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NetCOBOL V11.0.1 リリース情報
FUJITSU Software

2.1.6 障害修正に関する互換情報について

ここでは、NetCOBOL開発環境について、NetCOBOL V10.2.0以降で実施された障害修正により動作が変わるものを、以下の表で説明します。

表2.1 NetCOBOL開発環境の障害修正に関する互換情報

項番

VL(注)

P番号

変更内容

1

V10.1.0

V10.5.0

PG76651

以下の条件の場合、COBOLプログラム実行時に、長さの異なる日本語項目(日本語編集項目、組込み関数を含む)同士の大小比較の結果が正しくない問題を修正しました。

  1. 翻訳オプションRSC(UCS2,LE)またはRSC(UTF16,LE)を指定している。かつ、

  2. 日本語項目と、日本語項目または日本語文字定数の大小比較である。かつ、

  3. 少なくとも一方が部分参照された項目またはANY LENGTH句の指定がある項目である。かつ、

  4. 比較対象の長さが異なる場合。

2

V10.1.0

PG77383

以下の条件の場合、実行時に、正しい結果が得られないことがある問題を修正しました。

  1. 翻訳オプションOPTIMIZEが有効である。(*1)かつ、

  2. 内部10進項目を数字編集項目へ設定している文を記述している。かつ、

  3. 内部10進項目と数字編集項目のけた数は、「整数部のけた数が同じ、かつ、小数部がない」である。かつ、

  4. 数字編集項目は、編集方法にゼロ抑制のみを指定している(PICTUREの文字列には'9','Z','*'のみを使用している)。かつ、

  5. 2.の文の前に、データ項目(または中間結果)を2.の内部10進項目へ設定する文(*2)を記述している。かつ、

  6. 5.のデータ項目(または中間結果)のけた数と2.の内部10進項目のけた数 の関係が次のようになっている。かつ、

         ------------------------------------------------------
              データ項目(または中間結果)      内部10進項目
         ------------------------------------------------------
                   2                               3
                   4                               5
                   6                               7
                   8                               9
                  10                              11
                  12                              13
                  14                              15
                  16                              17
         ------------------------------------------------------
  7. 5.のデータ項目(または中間結果)と2.の内部10進項目の両方に小数部がない。

*1:デフォルトの翻訳オプションはNOOPTIMIZEです。

*2:数字転記はMOVE文だけでなく、COMPUTE文などの暗黙に転記が発生する場合も該当します。

3

V10.1.0

PG78440

以下の条件の場合、実行時に、正しい結果が得られないことがある問題を修正しました。

  1. 翻訳オプションBINARY(BYTE)またはBINARY(WORD,MLBOFF)が指定されている。かつ、

  2. 以下の組み込み関数が存在する。かつ、

    [A]

    • FUNCTION MAX

    • FUNCTION MIN

    • FUNCTION MEAN

    • FUNCTION MEDIAN

    • FUNCTION RANGE

    [B]

    • FUNCTION ANNUITY

    • FUNCTION NUMVAL

    • FUNCTION NUMVAL-C

    • FUNCTION RANDOM

  3. 2.の関数の引数が、全て9桁以下の固定小数点数字である。かつ、

  4. 2.の関数が[A]の場合、引数が4つ以上指定されている。

4

V10.0.1

V11.0.0A

PH05538

以下の[条件1]~[条件3]のいずれかを満たす場合、COBOLプログラムの実行時、基底場所節に宣言したデータ項目を使用する文で、異常終了(ACCESS VIOLATION)または結果誤りが発生する場合がある問題を修正しました。

[条件1]

  1. 基底場所節に宣言したデータ項目を以下のいずれかの方法で使用している。かつ、

    1-1) 変数で添字付けしている。または、

    1-2) 最左端文字位置に変数を指定した部分参照をしている。

  2. 翻訳オプションOPTIMIZEが有効である。(*)

    *:デフォルトはNOOPTIMIZEです。

[条件2]

  1. 基底場所節に宣言したデータ項目を、以下のいずれかの文に指定している。

    • INSPECT文

    • STRING文(中核)

    • UNSTRING文(中核)

[条件3]

  1. 基底場所節にOCCURS句を指定したデータ項目を宣言している。かつ、

  2. 1.のデータ項目をINITIALIZE文に指定している。

5

V10.1.0

V11.0.0A

PH05861

以下の条件の場合、COBOLプログラムの実行時、部分参照した外部10進項目から数字編集項目または浮動小数点項目への転記において、送出し側を部分参照する範囲が1桁左にずれる誤りが発生する問題を修正しました。

  1. 送出し側が符号付き外部10進項目、受取り側が数字編集項目または浮動小数点項目のMOVE文を記述している(*1)。かつ、

  2. 送出し側項目のSIGN句にSEPARATE CHARACTER指定(*2)がある。かつ、

  3. 送出し側項目を部分参照している。かつ、

  4. 3.の部分参照の長さを定数で指定している場合。

*1: 暗黙のMOVE文を含む。

*2: TRAILING SEPARATE指定

注:VLは、障害が存在する範囲を示します。