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NetCOBOL for .NET V7.0.0 リリース情報
FUJITSU Software

3.1 NetCOBOL

項番

VL

P番号

現象

1

V1.0L10

V5.0.0

PG78440

以下の条件の場合、正しい実行結果が得られないことがあります。

  1. 翻訳オプションBINARY(BYTE)またはBINARY(WORD,MLBOFF)が指定されている。かつ、

  2. 以下の組み込み関数が存在する。かつ、

    [A]

    • FUNCTION MAX

    • FUNCTION MIN

    • FUNCTION MEAN

    • FUNCTION MEDIAN

    • FUNCTION RANGE

    [B]

    • FUNCTION ANNUITY

    • FUNCTION NUMVAL

    • FUNCTION NUMVAL-C

    • FUNCTION RANDOM

  3. 2.の関数の引き数が、全て9桁以下の固定小数点数字である。かつ、

  4. 2.の関数が[A]の場合、引き数が4つ以上指定されている。

2

V1.0L10

V5.0.0

PG86728

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、COBOLコンパイラが以下の不当な翻訳時メッセージを出力して、翻訳できなくなることがあります。

JMN5001I-S  11  メソッド'mmmmm'が多重定義です.メソッド名はクラス'ccccc'の中で一意でなければなりません.
  1. OVERRIDE指定のメソッド定義がある。かつ、

  2. 1.のメソッドと親クラスに定義された同名のメソッドのUSINGパラメタまたはRETURNINGパラメタが以下の場合

    1. メソッドのパラメタの一方が集団項目、もう一方は集団項目または英数字項目。かつ、

    2. パラメタのサイズが一致する。

3

V3.0L10

V5.0.0

PG88107

以下の条件の場合、int型2進整数項目を使用したCOBOLプログラムの翻訳時に、コンパイラが以下のメッセージを出力して異常終了します。

JMN0102I-U  翻訳処理が続行不可能となりました.他の診断メッセージが表示されている場合は,それらを修正して,再度翻訳してみて下さい.(区名=JMN300,モジュール名=SC30MKTT,詳細コード=3209,行情報=nnn.)

以下のいずれかの文を記述している場合に発生します。

  • 小数部のみの数字項目をint型2進整数項目へ転記する文

  • 小数部のみの演算結果をint型2進整数項目へ受け取る算術文

4

V2.0L10

V5.0.0

PG88590

以下の条件の場合、COBOLプログラム実行時、SORT文の実行で無限ループが発生する場合があります。

  1. PowerSORTをインストールしていない環境である。かつ、

  2. 整列併合の対象ファイルのレコード長が21477から21484バイトである。かつ、

  3. 2.のファイルに対して、SORT文またはMERGE文を実行した場合。

5

V1.0L10

V5.0.0

PG88615

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、COBOLコンパイラが不当なJMN1477I-Iのメッセージを出力する場合があります。

  1. 特殊名段落(SPECIAL-NAMES)を宣言している。かつ、

  2. 特殊名段落に重大コードSのコーディング誤りがある場合。


補足)メモリの状態に依存するため、発生条件を満たしても現象が発生しない場合があります。

6

V1.0L10

V5.0.0

PG89665

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、以下の不当な翻訳時メッセージが出力され、COBOLプログラムが翻訳できません。

JMN2206I-S  KEY IS句のデータ名'xxxxx'は,アドレス可変項目であってはなりません.
  1. OCCURS句のKEY IS指定を記述している。かつ、

