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ServerView Resource Orchestrator Express/Virtual Edition V3.1.2 操作ガイド
FUJITSU Software

17.6 クローニングイメージに定義できるネットワークパラメーター自動設定機能

ここでは、クローニングイメージに定義できるネットワークパラメーター自動設定機能について説明します。

事前に管理対象サーバ分の、業務LANのネットワークパラメーターの定義を行い、クローニングイメージの採取を行うことで、クローニングイメージを配付する際に管理対象サーバの、業務LANのネットワークパラメーターの設定を自動的に行います。
このため、クローニングイメージの配付による複数の管理対象サーバの導入で、個別に業務LANのIPアドレスを設定する手間を省けるため、短時間で導入できます。

以下の項目を設定します。

注意

【物理サーバ】
ネットワークパラメーター自動設定機能は管理LANには利用できません。管理LANに対してネットワークパラメーター自動設定機能を利用した場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することや、クローニングイメージの採取時または配付時に通信異常が発生することがあります。

【Windows】

  • 管理対象サーバのOSがWindows Server 2012の場合、本機能はサポートしていません。

  • PRIMERGY RX600 S6/RX200 S7/RX200 S8/RX300 S7/RX300 S8/RX2520 M1/RX2530 M1/RX2540 M1/RX4770 M1/BX920 S3/BX2560 M1/BX924 S3/BX924 S4にWindows OSをインストールし、本製品の管理対象サーバとして利用する場合は、下記の手順を実行する必要があります。

    クローニングイメージの採取でネットワークパラメーター設定を行う前に、以下の手順を実行してください。

    ただし、すでに以下の手順を実行した管理対象サーバに対しては、再度実行する必要はありません。

    1. 現在のネットワーク設定を記録します。

      手順2.を実行したあと、管理対象サーバのネットワーク設定が変更される場合があります。

    2. 管理対象サーバ上でSysprepを実行します。

      Sysprepの起動方法は、OSのマニュアルを参照してください。

      実行時のオプションは以下を指定してください。

      [システムクリーンアップアクション]

      • [システムのOOBE(Out-of-Box Experience)に入る]を選択します。

      • [一般化する]にチェックを入れます。

      [シャットダウンオプション]

      • "再起動"を選択します。

    3. 管理対象サーバのOSが再起動され、OSのミニセットアップが実行されます。

      画面の指示に従い、OSの設定を行ってください。

    4. 手順.1で記録した設定を参照し、管理対象サーバのネットワーク設定を復元してください。

【Linux】
LAN冗長化の設定を行う場合、導入作業を行う管理対象サーバに手動で設定したPRIMECLUSTER Global Link Servicesの冗長化設定を、すべて解除してから導入作業を行ってください。
解除していない場合、導入作業で実行するコマンドが失敗することがあります。
導入作業が完了したあと、本機能を利用せずに冗長化設定を行うLAN(管理LANなど)があれば、手動で設定してください。


設定手順

以下の順序で、業務LANのネットワークパラメーターの設定を行います。

ポイント

クローニングイメージを採取する管理対象サーバを1台決めて、定義ファイルを更新する場合、その管理対象サーバ上の定義ファイルを更新し、一元管理することをお勧めします。

  1. 定義ファイルの設定

    以下の定義ファイルの設定方法について説明します。

    • FJSVrcx.conf

    • ipaddr.conf

    管理対象サーバ上で、以下のフォルダー(ディレクトリ)配下に定義ファイルを作成してください。

    【Windows】
    インストールフォルダー\Agent\etc\FJSVrcx.conf
    インストールフォルダー\Agent\etc\ipaddr.conf

    【Linux】
    /etc/FJSVrcx.conf
    /etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.conf

    定義ファイル(FJSVrcx.conf)の設定例

    admin_LAN=192.168.1.11
    hostname=node-A

    • admin_LAN

      管理対象サーバの管理LANのIPアドレスを設定します。

    • hostname

      管理対象サーバの物理サーバ名を設定します。

    定義ファイル(ipaddr.conf)の構成

    定義ファイルは、以下のエントリーで構成されます。

    • 1つ以上のノードエントリー

    • ノードエントリー配下に1つ以上のインターフェースエントリー(冗長化無/有)

