本製品は、サーバノードとストレージの間にファイバーチャネルスイッチが存在するストレージシステムにおいて、図のように各装置種がサポートしているセキュリティ設定を自動変更してアクセスパスを設定します。装置側にセキュリティ機構がないなど設定できない場合は設定しません。しかし、ほかの装置のセキュリティ機構でアクセスパスは生成されます。アクセスパスを構成する機器のすべてにセキュリティ機能がない場合は、セキュリティ設定はできませんがサーバノードからのアクセスは可能です。
ポイント
Webコンソールを使用して、サーバへのボリュームの割当てと同時にアクセスパスを一括で設定できます。操作の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのボリュームの割当て」を参照してください。
注意
各ストレージは、相互接続検証状況に応じて動作を保証するHBA種などの条件を限定しています。アクセスパスはこの条件下で設定してください。条件は、各ストレージの販売元にご確認ください。
装置種 | 本製品の設定内容 | |
---|---|---|
Solarisサーバノード | エージェントあり、なし | 設定なし |
Windowsサーバノード | エージェントあり、なし | 設定なし |
Linuxサーバノード | エージェントあり、なし | 設定なし |
HP-UXサーバノード | エージェントあり、なし | 設定なし |
AIXサーバノード | エージェントあり、なし | 設定なし |
他サーバノード | エージェントなし | 設定なし |
ファイバーチャネルスイッチ | ゾーニング設定あり | WWPNの1対1ゾーニング設定 |
ゾーニング設定なし | 設定なし | |
ETERNUS DX series | セキュリティ設定 | HBAのWWPNをセキュリティに設定 |
ホストアフィニティ(ゾーン)設定 | HBAのWWPNをアフィニティグループ(ゾーン)に設定 | |
セキュリティ設定なし | 設定なし | |
そのほかのストレージ、テープ | 設定なし |
留意事項
アクセスパスを設定できるのは、システム管理者のアカウントだけです。
すでに設定されているアクセスパスのETERNUS ディスクアレイ側の指定アフィニティグループ/ゾーン名を変更する場合は、アクセスパスを一度削除した後に新しいゾーンで再設定する必要があります。
アクセスパス設定に関連するファイバーチャネルスイッチにカスケードされているすべてのファイバーチャネルスイッチが正しく認識されていることを確認してください。一時的にカスケードから外れているファイバーチャネルスイッチが存在している状態でアクセスパスが変更されると、以前のカスケード接続を簡単に復旧できない状態となります。このような状態に陥った場合は、一時的にカスケードから外れていたファイバーチャネルのゾーニング情報をファイバーチャネルスイッチのcfgClearコマンドなどで削除することで、再度カスケード接続が可能となります。
FCルーティング機能のLSANゾーンで構成されているアクセスパスを本製品で設定する場合は、事前に、LSANゾーンを手動で装置に設定しておいてください。
アクセスパス設定対象の経路上に存在するファイバーチャネルスイッチがNo Security状態の場合、ファイバーチャネルスイッチに対してゾーニングを行いません。ファイバーチャネルスイッチに対してゾーニングを行う場合は、スイッチ情報の変更画面で[SANゾーニング設定]を有効にしてください。画面の表示方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCスイッチ情報の変更」を参照してください。
ファイバーチャネルスイッチのセキュリティ状態は、詳細情報画面で確認できます。画面の表示方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCスイッチの表示」を参照してください。
ストレージの設定
アクセスパスを設定する前にストレージ側の以下の設定を確認してください。
ETERNUS DX series, ETERNUS DX200Fの場合
ゾーン(ホストアフィニティ)機能を設定することで、ストレージエリアネットワーク上で効率的にストレージ領域を利用できます。このゾーン(ホストアフィニティ)機能を使用する場合は、アクセスパス設定の前にストレージ側に事前にアフィニティグループ/ゾーンを設定する必要があります。
ETERNUS DX60/DX80/DX90, DX S2 series, DX S3 series, ETERNUS DX200Fの場合
連結アフィニティグループを使用する場合、事前に使用するサーバノードのWWN設定を実施する必要があります。
設定は、ETERNUS Web GUIを使用してください。設定の際に特定ホスト動作(Host Specific Mode)がHP-UX Modeのホストレスポンスを選択してください。
装置間のFCケーブルの接続状態
アクセスパスの設定時は、HBAとCAがファイバーチャネルスイッチ経由で物理的に接続されている必要があります。
装置の状態
HBAがファイバーチャネルスイッチに接続されており、NポートまたはNL publicで動作している必要があります。
HBA、サーバノード、CA、ストレージおよびアクセスパス設定予定の途中のファイバーチャネルスイッチすべてがError状態でない必要があります。