  2. 1.に指定したデータ名がレコードの中の可変位置にある場合。

7

V5.0.0

PG94117

以下の条件の場合、入力候補一覧にプロパティ項目が表示できません。

  1. COBOLエディタを使用する場合。かつ

  2. 入力支援機能の入力候補一覧を表示する(*1)場合。かつ

  3. プロパティを持つデータ項目を選択している場合。

(*1) 名前を途中まで入力してから、Altキーを押しながら→キーを押すか、Ctrlキーを押しながらSpaceキーを押します。

8

V1.0L10

V5.0.0

PG97116

以下の条件の場合、MAX関数・MIN関数の実行結果が正しくないことがあります。

  1. 翻訳オプションBINARY(BYTE)を指定している。かつ、

  2. 数字を引数とするMAX関数またはMIN関数を記述している。かつ、

  3. 2.の関数の引数が3個以内である。かつ、

  4. 2.の引数に2進項目を指定している。かつ、

  5. 4.の2進項目の領域長が1,3,5,6,7バイトのいずれかである(*1)。かつ、

  6. 2.の関数値が格納される一時的なデータ項目の桁数(*2)が19以上30以下である。かつ、

  7. 2.の引数に定数を指定していない。かつ、

  8. 2.の引数に浮動小数点項目を指定していない。かつ、

  9. 2.の引数にALLを添字とする項目を指定していない。


*1:以下の2進項目が該当します。

---------------------------------------------
桁数                 割り当てられる領域長
符号付き  符号なし
---------------------------------------------
 1 ~ 2   1 ~ 2     1
 5 ~ 6   5 ~ 7     3
10 ~ 11 10 ~ 12    5
12 ~ 14 13 ~ 14    6
15 ~ 16 15 ~ 16    7
---------------------------------------------

*2:関数値が格納される一時的なデータ項目は以下の桁数となります。

整数部桁=全引数の整数部桁数のうち最大の値

小数部桁数=全引数の小数部桁数のうち最大の値

9

V1.0L10

V5.0.0

PG98742

以下の[条件1]または[条件2]のいずれかの条件を満たす場合、COBOLプログラムの実行時に正しく動作しないことがあります。または、COBOLプログラムの翻訳時にコンパイラが異常終了することがあります。

[条件1]:作業場所節、定数節のいずれかにデータ項目を宣言した場合

  1. TYPE句を指定した項目を従属するレベル番号01の集団項目を定義している。かつ、

  2. 1.の集団項目にREDEFINES句を指定している。かつ、

  3. 1.のデータ項目の長さが2.で再定義されるデータ項目の長さより短い場合。

または

[条件2]:ファイル節にデータ項目を宣言した場合

  1. TYPE句を含むレコード記述項を定義している。かつ、

  2. 同じファイル記述項に1.のレコード記述項とは別のレコード記述項を定義している。(*) かつ、

  3. 1.のレコード記述項の長さが2.のレコード記述項の長さよりも短い場合。

* : ファイル節で同じファイル記述項にレコード記述項を2つ以上書くと、レコード記述項の領域が暗に再定義されます。


例1) 作業場所節、定数節のいずれかにデータ項目を宣言した場合

     01 D1 PIC X(20).     *> SIZE 20 BYTE   D2よりD1が長い。
     01 D2 REDEFINES D1.  *> SIZE  8 BYTE
       02 D21 TYPE T1.    *> SIZE  8 BYTE

     01 T1 TYPEDEF.
       02 TD1 PIC X(8).   *> SIZE  8 BYTE

例2) ファイル節にデータ項目を宣言した場合

  FD FILE1.
    01 R1 PIC X(20).     *> SIZE 20 BYTE    R2よりR1が長い
    01 R2 TYPE T2.       *> SIZE  8 BYTE    暗に再定義され,R1とR2は同じ領域に割り付く

    01 T2 TYPEDEF.
      02 TD2 PIC X(8).   *> SIZE  8 BYTE

10

V4.1.0

V5.0.0

PH00013

以下の条件の場合、Visual Studioの[デバッグ]タブの各プロパティに値を設定すると「シーケンスに要素が含まれていません」というメッセージボックスが表示され、値を設定することができないことがあります。

