企業にポータルを導入するにあたって、どういうサービスをだれに利用してもらうのかといった検討が必要です。以下の作業を行います。
図1.2 役割にあわせて最適に業務統合された企業ポータルの例
サービス利用者の検討
どのようなサービスを、だれに対して提供するのかを検討します。必要に応じて、次の「提供するサービスの検討」と並行して検討してください。一般の利用者、サービスを管理するロール管理者の権限をもつ利用者、業務内容によっては承認処理を行う利用者など、サービスにかかわる利用者を明確にしてください。
提供するサービスの検討
すでにある業務やクラウドサービスを利用して、どのような新しいサービスを提供するかを検討します。関連する業務システムを複数利用する必要があり効率が悪い、使い勝手が悪いとか、管理がしづらいなど、現状のシステムにおける改善要望を、「サービス利用者の検討」で明確にしたサービス利用者からヒアリングすることもできます。このようにして集めた情報をもとに、現状のサービスをどう組み合わせれば必要とされるサービスを提供できるかを検討します。
提供するサービスのデザイン
新しいサービスを利用者にどういった画面デザインで提供するかを検討します。この作業は、必要に応じて、次に述べる「利用者のグルーピング」と並行して検討してください。以下におもな検討項目を示します。
Webブラウザ画面のデザイン
関連する複数のサービスを同一画面に配置する、リンク集で提供するなど、利用者の業務スタイルにあわせて画面デザインを検討します。
また、同じサービスでも利用者の役割(ロール)、例えば一般の利用者とサービスを管理する利用者で、利用できるメニューを変えたい場合もあります。逆に、全利用者が利用するサービスを決まった位置に表示させたい場合もあります。サービスの様々な利用スタイルを考慮して画面デザインを検討します。
利用者の使い方に合わせたデザイン変更
提供されたサービスをより使いやすくするため、利用者が画面デザインをできるようにするかもあわせて検討します。
利用者のグルーピング
「提供するサービスのデザイン」で検討する新しいサービスの利用形態を実現するために、「サービス利用対象者の検討」で決定した利用者を、どのようにグルーピングすればよいかを検討します。必要に応じて、「提供するサービスのデザイン」と並行して検討してください。
ビジネスシナリオのデザイン
「提供するサービスのデザイン」、「利用者のグルーピング」でまとめた情報をもとに、ロールの設計を行います。
ロールの設計
提供するサービスおよび利用者のグルーピングの情報をもとに、どのサービスをどのグループに利用させるのかを検討します。
運用管理者の検討
運用開始後の運用管理を、ポータルシステム全体で行うか、部門単位で行うかといった運用管理形態検討と、運用管理の形態にあわせて、システム管理者や部門単位の運用が可能なグループ管理者を、「利用者のグルーピング」で決定したグループの中でどう配置するのかを検討します。
運用管理者(システム管理者、グループ管理者)が決定したら、Interaction Managerポータルをどのように運用していくのかを設計します。詳細は「1.3 ポータルの設計」を参照してください。