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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.3
FUJITSU Software

G.2.3 クラスタの構築

VMware環境でのPRIMECLUSTERのクラスタ構築手順は以下のようになります。

G.2.3.1 CF、CIPの初期設定

5.1.1 CF、CIPの設定”を参照し、ゲストOSでCF、CIPの設定を行ってください。

G.2.3.2 シャットダウン機構の設定

生存優先度については、“5.1.2.2 生存優先度 ”を参照してください。

VMware環境では、SA_icmpシャットダウンエージェントのみ設定可能です。

ここでは、SA_icmpシャットダウンエージェントをシャットダウン機構に設定する方法について説明します。

注意

下記の操作はすべてのゲストOS(ノード)で実行してください。

  1. シャットダウンエージェントの設定

    シャットダウンエージェントを設定してください。

    クラスタを構成するすべてのゲストOS(ノード)で/etc/opt/SMAW/SMAWsf/SA_icmp.cfgを以下のような内容で作成します。

    TIME_OUT=value
    cfname:ip-address-of-node:NIC-name1,NIC-name2
    value              :ノードの生存を確認する時間(秒)を指定します。推奨値は5(秒)です。
    cfname             :CFノード名を指定します。
    ip-address-of-node :cfnameのノードの生存確認に使用する以下のいずれかのネットワークのIPアドレスを
                         指定します。複数のネットワークを使用して生存確認することも可能です。
                         その場合は、使用するネットワークごとに行を追加します。
                         LAN経路の確認には、確実な異常判定のため、複数の経路を使用することを推奨します。
                         ただし、確実な異常判定よりも自動切替えを優先させる場合、LAN経路には、
                         クラスタインタコネクトのみを設定してください。
                         クラスタインタコネクトのみを設定した場合、クラスタインタコネクトの通信が行えず、
                         それ以外のLAN経路で通信ができる状況(通信先のノードの生存が確認できた状況)で
                         あっても、自動切替えが可能となります。
                          - クラスタインタコネクト(CIPのIPアドレス)
                          - 管理LAN
                          - 業務LAN
                         指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスおよびIPv6アドレスです。
                         IPv6のリンクローカルアドレスは使用できません。IPv6アドレスを指定する場合は、
                         角括弧[ ]で囲んでください。
                         (例 [1080:2090:30a0:40b0:50c0:60d0:70e0:80f0])
                          クラスタシステムを構成する全ゲストOS(ノード)について記載してください。
    NIC-nameX          :ip-address-of-node に対して、ノードの生存確認に使用する自ゲストOS(ノード)の
                         ネットワークインタフェースを指定します。複数存在する場合は、「,」で区切ります。

    注意

    記載するネットワークインタフェースについて

    • GLSで2重化している場合は、冗長化しているネットワークインタフェースをすべて記載してください。(例 eth0,eth1)

    • NICをbondingしている場合は、bondingしているデバイスをIPアドレスの後に記載してください。(例 bond0)

    • クラスタインタコネクトを記載する場合は、クラスタインタコネクトの全パスで使用するネットワークインタフェースをすべて記載してください。(例 eth2,eth3)

    • 引継ぎIPアドレス(引継ぎ仮想インタフェース)は使用しないでください。

    複数のESXホスト上のゲストOS間クラスタ(2ノード構成)の設定例を以下に示します。

    • クラスタインタコネクト(eth2,eth3)を設定した場合

      TIME_OUT=5
      node1:192.168.1.1:eth2,eth3
      node2:192.168.1.2:eth2,eth3
    • 業務LAN(GLSで2重化(eth0,eth1))と管理LAN(eth4)を設定した場合

      TIME_OUT=5
      node1:10.20.30.100:eth0,eth1
      node1:10.20.40.200:eth4
      node2:10.20.30.101:eth0,eth1
      node2:10.20.40.201:eth4
  2. シャットダウンデーモンの設定

    クラスタを構成するすべてのゲストOS(ノード)で/etc/opt/SMAW/SMAWsf/rcsd.cfgを以下のような内容で作成します。

    CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_icmp,timeout=timeout
    CFNameX,weight=weight,admIP=myadmIP:agent=SA_icmp,timeout=timeout
    CFNameX       :クラスタホストのCFノード名を指定します。
    weight        :SFのノードの重みを指定します。
    myadmIPCFNameXの管理LANのIPアドレスを指定します。
                    指定可能なアドレス形式は、IPv4アドレスおよびIPv6アドレスです。
                    IPv6のリンクローカルアドレスは使用できません。
                    IPv6アドレスを指定する場合は、角括弧[ ]で囲んでください。
                     (例 [1080:2090:30a0:40b0:50c0:60d0:70e0:80f0])
    timeout       :シャットダウンエージェントのタイムアウト時間(秒)を指定します。
                     以下の値を設定します。
                    (TIME_OUT + 2)×確認に使用する経路の数、または、20
                                               (値の大きな方を指定)
                    TIME_OUT はSA_icmp.cfgに記載したTIME_OUTの値を指します。
    
                         - 1経路(管理LAN 、業務LAN、クラスタインタコネクトから1つ)で生存確認する場合
                           (1) TIME_OUTが18以上の場合
                               TIME_OUT + 2
                           (2) TIME_OUTが18未満の場合
                               20
    
                         - 2経路(管理LAN、業務LAN、クラスタインタコネクトから2つ)で生存確認する場合
                           (1) TIME_OUTが8以上の場合
                               (TIME_OUT + 2)×2
                           (2) TIME_OUTが8未満の場合
                               20
    
                         - 3経路(管理LAN、業務LAN、クラスタインタコネクトから3つ)で生存確認する場合
                           (1) TIME_OUTが5以上の場合
                               (TIME_OUT + 2)×3
                           (2) TIME_OUTが5未満の場合
                               20 

    注意

    rcsd.cfgファイルの内容はすべてのゲストOS(ノード)で同一にしてください。同一でない場合誤動作します。

    2ノード構成、SA_icmp.cfgに記載したTIME_OUTの値が10、管理LANと業務LANで生存確認する場合の設定例を以下に記載します。

    node1,weight=1,admIP=192.168.100.1:agent=SA_icmp,timeout=24 (※)
    node2,weight=1,admIP=192.168.100.2:agent=SA_icmp,timeout=24 (※)
    ※ timeout = (10(TIME_OUT値) + 2) × 2(管理LAN,業務LAN) = 24

  3. シャットダウン機構の起動

    シャットダウン機構が起動済か確認してください。

    # sdtool -s

    シャットダウン機構が起動済の場合、以下を実行してシャットダウン機構を再起動してください。

    # sdtool -r

    シャットダウン機構が起動していない場合、以下を実行してシャットダウン機構を起動してください。

    # sdtool -b
  4. シャットダウン機構の状態確認

    シャットダウン機構の状態がInitWorked またはTestWorkedとなっているか確認してください。TestFailed またはInitFailed が表示された場合は、シャットダウンデーモンの設定に誤りがないか確認してください。

    # sdtool -s

G.2.3.3 クラスタリソース機構の初期設定

5.1.3 クラスタリソース管理機構の初期設定”を参照し、ゲストOSでクラスタリソース管理機構(以降、CRM)が管理するリソースデータベースを設定してください。

G.2.3.4 故障リソース特定とオペレータ介入要求の設定

5.2 故障リソース特定とオペレータ介入要求の設定”を参照し、故障リソース特定とオペレータ介入要求の設定を行ってください。