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Systemwalker Software Configuration Manager 運用ガイド
FUJITSU Software

1.1.4 ソフトウェアのパッチ管理

ソフトウェアのパッチ管理を行います。ソフトウェアのパッチ管理は、各ソフトウェアベンダーが提供するソフトウェア(パッチ)管理ツールと連携して行います。Systemwalker Software Configuration Managerでは、連携するソフトウェア(パッチ)管理ツールを情報収集元と呼びます。富士通ミドルウェアの場合、情報収集元としてUpdateAdvisor(ミドルウェア)を利用します。富士通ミドルウェアと富士通ミドルウェア以外のソフトウェアではパッチの管理方法が異なります。以下に全体の流れを以下に示します。

1.1.4.1 富士通ミドルウェアのパッチ管理

図1.4 富士通ミドルウェアのパッチ管理の概要

ポイント

管理サーバがインターネットに接続できる場合は、インターネット接続端末で実施する作業を管理サーバで実施できます。


  1. 富士通ミドルウェア情報の取得とディスカバリ

    UpdateSiteから修正適用管理簿設定ファイルを取得し、最新のソフトウェアインストール状況とパッチ適用状況を収集します。最新のソフトウェアインストール状況とパッチ適用状況を収集するには、修正適用管理簿設定ファイルを最新にする必要があります。運用中もUpdateSiteから最新の修正適用管理簿設定ファイルを取得してください。

    1. 最新情報の取得(修正適用管理簿設定ファイル)インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、最新の修正適用管理簿設定ファイルを、UpdateSiteからインターネット接続端末を使用してダウンロードします。

    2. 最新情報の登録(修正適用管理簿設定ファイル)インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、最新の修正適用管理簿設定ファイルを、管理サーバ上でUpdateAdvisor資産登録コマンドを使用してメディアライブラリに格納します。

    3. パッチ適用状況収集【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは、登録されている修正適用管理簿設定ファイルを使用し、各業務サーバからパッチの適用状況を収集します。

  2. 富士通ミドルウェアパッチの取得

    UpdateSiteから富士通ミドルウェアパッチを取得し、メディアライブラリに格納します。メディアライブラリに格納したパッチは業務サーバに配付(適用)できます。

    1. 最新パッチ公開情報の入手【インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、FSC-NEWS(SupportDeskお客様通知)のメール通知やUpdateSite(富士通SupportDesk Web)を通じて、最新パッチの情報を入手します。

    2. パッチ管理情報取得【インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、管理サーバ上でパッチ管理情報取得コマンドを利用してパッチ管理情報を取得します。

      インフラ管理者は、管理サーバから取得したパッチ管理情報と公開パッチ取得ツールを、インターネット接続端末にコピーします。

    3. パッチの取得【インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、インターネット接続端末上で公開パッチ取得ツールを使用して、公開パッチをUpdateSiteよりダウンロードします。

    4. 修正ファイル登録【インフラ管理者の作業

      インフラ管理者は、ダウンロードしたファイルを、管理サーバ上で富士通ミドルウェア公開パッチ登録コマンドを使用して、メディアライブラリに格納します。

  3. 富士通ミドルウェアパッチの配付と適用確認

    メディアライブラリに格納した富士通ミドルウェアパッチを配付(適用)します。

    1. 最新パッチ公開メール通知【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      テナント管理者およびテナント利用者は、Systemwalker Software Configuration Managerより、最新パッチが公開された事をメール通知で受け取ります。

    2. パッチ配付(適用)依頼インフラ管理者/テナント利用者/テナント管理者の作業】

      テナント利用者またはテナント管理者は、管理コンソールを使用して、業務サーバへ最新のパッチを配付します。

      インフラ管理者は、管理サーバ上のコマンドで、パッチ適用を実行できます。

      また、富士通ミドルウェアのパッチ適用を行うためには、適用処理を記述したスクリプトを作成し、実行後のスクリプトとして登録する必要があります。

    3. パッチ配付(適用)【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは、指定されたパッチを指定された業務サーバに配付します。

      また、適用スクリプトが登録されている場合は、適用スクリプトを実行してパッチ適用を行います。適用スクリプトが登録されていない場合は、業務サーバに直接乗り込んで、手動で適用操作を行います。

    4. 実行状況の確認【インフラ管理者/テナント管理者/テナント利用者の作業】

      パッチ適用の状況を管理コンソール、または管理サーバ上のコマンドで確認します。

    5. パッチ適用状況収集【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは登録されている修正適用管理簿設定ファイルを使用し、各業務サーバからソフトウェアのインストール状況とパッチの適用状況を収集します。

    6. パッチ配付(適用)確認

      インフラ管理者、テナント利用者、およびテナント管理者は、管理コンソールにログインしてパッチ適用状況を確認します。また、インフラ管理者は、管理サーバ上のコマンドで、パッチ適用状況を確認できます。


