Symfoware Analytics Serverでは、範囲分割によるカラムナテーブル分割機能を提供しています。また、複数のデータベーススペースをより細かな粒度で管理することができるようになります。
これにより、データの精度と粒度の向上とバックアップ/リストア時間の短縮、大量データのライフサイクル管理を実現します。
カラムナテーブル分割機能には、以下の特長があります。
範囲分割によるテーブルパーティショニング
論理的に1つのカラムナテーブルのデータを地域、店舗、日付などの値の範囲で分割できます。分割したデータは、それぞれ別のデータベーススペースに配置されます。
分割条件はカラムナテーブルに対して設定します。このため、データベースユーザーはデータを操作するときに範囲分割を意識する必要はありません。
複数のデータベーススペースの運用管理
カラムナテーブルを分割するために、分割先となるデータベーススペースを追加できます。
また、不要になったデータベーススペースおよび格納されたデータを削除することにより、データベーススペースを再利用できます。
データベーススペースの読み取り専用への変更
データベーススペースを読み取り専用に変更して、データの追加および格納されたデータの更新を抑制できます。
バックアップ・リストア対象のデータベーススペースの削減
読み取り専用のデータベーススペースと更新可能なデータベーススペースを区別してカラムナテーブルのバックアップを行えます。また、区別されたバックアップの単位ごとにバックアップファイルが生成されるため、カラムナテーブルの段階的なリストアを行えます。
これにより、バックアップ・リストアの実行時間を短縮できます。
ライフサイクル管理
前述した特長を活用して、大量データをライフサイクル管理できます。
売上データを売上月ごとに分割して常に直近1年間のデータのみ保持する場合のライフサイクル管理の例を以下に示します。
上記の例では、売上データが売上月ごとに別のデータベーススペースに格納されるように、分割条件を売上データテーブルに定義しています。
また、直近3ヶ月以外のデータについては更新する可能性がないため、該当するデータベーススペースを読み取り専用にして管理しています。上記の例は以下の手順で行います。
データベーススペースの追加
6月分の売上データを新たに格納するために、事前にデータベーススペースを追加する必要があります。以下の手順で行います。
DWHサーバ管理者ユーザーで、6月分の売上データの格納先であるデータベーススペースを作成します。
DWHサーバ管理者ユーザーまたはデータベースユーザーで、作成したデータベーススペースに6月分の売上データが格納されるように売上データテーブルの分割条件に6月分の条件を追加します。
データベーススペースを読み取り専用に変更
直近3ヶ月から溢れた3月分のデータを読み取り専用に変更して、合わせて分割条件も変更します。以下の手順で行います。
直近3ヶ月から溢れた3月分のデータを格納するデータベーススペースを、DWHサーバ管理者ユーザーが読み取り専用に変更します。
DWHサーバ管理者ユーザーまたはデータベースユーザーが、売上データテーブルの分割条件から3月分の条件を削除します。
データベースのバックアップおよびリストア
1週間ごとに売上データテーブルのデータをバックアップします。
バックアップ対象は更新可能な直近3ヶ月分のデータベーススペースのみです。すでに読み取り専用のデータベーススペースのバックアップファイルが存在するため、バックアップの対象から外します。
ただし、読み取り専用に変更したばかりのデータベーススペースがある状態で変更前に更新した場合には、そのデータベーススペースもバックアップします。
データベーススペースの削除
昨年7月分のデータの使用をやめた場合には、昨年7月分の売上データの格納先であるデータベーススペースを、DWHサーバ管理者ユーザーで削除します。
不要なバックアップデータの削除、削除した資源の再利用
昨年7月分のデータを今後リストアしない場合は、不要となった昨年7月分のバックアップデータを削除します。また、削除した資源を新しいデータベーススペースとして追加して、再利用できます。