ここでは、クローニングイメージに定義できるネットワークパラメーター自動設定機能について説明します。
事前に管理対象サーバ分の、業務LANのネットワークパラメーターの定義を行い、クローニングイメージの採取を行うことで、クローニングイメージを配付する際に管理対象サーバの、業務LANのネットワークパラメーターの設定を自動的に行います。
このため、クローニングイメージの配付による複数の管理対象サーバの導入で、個別に業務LANのIPアドレスを設定する手間を省けるため、短時間で導入できます。
以下の項目を設定します。
LAN冗長化無
IPアドレス
サブネットマスク
LAN冗長化有【Linux】
PRIMECLUSTER Global Link Servicesの"NIC切替え方式の物理IP引継ぎ"
図17.2 ネットワークパラメーター自動設定機能の導入手順
注意
【物理サーバ】
ネットワークパラメーター自動設定機能は管理LANには利用できません。管理LANに対してネットワークパラメーター自動設定機能を利用した場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することや、クローニングイメージの採取時または配付時に通信異常が発生することがあります。
【Windows】
管理対象サーバのOSがWindows Server 2012の場合、本機能はサポートしていません。
PRIMERGY RX600 S6/RX200 S7/RX200 S8/RX300 S7/RX300 S8/RX2520 M1/RX2530 M1/RX2540 M1/RX4770 M1/BX920 S3/BX2560 M1/BX924 S3/BX924 S4にWindows OSをインストールし、本製品の管理対象サーバとして利用する場合は、下記の手順を実行する必要があります。
クローニングイメージの採取でネットワークパラメーター設定を行う前に、以下の手順を実行してください。
ただし、すでに以下の手順を実行した管理対象サーバに対しては、再度実行する必要はありません。
現在のネットワーク設定を記録します。
手順2.を実行したあと、管理対象サーバのネットワーク設定が変更される場合があります。
管理対象サーバ上でSysprepを実行します。
Sysprepの起動方法は、OSのマニュアルを参照してください。
実行時のオプションは以下を指定してください。
[システムクリーンアップアクション]
[システムのOOBE(Out-of-Box Experience)に入る]を選択します。
[一般化する]にチェックを入れます。
[シャットダウンオプション]
"再起動"を選択します。
管理対象サーバのOSが再起動され、OSのミニセットアップが実行されます。
画面の指示に従い、OSの設定を行ってください。
手順.1で記録した設定を参照し、管理対象サーバのネットワーク設定を復元してください。
【Linux】
LAN冗長化の設定を行う場合、導入作業を行う管理対象サーバに手動で設定したPRIMECLUSTER Global Link Servicesの冗長化設定を、すべて解除してから導入作業を行ってください。
解除していない場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することがあります。
導入作業が完了したあと、本機能を利用せずに冗長化設定を行うLAN(管理LANなど)があれば、手動で設定してください。
設定手順
以下の順序で、業務LANのネットワークパラメーターの設定を行います。
ポイント
クローニングイメージを採取する管理対象サーバを1台決めて、定義ファイルを更新する場合、その管理対象サーバ上の定義ファイルを更新し、一元管理することをお勧めします。
定義ファイルの設定
以下の定義ファイルの設定方法について説明します。
FJSVrcx.conf
ipaddr.conf
管理対象サーバ上で、以下のフォルダー(ディレクトリ)配下に定義ファイルを作成してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Agent\etc\FJSVrcx.conf
インストールフォルダー\Agent\etc\ipaddr.conf
【Linux】
/etc/FJSVrcx.conf
/etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.conf
admin_LAN=192.168.1.11 |
admin_LAN
管理対象サーバの管理LANのIPアドレスを設定します。
hostname
管理対象サーバの物理サーバ名を設定します。
定義ファイルは、以下のエントリーで構成されます。
1つ以上のノードエントリー
ノードエントリー配下に1つ以上のインターフェースエントリー(冗長化無/有)
図17.3 定義ファイル(ipaddr.conf)の設定例
定義ファイル(ipaddr.conf)の設定方法は、以下のサンプルファイルを参考にしてください。
【Windows】
インストールフォルダー\Agent\etc\ipaddr.sample
【Linux】
/etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.sample
注意
空白(" ")とコメント記号("#")が先頭にある行(コメント行)は、無効とみなされます。
以下に、各エントリーについて説明します。
ノードエントリー
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
管理対象サーバ名 | NODE_NAME | 物理サーバ名 | 管理対象サーバの登録時に設定した物理サーバ名です。 |
注意
ここでは、将来、追加する可能性があるサーバ名を、サーバ1台ごとに1エントリーずつ、すべて記述してください。
インターフェースエントリー(冗長化無)
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
インターフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。
注意
必ず0から昇順の値を使用してください。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
インターフェース名 | IF_NAME | インターフェース名 | OSが表示するインターフェース名を指定します。 (注) |
IPアドレス | IF_IPAD | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | - |
サブネットマスク | IF_MASK | xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク | - |
注) Windowsはインターフェース名を変更できるので、設定内容に合わせてください。
インターフェースエントリー(冗長化有)【Linux】
以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
インターフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。
本設定ではPRIMECLUSTER Global Link Servicesの"NIC切替え方式の物理IP引継ぎ"を使用するため、仮想インターフェースに設定するIPアドレスが必要です。
同一ノードエントリー内でインターフェース名が重複しないインターフェースエントリー(冗長化無)と混在して定義できます。
注意
各定義キーワードの末尾に付ける数字は、必ず0から昇順の値を使用してください。
冗長化無しのインターフェースと混在する場合、冗長化無しのインターフェースを併せて昇順に値を使用してください。
冗長化有りのインターフェースエントリーは、Linuxの場合だけ有効です。Windowsの場合は無効となり設定されません。
定義内容 | キーワード | 設定値 | 説明 |
---|---|---|---|
PRIMECLUSTER GLSの仮想インターフェース名 | VIF_NAME | shaX | Xは0~255の整数です。 |
仮想インターフェースに設定するIPアドレス | VIF_IPAD | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | - |
サブネットマスク | VIF_MASK | xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク | - |
プライマリーインターフェース名 | PRI_NAME | インターフェース名(ethX) | Xは0以上の整数です。 |
セカンダリインターフェース名 | SCD_NAME | インターフェース名(ethY) | Yは0以上の整数です。 |
監視先IPアドレス | POL_ADDR | xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス | カンマ(",")区切りで2つまで指定できます。 |
待機パトロール用の仮想インターフェース名 | PAT_NAME | shaY | Yは0~255の整数です。 |
HUB-HUB間監視の有無 | POL_HUBS | ON/OFF | HUB-HUB間監視を行う場合はONを、行わない場合はOFFを指定します。 |
各設定値については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。
ネットワークパラメーター自動設定機能の有効化
以下のコマンドを実行し、ネットワークパラメーター自動設定機能を有効にします。
本コマンドは管理対象サーバ上で実行します。
【Windows】
>"インストールフォルダー\Agent\bin\rcxadm" lanctl enable <RETURN> |
【Linux】
# /opt/FJSVrcxat/bin/rcxadm lanctl enable <RETURN> |
コマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド編) VE」の「5.9 rcxadm lanctl」を参照してください。