ファイバーチャネルのアクセスパス設定を行います。
アクセスパスの設定手順
ストレージの増設、ファイバーチャネルケーブルの接続など、アクセスパスの環境を整えてください。
デバイスドライバ定義ファイルの前処理
ETERNUS Multipath Driver 2.0.1以上を使用の場合
前処理はありません。
Solaris 9の場合
ハードディスクドライバ(以下、“hddv”と記述)で活性増設機能(hddvadm -M)を有効にして設定をする場合、ディスクアレイ装置の制御ドライバをsdからhddvに切り替えるための作業を行います。
hddvの構成情報ファイルhddv.confが作成されているか確認します。
# ls /kernel/drv/hddv.conf
hddv.confが作成されていない場合、以下のコマンドを実行してhddv.confを作成してください。
# hddvadm -M
hddv.confが作成されている場合、hddv.confの内容がclass形式かparent形式かを確認します。
[例]
parent形式のhddv.conf例
name="hddv" parent="scsi" target=16 lun=0;
class形式のhddv.conf例
name="hddv" class="scsi" target=16 lun=0;
class形式の場合、前処理は不要です。(活性増設(hddvadm -M)コマンドで構築されるhddv.confファイルがこの形式です。)
parent形式の場合、以下の手順で非活性増設環境を初期化して活性増設環境へと移行してください。このまま非活性増設環境で運用する場合は、非活性増設設定(hddvamd -m)の手順を実施してください。
1. hddvadm -iを実施します。
2. /kernel/drv/hddv.confが消えていることを確認します。
3. sdの構成情報ファイルsd.confから、ディスクアレイ装置を認識させるために追加したエントリーを削除します。
4. 以下のコマンドを実行して、hddvの構成情報ファイルhddv.confを作成します。
# hddvadm -M
MPLB 2.0、MPLB 2.1環境で非活性増設設定(hddvadm -m)の場合、またはMPHD環境の場合、パスの増減設コマンドがサポートされていません。そのため、マルチパスの構成を一度解除する必要があります。#iompadmのdestroyコマンドでマルチパスの構成を解除してください。
マルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDDV)環境で非活性増設設定(hddvadm -m)または通常設定環境(hddvadm -m)の場合、対象サーバノード上で以下のコマンドを実行してください。
# hddvadm -i
上記コマンドで、hddv.confがsd.confに移動し、mphd.conf/mplb.confファイルも退避されます。ただし、活性増設(hddvadm -M)環境では、そのまま増設できます。したがって、上記コマンド(hddvadm -i)の実行は不要です。
Webコンソールで対象サーバノードを選択し、アクセスパスの追加を実行してください。
[Solaris OSサーバノードで、マルチパスディスク制御(ETERNUS Multipath Driver 2.0.1以上)の場合] 対象サーバノード上で以下のコマンドを実行して、対象サーバノードにストレージを認識させます。
マルチパスデバイスを自動構築するため、grmpdautoconfコマンドを実行してください。コマンドの詳細は、ドライバマニュアルを参照してください。
# /usr/sbin/grmpdautoconf
ETERNUS Multipath Driverを使用している、かつ複数台のファイバーチャネルスイッチを経由するパスを持つマルチパスデバイスを自動構築する場合は、パスの冗長性を確認し、-Xオプションを付けてコマンドを実行してください(grmpdautoconfコマンドでは、複数台ファイバーチャネルスイッチを経由するパスの冗長性確保の確認が不可能であるためです)。
# /usr/sbin/grmpdautoconf -X
[Solaris OSサーバノードで、マルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDDV 2.2以上)活性増設機能設定時(hddvadm -M実行環境)の場合] 対象サーバノード上で以下のコマンドを実行して、対象サーバノードにストレージを認識させます。
Solaris 9の場合、必要に応じてhddv.confを編集し(マルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDD)の各種ドライバマニュアルを参照)、対象サーバノード上で以下のコマンドを実行し、ストレージ装置を取り込みます。
# update_drv -f hddv
上記設定でストレージ論理ユニットをhddvドライバ認識できます。さらに、必要に応じて、マルチパスインスタンスに増設パスを組み込むコマンド、またはマルチパスインスタンス構築するコマンドを実行してください。 コマンドの詳細は、各種ドライバマニュアルを参照してください(mplbconfig/iompadm add/iompadm new)。
