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PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.4 (伝送路二重化機能編)
FUJITSU Software

3.3.3 仮想NIC方式

構成情報を追加する手順を以下に示します。

  1. 仮想インタフェース情報の設定をhanetconfig createコマンドで行います。詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”を参照してください。

  2. 仮想インタフェースのインタフェース設定ファイルを編集し、IPアドレスやネットマスク等を設定します。

    なお、仮想インタフェースのインタフェース設定ファイルはhanetconfig createコマンドにて仮想インタフェースを設定した際に作成されます。

  3. 監視先情報の設定をhanetpathmon targetコマンドで行います。詳細は“7.12 hanetpathmonコマンド”を参照してください。

仮想インタフェースの設定

仮想インタフェースの設定(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaXファイル)は、以下のように記述します。

項目

値(設定例)

説明

DEVICE

shaX

デバイスの名前を設定します。“shaX”を設定します。

IPADDR

192.168.1.1

IPアドレスを設定します。

NETMASK

255.255.255.0

サブネットマスクを指定します。

NETMASK、PREFIXのいずれかを設定します。

PREFIX

24

NETWORK

192.168.1.0

ネットワークアドレスを設定します。

PREFIXを設定した場合は省略します。

BROADCAST

192.168.1.255

ブロードキャストアドレスを設定します。

PREFIXを設定した場合は省略します。

BOOTPROTO

static

IPアドレスを取得する際のプロトコルを指定します。“static”または“none”を設定します。

ONBOOT

yes

OS起動時に仮想インタフェースを起動するかを選択します。“yes”を設定します。
なお、仮想インタフェースをクラスタリソースに登録した場合は、本設定の有無に関わらず起動します。

DEVICETYPE

sha

デバイスの種別を設定します。“sha”を設定します。

HOTPLUG

no

ホットプラグの有無を設定します。“no”を設定します。

GATEWAY

192.168.1.254

デフォルトゲートウェイを設定する場合に、IPアドレスを設定します。

IPV6INIT

yes

IPv6アドレスを割り当てる場合に、“yes”を設定します。

IPV6ADDR

fec0:1::1/64

IPv6アドレスを設定します。

IPV6_DEFAULTGW

fec0:1::2

IPv6のデフォルトゲートウェイを設定する場合に、IPv6アドレスを設定します。

BRIDGE

br0

仮想インタフェースに接続する仮想ブリッジ名を設定します。

MTU

9000

MTU長を設定します。
MTU長を設定する場合は、プライマリインタフェースおよびセカンダリインタフェースの設定ファイル(ifcfg-ethX)と、仮想インタフェースの設定ファイル(ifcfg-shaX)に、同じ値を設定してください。

SHAMACADDR

XX:XX:XX:XX:XX:XX

MACアドレスを設定します。

  • MACアドレスを指定した場合
    指定したアドレスが設定されます。

  • “auto”を指定した場合
    ローカルアドレスが自動作成されます。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0 の記述例

[IPv4の場合]

DEVICE=sha0
IPADDR=192.168.1.1
NETMASK=255.255.255.0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha
HOTPLUG=no

[IPv6の場合]

DEVICE=sha0
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=fec0:1::1/64
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha
HOTPLUG=no

[DualStackの場合]

DEVICE=sha0
IPADDR=192.168.1.1
NETMASK=255.255.255.0
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=fec0:1::1/64
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha
HOTPLUG=no

[MACアドレスに自動作成ローカルアドレスを使用、かつ、IPv4の場合]

DEVICE=sha0
IPADDR=192.168.1.1
NETMASK=255.255.255.0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha
HOTPLUG=no
SHAMACADDR=auto

仮想インタフェース(shaX)上にVLAN-IDがYのタグVLANインタフェース(shaX.Y)を設定する場合は、タグVLANインタフェース用の設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX.Y)を以下のように記述してください。指定可能なVLAN-IDの有効範囲は、1~4094までです。

/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-sha0.2 の記述例

[IPv4の場合]