それぞれの役割ごとに運用操作の流れを説明します。

作業の流れ

本製品を利用する人

マニュアル該当箇所

インフラ管理者

兼任管理者

テナント管理者

テナント利用者

1

1

最新情報の取得(修正適用管理簿設定ファイル)

UpdateAdvisor(ミドルウェア)のマニュアルを参照してください。

2

最新情報の登録(修正適用管理簿設定ファイル)

『リファレンスガイド』の「UpdateAdvisor資産登録コマンド」を参照してください。

3

パッチ適用状況収集

『リファレンスガイド』の「パッチ情報更新コマンド」

2

1

最新パッチ公開情報の入手

FSC-NEWS(SupportDeskお客様通知)のメール通知、およびUpdateSite(富士通SupportDesk Web)の公開情報を参照してください。

2

パッチ管理情報取得

『リファレンスガイド』の「パッチ管理情報取得コマンド」

3

最新パッチの取得

『リファレンスガイド』の「公開パッチ取得ツール」

4

修正ファイル登録

『リファレンスガイド』の「富士通ミドルウェア公開パッチ登録コマンド」

3

1

最新パッチ公開メール通知

新規パッチ取得時に自動でメールが送信されます。

送信に失敗した場合は、『リファレンスガイド』の「メール再送信コマンド」でインフラ管理者または兼任管理者が再送信してください。

2

パッチ配付(適用)依頼


(注1)


(注2)


(注2)

『操作ガイド』「パッチ」の「パッチ適用ウィザード」

パッチの適用については、「2.10 富士通ミドルウェアパッチの適用」を参照してください。

『リファレンスガイド』の「パッチ適用コマンド」

3

パッチ配付(適用)

4

実行状況の確認


(注2)


(注2)

『操作ガイド』の「ジョブ管理」

『リファレンスガイド』の「ジョブ情報管理コマンド」

5

パッチ適用状況収集

『リファレンスガイド』の「パッチ情報更新コマンド」

6

パッチ配付(適用)確認


(注2)


(注2)

『操作ガイド』の「パッチ」

『リファレンスガイド』の「パッチ情報出力コマンド」

○:作業を実施する

-:作業を実施しない

注1) コマンドのみ実行できます。

注2) 管理コンソールのみ操作できます。

1.1.4.2 富士通ミドルウェア以外のソフトウェアのパッチ管理

富士通ミドルウェア以外のソフトウェアのパッチ管理では、事前に最新のソフトウェア情報とパッチ情報を取得し定義として登録します。これによりディスカバリ時に、収集したインストール済ソフトウェア情報と事前に登録したソフトウェア定義の比較と、適用済パッチ情報とパッチ定義の比較が行われ、ソフトウェアのインストール状況とパッチの適用状況を収集することができます。パッチの適用は、構成変更機能で行います。

最新のソフトウェア情報とパッチ情報の取得には、以下の2通りの方法があります。

  1. 各ソフトウェアベンダーが公開している情報から取得する。

  2. すでに最新のパッチが適用されている検証用サーバなどを利用して、このサーバからディスカバリで収集したインストール済ソフトウェア情報および適用済パッチ情報を使用する。

(a)と(b)それぞれについて、全体の流れを以下に示します。

図1.5 富士通ミドルウェア以外のソフトウェアのパッチ管理の概要

  1. 情報収集元の登録【インフラ管理者の作業】

    インフラ管理者は、連携するソフトウェア(パッチ)管理ツールを情報収集元として定義します。情報収集元の定義には、ソフトウェア(パッチ)管理ツールからインストール済ソフトウェア情報や適用済パッチ情報を収集するスクリプトを含みます。情報収集元の定義は、コマンドで登録します。

    本製品が事前に登録している情報収集元を利用する場合は、本作業は不要です。

    1. 収集項目の定義【インフラ管理者の作業】

      インフラ管理者は、情報収集元から収集可能なソフトウェア名やバージョンなどの情報を収集項目として定義します。収集項目は、ソフトウェアとパッチに分けて定義します。

    2. ソフトウェアパッチ収集スクリプトの作成【インフラ管理者の作業】

      インフラ管理者は、情報収集元から収集項目として定義した情報を収集するスクリプトを作成します。

    3. 情報収集元の登録【インフラ管理者の作業】

      インフラ管理者は、定義した収集項目および作成したソフトウェアパッチ収集スクリプトを情報収集元として登録します。

  2. 最新のソフトウェア情報とパッチ情報の取得

    最新のソフトウェア情報およびパッチ情報を取得し、ソフトウェアインストール状況とパッチ適用状況を収集します。最新のソフトウェアインストール状況とパッチ適用状況を収集するには、運用中も定期的に最新のソフトウェア情報とパッチ情報を取得する必要があります。