[Solaris OS サーバノードでマルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDDV)非活性増設機能環境(hddvadm -m)、またはマルチパスディスク制御環境を使用していない環境の場合] 対象サーバノード上で以下のコマンドを実行して、サーバノードに装置を認識させます。
項番 | 環境 | 実行するコマンド |
---|---|---|
1 | 以下のHBAを利用している場合
| cfgadm -alコマンドによってストレージのAp_idを確認し、cfgadm -c configure Ap_idコマンドでLUNをOSに認識させます。コマンドの詳細は、manコマンドで確認してください。 |
2 | 項番1以外のHBAを利用している、かつ、マルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDDV)環境ではない場合(テープ環境を含む) | # touch /reconfigure # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 |
3 | 項番1以外のHBAを利用している、かつ、マルチパスディスク制御(MPLB、MPHD、HDDV)環境(hddvadm -m)の場合 | # touch /reconfigure # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 # hddvadm -m (sd.confの必要部がhddv.confに移動し、退避したmphd.conf/mplb.confファイルが復活します) # touch /reconfigure # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 (定義ファイル復活によって、各種ドライバの既存インスタンス(mplb/mphd/hddv)が構築されます。新規インスタンスは、hddvインスタンスが構築されます) |
環境に応じて、各種マルチパスインスタンスに増設パスを組み込むコマンド、またはマルチパスインスタンス構築コマンドを実行してください。コマンドの詳細は、各種ドライバマニュアルを参照してください(mplbconfig/iompadm add/iompadm new)。
[Solaris OSサーバノードの場合] # disks -Cコマンドで/dev/rdsk配下を整理してください。
[Windowsの場合] デバイス認識をさせるため装置を再起動してください。
[Linuxサーバノードの場合] デバイス認識をさせるため装置を再起動してください。
[HP-UXサーバノード場合] デバイス認識をさせるため装置を再起動してください。再起動後、#ioscan -funC diskコマンドでデバイス接続の確認およびデバイスファイル(例えば、/dev/dsk/c5t1d0)の確認を行います。もし、デバイスファイルを確認できない場合は、デバイスファイルを確認できないH/Wパスに対して、以下のコマンドを実行してデバイスファイルを作成してください。
#insf -H <H/Wパス名> -e
[AIXサーバノードの場合] デバイス認識をさせるため装置を再起動してください。
[そのほかのサーバノードの場合] デバイス認識をさせるための作業を行ってください。
VMware vSphere 4以降の場合は、VMホストの再起動、またはVMware Infrastructure Clientからアクセスパスを設定したHBAについて、Rescanを実行した後、本製品から当該サーバノードについて[設定の再読み込み]を実行してください。VMware Infrastructure Clientの操作は、「6.2.1 アクセスパスとは」の「VMware環境のアクセスパス」を参照してください。
本製品上からのアクセスパスの確認
Solaris OSサーバノードの場合
サーバノード側に/dev/rdsk/cXtXdXが作成され、アクセスパスが表示されます。
Windowsサーバノード、Linuxサーバノード、HP-UXサーバノード、およびAIXサーバノードの場合
サーバノード側にデバイスが生成され、アクセスパスが表示されます。
注意
サーバノード(HBA)-サーバノード(HBA)間、ストレージ(CA)-ストレージ(CA)間のアクセスパスの状態は、Webコンソールを使ってファイバーチャネルスイッチのゾーニング情報を確認してください。削除は、Webコンソールでファイバーチャネルスイッチのゾーニング情報を削除します。
ETERNUS VS850を運用する場合は、以下のゾーニングを設定します。これらは通常、ETERNUS VS850の導入時に設定しますが、運用管理サーバでの操作も可能です。
ホストゾーン(ホストとVS850間のゾーン)
ストレージゾーン(ETERNUS VS850とストレージ間のゾーン)
入出力グループゾーン(ETERNUS VS850の入出力グループ内または入出力グループ間のノード間通信用ゾーン)
リモートゾーン(異なるETERNUS VS850クラスタ間の通信用ゾーン)
ストレージゾーンは、本製品のアクセスパス設定機能により、スイッチのゾーニングおよびストレージのホストアフィニティを設定可能です。
ストレージゾーン以外のゾーンは、手動でスイッチのゾーニングを設定します。