DEVICE=sha0.2
IPADDR=192.168.100.1
NETMASK=255.255.255.0
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha

[IPv6の場合]

DEVICE=sha0.2
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=fec0:100::1/64
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha

[DualStackの場合]

DEVICE=sha0.2
IPADDR=192.168.100.1
NETMASK=255.255.255.0
IPV6INIT=yes
IPV6ADDR=fec0:100::1/64
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
DEVICETYPE=sha

注意

  • 仮想NIC方式では、物理インタフェースを他の仮想インタフェースと共有することはできません。

  • 仮想NIC方式では、IPアドレスとネットマスクの設定は、OS標準のインタフェースと同様に、インタフェースの設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX)に記述します。hanetmaskコマンドによるサブネットマスクの設定は、hanethvrscコマンドでクラスタ引継ぎIPアドレスを設定する場合にのみ必要です。

  • 仮想NIC方式でタグVLAN通信を行う場合は、仮想インタフェース上にタグVLANインタフェースを生成します。生成手順はOS標準のタグVLANインタフェースと同様です。

  • 仮想インタフェースのインタフェース設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX)に対して、ファイル名の変更や削除をしないでください。ファイル名の変更や削除をした場合、hanetbackupコマンドで環境定義ファイルを退避するときに、インタフェース設定ファイルがバックアップ対象から除外されます。

  • 仮想インタフェースのインタフェース設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX)、およびタグVLANインタフェース用の設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-shaX.Y)は、vi等のエディタで直接編集してください。OSのGUI等が提供するネットワーク設定機能では設定できません。

  • VMware、またはHyper-VのゲストOSで仮想NIC方式を使用する場合、SHAMACADDRに、MACアドレスまたは“auto”を指定してください。

  • VMwareの仮想スイッチにおいて、[セキュリティ]配下の[無差別モード]に[承諾]を設定してください。

  • VMwareのゲストOSで仮想NIC方式を使用する場合、タグVLANインタフェースは使用できません。タグVLAN通信を行う場合、VMwareのポートグループにVLAN IDを設定してください。

  • Hyper-VのゲストOSで仮想NIC方式を使用する場合、Hyper-VマネージャーでGLSが束ねるネットワークアダプターを作成する際に、[MACアドレスのスプーフィングを有効にする]にチェックを入れてください。

  • Hyper-VのゲストOSで仮想NIC方式を使用する場合、タグVLANインタフェースは使用できません。タグVLAN通信を行う場合、ゲストOSのネットワークアダプターの設定でVLAN IDを指定してください。

  • SHAMACADDRによる指定は、仮想インタフェースにのみ適用されます。物理インタフェースには適用されません。

  • OS標準のMACADDRは、使用しないでください。

  • タグVLANインタフェース用設定ファイル(ifcfg-shaX.Y)に、SHAMACADDRは使用できません。

  • RHEL7でSHAMACADDRを使用してMACアドレスを設定する場合、仮想インタフェース上に作成するタグVLANインタフェースに仮想ブリッジを接続することはできません。

  • 仮想NIC方式では、bondingインタフェース(bondX)を束ねることができます。bondingインタフェース(bondX)を束ねる場合は、以下に注意してください。

    • SHAMACADDRには、MACアドレスまたは“auto”を指定してください。

    • bondingの仕様により、リンクダウンが検出できない場合があります。必ず、監視先IPを設定してください。

    • mode=4(802.3ad)を使用する場合、LACPDUがタグなしで送受信されるようにスイッチを設定してください。

    • タグVLANインタフェースは使用できません。

    • bondingのARP監視は使用できません。

  • 論理仮想インタフェース(shaX:Y)を設定する場合、設定ファイル(ifcfg-shaX:Y)には、"DEVICETYPE=sha"を設定しないでください。

  • MTU長を変更する場合は、必ず1280以上を設定してください。

  • hanethvrscコマンドを使用して引継ぎIPアドレスを設定する際、ホスト名に"shaX-NN"の形式の名前を使用することはできません。(例:sha0-65)