送の受信側または送信側となるキューのことです。
キュー間コネクション
2つのキューを接続するキュー間転送のことです。キュー間でキュー間転送を利用する場合は、2つのキューをキュー間コネクションで接続します。
業務を構成する“処理の流れ”を示します。
ISIが提供する標準テンプレートと、ユーザがよく使用する定義を登録したユーザテンプレートがあります。
テンプレートのプロジェクトは、ISIナビゲータービューの最上部にあるユーザテンプレートフォルダ配下にテンプレート単位で作成されます。