  1. [参照パス]タブで「参照パス(ユーザ)」を設定している場合、または、
    [登録集パス]タブで「登録集パス(ユーザ)」を設定している場合。かつ、

  2. [デバッグ]タブで、
    「スタートプロジェクト」を設定する場合、または、
    「外部プログラムの開始」を設定する場合、または、
    「ブラウザーを開始時に使用する URL」を設定する場合、または、
    「コマンドライン引数」を設定する場合、または、
    「作業ディレクトリ」を設定する場合、または、
    「リモートコンピューターを使用する」を設定する場合、または、
    「ネイティブ コード デバッグを有効にする」を設定する場合、または、
    「SQL Server デバッグを有効にする」を設定する場合、または、
    「Visual Studio ホスティング プロセスを有効にする」を設定する場合。

11

V1.0L10

V5.0.0

PH02032

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、正しい定数の継続に対して、下記の翻訳時メッセージが出力される場合があります。

JMN1022I-S  定数の終わりの引用符がありません.B領域の終わりまでを定数とみなします.
JMN1021I-S  定数の継続において,後の行は,標識領域にハイフンを書き,引用符で始めなければなりません.定数が継続されているものとみなします.
  1. REPLACE文を記述している。かつ、

  2. 1.のREPLACE文による置き換えが行われる範囲(*1)に以下の記述がある場合。

    1. COPY文を記述している。かつ、

    2. a.のCOPY文の前(*2)がピリオド、右括弧、左括弧、コロンのいずれでもない。かつ、

    3. a.のCOPY文より後ろに複数の行に継続する定数(*3)を記述している。かつ、

    4. a.のCOPY文とc)の定数との間に複数の行に継続する文字列(*4)を記述していない。


*1:次のREPLACE文が現れるまで、または、翻訳単位の終わりまで

*2:空白、注釈行を除いた、直前の文字

*3:文字定数、16進文字定数、日本語定数、ブール定数

*4:日本語利用者語以外のCOBOLの語、PICTURE句の文字列


例)

    IDENTIFICATION DIVISION.
    PROGRAM-ID. SAMPLE1.
        REPLACE ==ABC== BY ==DEF==. *> REPLACE文の置き換え範囲開始
    ENVIRONMENT DIVISION.
    CONFIGURATION SECTION.
    SPECIAL-NAMES.
        SYMBOLIC CONSTANT
          COPY SYMCON.      *> COPY文の前がピリオド、括弧、コロンでない
        .
    DATA DIVISION.
    WORKING-STORAGE SECTION.
    01 MSG-01 PIC X(100) VALUE "ABCD…
   -                           "XYZ".       *> 複数の行に継続する定数
         :

12

V2.1L10

V5.0.0

PH02168

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に不当な翻訳時メッセージ(*)が出力され、COBOLプログラムが翻訳できません。

(*)以下の翻訳時メッセージが出力されます。

JMN1479I-S 連結式が最大長を超えています.最大長までを連結します.

また、上記メッセージに加え、以下のメッセージも出力される場合があります。

JMN0124I-U ソースファイル内に不当な文字があります.(区名=JMNxxx,行情報=nn.)翻訳を中止します.」
  1. COBOLソースのコード系がUTF-8である。かつ、

  2. 日本語文字定数(*1)同士の連結式が記述されている。かつ、

  3. 2.で連結された文字数が54~80文字の場合。


(*1)記号定数や名前付き定数を含む

13

V1.0L10

V5.0.0

PH02265

以下の[条件1]または[条件2]の場合、翻訳エラー(*1)となるべきCOBOLプログラムが、エラーにならない(*2)ことがあります。

(*1)以下のいずれかのメッセージが出力されません。

JMN1775I-S  AS句の直後には文字定数または日本語定数を指定しなければなりません.次の認識できる段落または部まで無効になります.
JMN1107I-S  プログラム名として指定できない文字列が指定されました.またはプログラム名が指定されていません.プログラム名を生成し,次の段落または部まで無効になります.
JMN1292I-S  プログラム名として指定できない文字列が指定されました.またはプログラム名が指定されていません.
JMN5526I-S  INVOKE文のメソッド名の指定は,一意名,文字定数または日本語文字定数でなければなりません.INVOKE文を無効とします.
JMN5561I-S  メソッドの行内呼出しに指定するメソッド名は文字定数または日本語文字定数でなければなりません.メソッドの行内呼出しを無効とします.