      図17.3 定義ファイル(ipaddr.conf)の設定例

    定義ファイル(ipaddr.conf)の設定方法は、以下のサンプルファイルを参考にしてください。

    【Windows】
    インストールフォルダー\Agent\etc\ipaddr.sample

    【Linux】
    /etc/opt/FJSVnrmp/lan/ipaddr.sample

    注意

    空白(" ")とコメント記号("#")が先頭にある行(コメント行)は、無効とみなされます。

    以下に、各エントリーについて説明します。

    • ノードエントリー

      以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。

      表17.3 ノードエントリーの定義キーワードの設定値一覧

      定義内容

      キーワード

      設定値

      説明

      管理対象サーバ名

      NODE_NAME

      物理サーバ名

      管理対象サーバの登録時に設定した物理サーバ名です。

      注意

      ここでは、将来、追加する可能性があるサーバ名を、サーバ1台ごとに1エントリーずつ、すべて記述してください。

    • インターフェースエントリー(冗長化無)

      以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
      インターフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。

      注意

      必ず0から昇順の値を使用してください。

      表17.4 インターフェースエントリーの定義キーワードの設定値一覧

      定義内容

      キーワード

      設定値

      説明

      インターフェース名

      IF_NAME

      インターフェース名

      OSが表示するインターフェース名を指定します。 (注)

      <例>
      【Windows】
      ローカル エリア接続 2

      【Linux】
      ethX (Xは0以上の整数)

      IPアドレス

      IF_IPAD

      xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス

      -

      サブネットマスク

      IF_MASK

      xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク

      -

      注) Windowsはインターフェース名を変更できるので、設定内容に合わせてください。

    • インターフェースエントリー(冗長化有)【Linux】

      以下の表に示す定義キーワードに対応する設定値を記述してください。
      インターフェース名ごとに各定義キーワードの末尾に0~99の数字を付けて定義してください。

      本設定ではPRIMECLUSTER Global Link Servicesの"NIC切替え方式の物理IP引継ぎ"を使用するため、仮想インターフェースに設定するIPアドレスが必要です。

      同一ノードエントリー内でインターフェース名が重複しないインターフェースエントリー(冗長化無)と混在して定義できます。

      注意

      各定義キーワードの末尾に付ける数字は、必ず0から昇順の値を使用してください。
      冗長化無しのインターフェースと混在する場合、冗長化無しのインターフェースを併せて昇順に値を使用してください。

      冗長化有りのインターフェースエントリーは、Linuxの場合だけ有効です。Windowsの場合は無効となり設定されません。

      表17.5 インターフェースエントリーの定義キーワードの設定値一覧

      定義内容

      キーワード

      設定値

      説明

      PRIMECLUSTER GLSの仮想インターフェース名

      VIF_NAME

      shaX

      Xは0~255の整数です。

      仮想インターフェースに設定するIPアドレス

      VIF_IPAD

      xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス

      -

      サブネットマスク

      VIF_MASK

      xxx.xxx.xxx.xxx形式のサブネットマスク

      -

      プライマリーインターフェース名

      PRI_NAME

      インターフェース名(ethX)

      Xは0以上の整数です。
      ペアになるインターフェース名のうち、プライマリーのインターフェース名を設定します。

      <例> eth2

      セカンダリインターフェース名

      SCD_NAME

      インターフェース名(ethY)

      Yは0以上の整数です。
      ペアになるインターフェース名のうち、セカンダリのインターフェース名を設定します。

      <例> eth3

      監視先IPアドレス

      POL_ADDR

      xxx.xxx.xxx.xxx形式のIPアドレス

      カンマ(",")区切りで2つまで指定できます。
      HUB-HUB間監視を行う場合、監視先を2つ指定してください。
      監視先を1つだけ指定した場合、HUB-HUB間監視は行われません。
      この場合、HUB-HUB間監視の有無(POL_HUBS)で指定した値は参照されません。

      待機パトロール用の仮想インターフェース名

      PAT_NAME

      shaY

      Yは0~255の整数です。
      仮想インターフェース名とは異なる値を指定してください。
      待機パトロールを設定しない場合、何も設定しないでください。

      HUB-HUB間監視の有無

      POL_HUBS

      ON/OFF

      HUB-HUB間監視を行う場合はONを、行わない場合はOFFを指定します。
      本定義は、監視先を2つ指定した場合だけ有効です。
      監視先を1つだけ指定した場合、本定義は無効になり、OFFとして処理されます。

      各設定値については、PRIMECLUSTER Global Link Servicesのマニュアルを参照してください。

  2. ネットワークパラメーター自動設定機能の有効化

    以下のコマンドを実行し、ネットワークパラメーター自動設定機能を有効にします。
    本コマンドは管理対象サーバ上で実行します。

    【Windows】

    >"インストールフォルダー\Agent\bin\rcxadm" lanctl enable <RETURN>

    【Linux】

    # /opt/FJSVrcxat/bin/rcxadm lanctl enable <RETURN>

    コマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド編) VE」の「5.9 rcxadm lanctl」を参照してください。