現象
原因
以下の原因が考えられます。
ネットワーク経路の設定に誤りがある
監視先のネットワーク機器が停止しているか、異常が発生している
タグVLANの設定に誤りがある
ネットワーク機器にタグVLANが設定されていない
その他の問題
対処方法
以下に、原因ごとの対処方法を示します。
ネットワーク経路の設定に誤りがある
同一システム中で、ネットワークアダプター同士でネットワークアドレスが重複する場合、ping監視が行われない場合があります。
以下に、GLSの仮想アダプターと、GLSと関係がない物理アダプターで構成されたネットワークの例を示します。
GLSの仮想アダプターには“192.168.1.1/24”が、物理アダプターには“192.168.1.2/24”のIPアドレスが割り当てられているとします。
図E.3 ネットワーク経路の設定によるping監視の失敗
図E.3の例では、同一システム内でGLSの仮想アダプターと物理アダプターのネットワークアドレスが重複しています。そのため、誤った経路からpingが送出され、GLSが束ねている伝送路を監視できなくなっています。
以下に、OSのルーティングテーブルの例を示します。
“route PRINT”コマンドは、OSのルーティングテーブルを表示するコマンドです。
> route PRINT (中略) Active Routes: Network Destination Netmask Gateway Interface Metric 192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.1.2 192.168.1.2 XX 192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.1.1 XX (中略) =========================================================================== > |
pingなどのIPパケットの送信元アダプターは、OSのルーティングテーブルの上部にあるエントリーが優先的に選択されます。このため、上記例では、GLSの監視用に使用するpingパケットが、GLSと関連がない物理アダプターから送信されてしまい、正しいネットワークの監視ができないことになります。
GLSの仮想アダプターとネットワークアドレスを別にするように設定してください。
なお、ネットワークアドレスが重複する上記例のような問題は、GLSの有無に関わらず発生する一般的なネットワークの問題です。
監視先のネットワーク機器が停止しているか、異常が発生している
監視先通信機器からpingに応答しない場合があります。監視先のネットワーク機器を確認してください。特にネットワークスイッチをGLSのping監視先に選択する場合は、ネットワークスイッチにIPアドレスを設定してください。
タグVLANの設定に誤りがある
GLSの仮想アダプターにタグVLANを設定した場合、仮想アダプターごとに異なるネットワークアドレスをもつIPアドレスを設定してください。以下のような場合は、正しく通信できないことがあります。
図E.4 タグVLANの設定の誤りによるping監視の失敗
[ping監視の設定]
> hanetpoll print Polling Status = ON interval(idle) = 3( 60) sec times = 5 times Adapter Fo Target ip +-------------------------------+---+------------------------------------------+ ローカル エリア接続 1 YES 192.168.2.100 ローカル エリア接続 2 YES 192.168.2.101 |
図E.4の場合で以下のルーティングテーブル状態の場合は、GLSのpingパケットがsha1(VLAN=3)から送信されます。しかし、SW1とSW2にはVLAN3のIPアドレスが設定されていないため、ping監視に失敗してしまいます。
> route PRINT (中略) Active Routes: Network Destination Netmask Gateway Interface Metric 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.2.2 192.168.2.2 XX 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.2.1 192.168.2.1 XX (中略) =========================================================================== > |
sha0とsha1のネットワークアドレスを異なるものに設定してください。図E.5の例では、sha1のIPアドレスを“192.168.3.2/24”と設定し直すことで、sha0のネットワークアドレスを分けています。
図E.5 正しいタグVLANの設定
ネットワーク機器にタグVLANが設定されていない
タグVLANを使用した通信が行えない場合、ping監視先のスイッチや通信相手のタグVLANの設定が正しいか確認してください。
その他の問題
GLSのping監視はGLSの仮想アダプターを使用して行われます。このため、ping監視に失敗する原因は、仮想アダプターで通信できない原因と関連しますので、上記以外の問題に関しては、“E.1.1 仮想アダプターを使用した通信が行えない”を参照してください。