(*2)翻訳エラーにならず、作成された目的プログラムは正しく動作します。

[条件1]

  1. 以下のいずれかに連結式を記述している。かつ、

    • プログラム名のAS指定

    • クラス名のAS指定

    • メソッド名のAS指定

    • プロパティ名のAS指定

    • プログラム名定数

    • INVOKE文または行内呼び出しのメソッド名の指定

  2. 1.に記述した連結式の先頭が文字定数である。かつ、

  3. 1.に記述した連結式に16進文字定数が含まれている。かつ、

  4. COBOLソースプログラムと実行時コード系が以下の組み合わせの場合。
    4-1-1) COBOLソースプログラムのコード系がSJISである。かつ、
    4-1-2) 実行時コード系がSJISである。
    または、
    4-2-1) COBOLソースプログラムのコード系がUTF-8である。かつ、
    4-2-2) 実行時コード系がUnicodeである。


[条件2]

  1. 以下のいずれかに連結式を記述している。かつ、

    • プログラム名のAS指定

    • クラス名のAS指定

    • メソッド名のAS指定

    • プロパティ名のAS指定

    • INVOKE文または行内呼び出しのメソッド名の指定

  2. 1.に記述した連結式の先頭が日本語文字定数である。かつ、

  3. 1.に記述した連結式に日本語16進文字定数が含まれている。かつ、

  4. COBOLソースプログラムと実行時コード系が以下の組み合わせの場合。
    4-1-1) COBOLソースプログラムのコード系がSJISである。かつ、
    4-1-2) 実行時コード系がSJISである。


【補足】

以下に指定できる定数は、文字定数または日本語文字定数でなければなりません。

  • プログラム名のAS指定

  • クラス名のAS指定

  • メソッド名のAS指定

  • プロパティ名のAS指定

  • プログラム名定数

  • INVOKE文または行内呼び出しのメソッド名の指定

したがって、発生条件に示す記述は構文規則に違反しており、本来ならば翻訳エラーとなるべき場合です。

14

V4.1.0

V5.0.0

PH04404

Visual StudioエディタでCOBOLソースコードを編集している場合、稀にVisual Studioが強制終了またはフリーズすることがあります。

15

V2.0L10

V5.0.0

PH05732

以下の条件の場合、COBOLプログラムの実行時に、整列または併合処理の出力ファイルにおいて、出力レコードの本来のレコード長を超えた部分から最大レコード長までの部分にゴミデータが追加されます。

  1. 整列併合ファイルのレコードの形式が可変長レコード形式である。かつ、

  2. 整列併合の出力が行順編成の可変長レコード形式のファイルである。かつ、

  3. 1.、2.のファイルを使用して整列、または、併合を実行している。かつ、

  4. 3.の入力ファイルに2.の出力ファイルの最大レコード長より短いレコードが含まれる場合。

16

V1.0L10

V5.0.0

PH05861

以下の条件の場合、COBOLプログラムの実行時に、部分参照した外部10進項目から数字編集項目または浮動小数点項目への転記結果に、以下の誤りが発生します。

  • 送出し側を部分参照する範囲が1桁左にずれる。


  1. 送出し側が符号付き外部10進項目、受取り側が数字編集項目または浮動小数点項目のMOVE文を記述している(*1)。かつ、

  2. 送出し側項目のSIGN句にTRAILING SEPARATE CHARACTER指定がある。かつ、

  3. 送出し側項目を部分参照している。かつ、

  4. 3.の部分参照の長さを定数で指定している場合。


*1: 暗黙のMOVE文を含む。

17

V4.1.0

V5.0.0

PH06439

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、コンパイラが以下のメッセージを出力して異常終了する場合があります。

