■破棄データファイルへのトランザクション未完了データ出力
エクスポートユーティリティが繰り返し実行されますが、高信頼性ログのユーザログレコードに対してトランザクション結果が延々と書き込まれない場合、エクスポートユーティリティ定義ファイルへ指定したユーザログ破棄条件に従って、ユーザログレコードを破棄します。
この際に標準エラー出力とsyslogへ以下のエラーメッセージが出力され、破棄データファイルへユーザログ破棄条件を満たしたユーザログレコードが出力されます。
FSP_INTS-BAS_AP: WARNING: 11048: The log record which met the data destroyment requirement was destroyed.Satisfied a log record of data destruction was output to the destruction data file. |
破棄データファイルへ出力された情報と高信頼性ログのシステム情報やログなどの情報を元にシステムに異常がないか確認し、環境を復旧させて業務を再開します。
トランザクション未完了データファイル
トランザクション未完了データファイルは、トランザクションの完了が確認できなかったユーザログレコードが書き込まれます。
トランザクション未完了データは、次回のエクスポートユーティリティ実行時にデータ抽出処理の入力データとして自動で使用されます。
本ファイルは、ユーザが考慮する必要はありません。
注意
運用中にトランザクション未完了データファイルを削除しないでください。削除した場合はエクスポートユーティリティのデータの整合性は保障されません。
ファイル名
トランザクション未完了データファイルは、RDBシステム名、データベース名およびDSI名を使用して以下の形式で一意に作成されます。
以下にファイル名の形式を記します。
/opt/FJSVibs/var/exuty/RDBシステム名_DB名_DSI名/RDBシステム名_DB名_DSI名_last (注) |
[Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\var\exuty\RDBシステム名_DB名_DSI名\RDBシステム名_DB名_DSI名_last (注) |
注)Symfoware Serverを利用し、RDBシステム名を付加しない運用を行った場合、RDBシステム名に固定値“RDBII”が設定されます。
対象となるユーザログ
トランザクションの完了を確認できないユーザログレコードは、トランザクション未完了データファイルに出力されます。
以下の条件に一致したものを出力対象とし、トランザクション未完了データファイルに出力されます。
退避したデータ中にコミット、またはロールバックのトランザクション完了が確認出来ないユーザログレコード
ファイル形式
退避データファイルの形式に振分回数および初回起動時刻を追加したものが、トランザクション未完了データファイルのファイル形式になります。
振分回数および初回起動時刻について、以下に記述します。
振分回数
トランザクション未完了データファイルへ振分けた回数を示します。処理不能と判定するための判断基準として扱い、トランザクション未完了データファイルへ振分けを行うたびに振分回数が更新されます。
初回起動時刻
エクスポートユーティリティ起動直後の時間が設定されます。経過時間を指定した場合に、トランザクションの完了が確認できないユーザログレコードを処理不能と判定するための判断基準として扱い、処理中に値の更新は行いません。
[バイナリ形式]
破棄データファイル
破棄データファイルは、トランザクションの完了が確認できないために破棄対象となったユーザログレコードが書き込まれます。破棄データファイルの出力有無は、エクスポートユーティリティ定義ファイルで指定することができます。
ユーザは、破棄データファイルをバイナリエディタを使用して、破棄されたユーザログレコードを確認することができます。
破棄データファイルは、異常時の原因解析などの用途で使用することができます。
注意
破棄データファイルはユーザの資産ですので、エクスポートユーティリティが自動的に削除することはありません。不要となった破棄データファイルは、必要に応じて削除してください。
破棄データファイルを扱う場合は、Interstage運用グループに属しているユーザで行ってください。
ファイル名
破棄データファイルは、RDBシステム名、データベース名およびDSI名を使用して以下の形式で一意に作成されます。
以下にファイル名の形式を記します。
/opt/FJSVibs/var/exuty/RDBシステム名_DB名_DSI名/RDBシステム名_DB名_DSI名_useless (注) |
[Interstageのインストールディレクトリ]\BAS\var\exuty\RDBシステム名_DB名_DSI名\RDBシステム名_DB名_DSI名_ useless (注) |
注)Symfoware Serverを利用し、RDBシステム名を付加しない運用を行った場合、RDBシステム名に固定値“RDBII”が設定されます。
対象となるユーザログ
トランザクションの完了を確認できないユーザログレコードが、エクスポートユーティリティ定義ファイルで定義した出力条件を満たした場合、エクスポートユーティリティは該当データを処理不能と判断し、破棄データファイルへ出力します。定義によって、除外したデータを破棄データファイルに出力せず、削除することも可能です。
破棄データファイルへの出力条件には、振分回数または経過時間を指定する事ができます。
以下に、振分回数および経過時間による破棄データファイルへの振分けについての説明を記述します。
振分回数を指定した破棄データファイルへの振分け
トランザクション未完了データを抽出処理の入力として扱った回数が、エクスポートユーティリティ定義ファイルに指定された振分回数を超過していた場合、該当するユーザログは破棄データファイルへ振分けられます。
ポイント
振分回数と破棄データファイルへの出力の関係は以下のようになります。
振分回数に“1”を指定した場合
トランザクション未完了と判断されたユーザログが、次回以降のデータ抽出処理でもトランザクション完了が確認できなかった場合、破棄データファイルへ振分けられます。
経過時間を指定した破棄データファイルへの振分け
現在時刻が、初回起動時刻にエクスポートユーティリティ定義ファイルで指定された経過時間を加算した時間を超過していた場合、対象のユーザログは破棄データファイルへ出力されます。
現在時刻を取得するタイミングはエクスポートユーティリティ実行時となります。
ポイント
経過時間と破棄データファイルへの出力の関係は以下のようになります。
初回起動時刻に“12:00”が設定され、経過時間(分)に“119”を指定した場合、かつ“14:00”にエクスポートユーティリティの処理を実行した場合
トランザクション未完了と判断されたユーザログが、次回以降のデータ抽出処理でもトランザクション完了が確認できなかった場合、破棄データファイルへ振分けられます。
初回起動時刻に“12:00”が設定され、経過時間(分)に“120”を指定した場合、かつ“14:00”にエクスポートユーティリティの処理を実行した場合
トランザクション未完了と判断されたユーザログが、次回以降のデータ抽出処理でもトランザクション完了が確認できなかった場合、再度トランザクション未完了データファイルへ振分けられます。
ファイル形式
破棄データファイルのレコード形式は、退避データファイルの形式と同様になります。
[バイナリ形式]
ファイル出力時の対処
破棄データファイル出力時に標準エラー出力とsyslogへ以下のエラーメッセージが出力され、破棄データファイルへユーザログ破棄条件を満たしたユーザログレコードが出力されます。
FSP_INTS-BAS_AP: WARNING: 11048: The log record which met the data destroyment requirement was destroyed. |
破棄データファイルへ出力された情報と高信頼性ログのシステム情報やログなどの情報を元にシステムに異常がないか、業務アプリケーションにトラブルがないか確認してください。
システムまたは業務アプリケーションにトラブルがない場合は、破棄データファイルへの振分設定が短い可能性があります。破棄データファイルへ出力されないよう、エクスポートユーティリティ定義ファイルの設定を見直してください。