    1. 最新情報の取得【インフラ管理者の作業】

      1. インフラ管理者は、各ソフトウェアのベンダーが公開している情報から最新のソフトウェア情報とパッチ情報を取得します。

      2. 本作業は不要です。

    2. 最新情報の登録【インフラ管理者の作業】

      1. インフラ管理者は、管理サーバ上のコマンドで取得したソフトウェア情報とパッチ情報を定義として登録します。

      2. 本作業は不要です。

    3. パッチ適用状況収集【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは、各業務サーバからソフトウェアのインストール状況とパッチの適用状況を収集します。

      bの場合、パッチの適用状況を収集する際に、収集対象のサーバに、すでに最新のパッチが適用された検証用サーバを含みます。

  3. パッチの取得

    各ソフトウェアのベンダーが公開している情報を通じてパッチを取得し、メディアライブラリに格納します。メディアライブラリに格納したパッチは、業務サーバに配付し適用できます。

    1. パッチの取得【インフラ管理者の作業】

      インフラ管理者は、各ソフトウェアのベンダーが公開しているサイトなどからパッチを取得します。

    2. パッチの登録【インフラ管理者の作業】

      インフラ管理者は、取得したパッチを管理サーバ上のコマンドを使用して、資産としてメディアライブラリに格納します。また、管理コンソールまたは管理サーバ上のコマンドで構成変更テンプレートを作成します。構成変更テンプレートに、パッチの適用に必要な処理や、パラメーター、資産を定義します。構成変更テンプレートは、マニュアルなどのソフトウェアベンダーが提供する情報をもとに作成します。

  4. パッチの適用と適用確認

    メディアライブラリに格納したパッチを適用します。

    1. 最新パッチ公開メール通知【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      テナント管理者およびテナント利用者は、Systemwalker Software Configuration Managerより、最新パッチが公開された事をメール通知で受け取ります。

    2. パッチ適用依頼【インフラ管理者/テナント利用者/テナント管理者の作業】

      テナント利用者またはテナント管理者は、管理コンソールを使用して、業務サーバへ最新のパッチを適用します。

      インフラ管理者は、管理サーバ上のコマンドで、パッチ適用を実行できます。

    3. パッチ適用【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは、指定されたパッチを指定された業務サーバに適用します。

    4. 実行状況の確認【インフラ管理者/テナント管理者/テナント利用者の作業】

      パッチ適用の状況を管理コンソール、または管理サーバ上のコマンドで確認します。

    5. パッチ適用状況収集【Systemwalker Software Configuration Managerでの処理】

      Systemwalker Software Configuration Managerは、各業務サーバからソフトウェアのインストール状況とパッチの適用状況を収集します。

    6. パッチ適用確認

      インフラ管理者、テナント利用者、およびテナント管理者は、管理コンソールにログインしてパッチ適用状況を確認します。また、インフラ管理者は、管理サーバ上のコマンドで、パッチ適用状況を確認できます。

      作業の流れ

      本製品を利用する人

      マニュアル該当箇所

      インフラ管理者

      兼任管理者

      テナント管理者

      テナント利用者

      1

      1

      収集項目の定義

      『開発ガイド』の「収集項目情報ファイル」

      2

      ソフトウェアパッチ収集スクリプトの作成

      『開発ガイド』の「ソフトウェアパッチ収集スクリプト」

      3

      情報収集元の登録

      『開発ガイド』の「情報収集元管理コマンド」

      2

      1

      最新情報の取得

      各ソフトウェアのベンダーが提供している情報を参照してください。

      2

      最新情報の登録

      『開発ガイド』の「ソフトウェア情報管理コマンド」

      『開発ガイド』の「パッチ情報管理コマンド」

      3

      パッチ適用状況収集

      『リファレンスガイド』の「パッチ情報更新コマンド」

      3

      1

      パッチの取得

      各ソフトウェアのベンダーが提供している情報を参照してください。

      2

      パッチの登録

      『リファレンスガイド』の「資産情報管理コマンド」

      『リファレンスガイド』の「構成変更テンプレート情報管理コマンド」

      4

      1

      最新パッチ公開メール通知

      新規パッチ取得時に自動でメールが送信されます。

      送信に失敗した場合は、『リファレンスガイド』の「メール再送信コマンド」でインフラ管理者または兼任管理者が再送信してください。

      2

      パッチ適用依頼


      (注1)


      (注2)


      (注2)

      『操作ガイド』の「構成変更ウィザード」

      『リファレンスガイド』の「構成変更コマンド」

      3

      パッチ適用

      4

      実行状況の確認


      (注2)


      (注2)

      『操作ガイド』の「ジョブ管理」

      『リファレンスガイド』の「ジョブ情報管理コマンド』

      5

      パッチ適用状況収集

      『リファレンスガイド』の「パッチ情報更新コマンド」

      6

      パッチ適用確認


      (注2)


      (注2)

      『操作ガイド』の「パッチ」

      『リファレンスガイド』の「パッチ情報出力コマンド」

      ○:作業を実施する

      -:作業を実施しない

      注1) コマンドのみ実行できます。

      注2) 管理コンソールのみ操作できます。