JMN0102I-U  翻訳処理が続行不可能となりました.他の診断メッセージが表示されている場合は,それらを修正して,再度翻訳してみて下さい.(区名=JMNALO,モジュール名=SDBEMAC ,詳細コード=5481,行情報=0.)
  1. 翻訳オプションにOPTIMIZEを指定している(*)。かつ、

  2. 広域最適化の共通式の除去の対象になる演算や変換を使用している。かつ、

  3. 2.の対象となる共通式が別の節または段落で使用されている場合。

*:デフォルトはNOOPTIMIZEです。

18

V1.1L10

V5.0.0

PH06474

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、構文誤りがあるにもかかわらず、コンパイラが以下のメッセージを出力せずに、翻訳が正常終了します。(*)

JMN2851I-S ポインタデータ項目は,基底場所節,作業場所節,定数節または連絡節にのみ定義できます.

(*)翻訳エラーにならず、作成された目的プログラム中のポインタデータ項目は、他の節に宣言した場合と同じように動作します。

  1. ファイル節にファイル記述項または整列併合ファイル記述項を宣言している。かつ、

  2. 1.のデータ記述項にポインタデータ項目を宣言している場合。

19

V1.0L10

V5.0.0

PH06489

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、コンパイラが以下のメッセージを出力して翻訳を中止する場合があります。

内部エラーです。(コード:1005, パラメータ: -nnnnnnnnnn)
最大重大度コードは U です。
翻訳を中止します。
  1. 項目長が8の倍数の内部ブール項目を記述している。かつ、

  2. 1.の項目にSYNCHRONIZED句を指定している。かつ、

  3. 1.の項目にVALUE句を指定している。かつ、

  4. 1.の項目が次のいずれかの条件を満たしている。かつ、

    4-1) 1.の項目のレベル番号が01または77である。または、

    4-2) 1.の項目の終端位置から1.の項目を含むレコードの終端位置までの長さ(*)が以下の長さより短い。

    • 1.の項目にOCCURS句を指定していない場合:1バイト

    • 1.の項目にOCCURS句を指定している場合:1バイト×繰り返し回数の最大値

  5. 1.の項目を次のいずれかの節に記述している場合。

    • プログラム定義の定数節

    • クラスのオブジェクト定義の作業場所節

    • クラスのオブジェクト定義の定数節

    • クラスのメソッド定義の定数節

    • クラスのスタティック定義の作業場所節

    • クラスのスタティック定義の定数節


*: 終端位置は、レコード先頭からのオフセット+項目長が指す位置のことを表します。

  1.の項目を含むレコード
  ┌──────────────┬─────┬─────┐
  │                            │1.の項目  │          │
  └──────────────┴─────┴─────┘
                                            ↑          ↑  
                                1.の項目の終端位置      │
                                                        │  
                                  1.の項目を含むレコードの終端位置

20

V2.0L10

V5.0.0

PH06512

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、コンパイラが異常終了することがあります(*1)。

*1:本障害は翻訳時のメモリの状態に依存します。そのため、発生条件に一致しても異常終了しないことがあります。異常終了しない場合、正しい目的プログラムを出力します。
  1. 翻訳オプションOPTIMIZE(*2)が有効である。かつ、

  2. 他のデータ項目と記憶領域が重なる(*3)データ項目が128個以上存在する。かつ、

  3. 基底場所節にデータ項目を定義している。かつ、

  4. 3.のデータ項目がポインタ付けされている。かつ、

  5. 4.のポインタが指す記憶領域が他のデータ項目の記憶領域と重なっている場合。

    *2:デフォルトはNOOPTIMIZEです。
    *3:集団項目やREDEFINES句、RENAMES句などを使用した場合、異なるデータ項目と記憶領域が重なります。以下に記憶領域が重なる例を示します。

       01  A.
             02  B.
                   03  C.
                         04  D    PIC  X(5).
                         04  E    PIC  9(5).
                   03  G          PIC  X(5).
             02  H  REDEFINES  B.
                   03  I          PIC  9(6).
                   03  J          PIC  9(6).
       66  K  RENAMES  B.
             
       ┌─────────────────┐
       │ A                               │
       ├─────────────────┤
       │ B                               │
       ├───────────┬─────┤
       │ C                   │          │
       ├─────┬─────┤ G X(5)  │
       │D X(5)   │E 9(5)   │          │
       └─────┴─────┴─────┘
       ┌─────────────┐
       │ H                       │
       ├──────┬──────┤
       │I 9(6)     │J 9(6)     │
       └──────┴──────┘
       ┌─────────────────┐
       │ K                               │
       └─────────────────┘

例)データ項目Dは、データ項目A、B、C、H、I、Kと記憶領域が重なります。また、データ項目Dは、データ項目E、G、Jと記憶領域が重なりません。

21

V1.0L10

V5.0.0

PH06513

以下の条件の場合、COBOLプログラムの翻訳時に、コンパイラが以下のメッセージを出力して異常終了することがあります。

  xxx.il(nnn) : error -- Undeclared identifier xxxxxxxxxx
  内部エラーです。(コード:1006, パラメータ: 1)
  最大重大度コードは U です。
  翻訳を中止します。
  1. SAME RECORD AREA句で複数のファイルを指定している。かつ、

  2. 1.で指定したいずれかのファイルをファイル節の先頭で定義している。かつ、

  3. 作業場所節でCOBOL独自型(*1)のデータを定義していない。かつ、

  4. 1.で指定したファイルのうち2.ではないファイルのデータ項目の手続き部で設定または参照している場合。

例)

   INPUT-OUTPUT SECTION.
   FILE-CONTROL.
       SELECT FILE-1 ASSIGN SYSIN1.
       SELECT FILE-2 ASSIGN SYSIN2.
       SELECT FILE-3 ASSIGN SYSIN3.
   I-O-CONTROL.
       SAME RECORD AREA AFILE BFILE. … SAME RECORD AREA句に複数の
                                        ファイルを指定[発生条件の1)]
   DATA DIVISION.
   FILE SECTION.
   FD FILE-1.                      … ファイル節の先頭で定義
   01 FDATA1 PIC X.                   [発生条件の2)]     
   FD FILE-2.
   01 FDATA2 PIC X.                … 障害が発生するデータ項目(★)
   FD FILE-3.                         [発生条件の4)で設定されるデータ]
   01 FDATA3 PIC X.
   WORKING-STORAGE SECTION.        … COBOL独自型のデータを定義せず
   01 WS BINARY-LONG SIGNED.          [発生条件の3)]                     
   PROCEDURE DIVISION.
       MOVE "B" TO FDATA2.         … データ項目(★)に値を設定
                                      [発生条件の4)]  

*1:.NETで規定されていないデータ型。詳細はCOBOL文法書「11.7.3.9 USAGE句」を参照。

22

V1.0L10

V5.0.0

PH06787

以下の[条件1]または[条件2]の場合、COBOLプログラムの実行時に、仮パラメタに正しく値を受渡しできない場合があります。

[条件1]

  1. 次の何れかの呼出しを使用している。かつ、

    • INVOKE文によるメソッド呼出し

    • メソッドの行内呼出し

    • プログラム原型定義呼出し

  2. 1.の呼出しで次の何れかのパラメタを指定している。かつ、

    • BY CONTENTを指定したパラメタ

    • 定数節のデータ項目

    • 文字定数

  3. 1.の呼出し先の仮パラメタにJUSTIFIED句を指定している。かつ、

  4. 2.のパラメタの長さと3.の仮パラメタの長さが異なる場合。

[条件2]

  1. 次の何れかの呼出しを使用している。かつ、

    • INVOKE文によるメソッド呼出し

    • メソッドの行内呼出し

    • プログラム原型定義呼出し

  2. 1.の呼出しで次の何れかのパラメタを指定している。かつ、

    • BY CONTENTを指定したパラメタ

    • 定数節のデータ項目

    • 文字定数

  3. 1.の呼出し先の仮パラメタにBLANK WHEN ZERO句を指定している。かつ、

  4. 2.のパラメタから3.の仮パラメタへの転記の結果がゼロとなる場合。


補足)

  • 仮パラメタは手続き部の見出しのUSING指定またはRETURNING指定に指定されたデータ項目を指します。

  • BY CONTENT指定のパラメタ受渡しでは仮パラメタへの転記が行われます。
    詳細については、COBOL文法書の「11.8.1 一般規則の8」を参照ください。


条件1の例)

  ┌呼出し元──────────────────┐
  │<省略>
  │WORKING-STORAGE SECTION.
  │01 VAR PIC X(3).
  │01 OBJ OBJECT REFERENCE CCC.
  │PROCEDURE DIVISION.
  │     MOVE "ABC" TO VAR.
  │     INVOKE CCC "NEW" RETURNING OBJ.
  │     INVOKE OBJ "MMM" USING BY CONTENT VAR.
  └──────────────────────┘
  ┌呼出し先──────────────────┐
  │CLASS-ID. CCC INHERITS FJBASE.
  │<省略>
  │METHOD-ID. MMM.
  │DATA DIVISION.
  │WORKING-STORAGE SECTION.
  │LINKAGE SECTION.
  │01 VAR PIC X JUSTIFIED.
  │PROCEDURE DIVISION USING VAR.
  │     DISPLAY "VAR=" VAR.
  │END METHOD MMM.
  └──────────────────────┘
  ┌実行結果──────────────────┐
  │VAR=A    ←  正しくは"C"
  └──────────────────────┘
  

条件2の例)

  ┌呼出し元──────────────────┐
  │<省略>
  │WORKING-STORAGE SECTION.
  │01 OBJ OBJECT REFERENCE CCC.
  │01 RET-VAL PIC 9.
  │PROCEDURE DIVISION.
  │     INVOKE CCC "NEW" RETURNING OBJ.
  │     MOVE OBJ::"MMM" ("000") TO RET-VAL.
  │END PROGRAM PPP.
  └──────────────────────┘
  ┌呼出し先──────────────────┐
  │CLASS-ID. CCC INHERITS FJBASE.
  │<省略>
  │METHOD-ID. MMM.
  │DATA DIVISION.
  │WORKING-STORAGE SECTION.
  │LINKAGE SECTION.
  │01 VAR PIC 9(3) BLANK WHEN ZERO.
  │01 RET-VAL PIC 9.
  │PROCEDURE DIVISION USING VAR RETURNING RET-VAL.
  │     DISPLAY "VAR=" VAR.
  │END METHOD MMM.
  └──────────────────────┘
  ┌実行結果──────────────────┐
  │VAR=000  ←  正しくは"   "
  └──────────────────────┘

23

V3.0L10

V5.0.0

PH07070

以下の条件の場合、COBOLプログラムの実行時に、オーバフロー例外が発生し、

COBOLファイルに対するREAD文またはWRITE文の実行が失敗する場合があります。

  1. 64ビットアプリケーションである。かつ、

  2. COBOLファイルである。かつ、

  3. 2.に対するREAD文またはWRITE文を実行した場合。

なお、発生頻度はメモリの状態に依存します。

24

V1.0L10

V5.0.0

PH07292

以下の条件の場合、COBOLプログラムの実行時に、例外System.Reflection.CustomAttributeFormatExceptionが発生して異常終了します。

例外発生時のメッセージは.NET Frameworkが出力します。例として次のようなメッセージが出力されます。

ハンドルされていない例外:
 System.Reflection.CustomAttributeFormatException:指定されたカスタム属性のバイナリ形式は無効です。
  1. 特殊名段落(SPECIAL-NAMES)にCUSTOM-ATTRIBUTE句を記述している。かつ、

  2. 1.のCUSTOM-ATTRIBUTE句に、パラメタにSystem.Object型を持つコンストラクタを使用するカスタムアトリビュートを記述した場合。