【非互換内容】
高速切替方式およびNIC切替方式の環境設定において、システム上にSolarisコンテナのゾーンがすでに設定されている場合は、Solarisコンテナ(ゾーン)のネットワーク設定との整合性を確認します。
環境設定時に以下のメッセージが表示された場合は、該当するSolarisコンテナ(ゾーン)のネットワーク設定を確認する必要があります。
出力メッセージ:
hanet: 36301: warning: IP address is already defined in zones. zone=<ゾーン名> hanet: 36401: warning: interface name is defined in zones. zone=<ゾーン名> hanet: 36501: warning: secondaryIF is specified in zones. zone=<ゾーン名>
参照
出力メッセージに対する対処方法は、“A.1.2 エラー出力メッセージ(100~500番台)”を参照してください。
【変更点】
変更前
Solarisコンテナ(ゾーン)のネットワーク設定を意識しません。
変更後
Solarisコンテナ(ゾーン)のネットワーク設定との整合性確認を行います。
【注意事項】
伝送路二重化機能の環境設定時にゾーンの設定がシステム上に存在する場合、ゾーンの起動/停止に関わらずネットワーク設定の整合性確認を行います。
伝送路二重化機能の環境設定を先に行い、その後ゾーンの設定を追加した場合には、追加したゾーンとの整合性確認は行われません。
【非互換内容】
高速切替方式の仮想インタフェースを、hanethvrscコマンドによりクラスタの引継ぎリソースとして登録した場合、引継ぎ仮想インタフェースは“shaX:65”や“shaX:66”のように論理IDの65番以降を使用しますが、複数のゾーンがネットワーク設定に高速切替方式の仮想インタフェースを指定している場合、ゾーンの数によっては論理IDが引継ぎ仮想インタフェースで使用する論理IDと重複してしまいます。このため、伝送路二重化機能が起動される際、“shaX:65”や“shaX:66”の論理仮想インタフェースを事前に生成し、クラスタの引継ぎ仮想インタフェースを自動的に予約します。
これにより、複数のゾーンがネットワーク設定に高速切替方式の仮想インタフェースを指定している場合でも、ゾーンが使用する論理仮想インタフェースの論理IDと重複することなく、クラスタの引継ぎ仮想インタフェースを使用することができます。
【変更点】
変更前
hanethvrscコマンドにより仮想インタフェースと引継ぎIPの設定を行った際、引継ぎ仮想インタフェース(shaX:65,shaX:66など)の予約を行いません。
以下に、仮想インタフェースと引継ぎIPの設定を行った後のifconfigコマンド出力結果を示します。
# ifconfig -a lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 192.168.100.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.100.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX hme1: flags=1000863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 192.168.101.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.101.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX hme2: flags=1000863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 4 inet 192.168.102.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.102.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX cip0: flags=10080c1<UP,RUNNING,NOARP,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 6 inet 192.168.1.1 netmask ffffff00 sha0: flags=1000863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 8 inet 192.168.200.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.200.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX |
変更後
hanethvrscコマンドにより仮想インタフェースと引継ぎIPの設定を行った際、引継ぎ仮想インタフェース(shaX:65,shaX:66など)の予約を自動的に行います。
以下に、仮想インタフェースと引継ぎIPの設定を行った後のifconfigコマンド出力結果を示します。
# ifconfig -a lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 192.168.100.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.100.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX hme1: flags=1000863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3 inet 192.168.101.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.101.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX hme2: flags=1000863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 4 inet 192.168.102.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.102.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX cip0: flags=10080c1<UP,RUNNING,NOARP,PRIVATE,IPv4> mtu 1500 index 6 inet 192.168.1.1 netmask ffffff00 sha0: flags=1000863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 8 inet 192.168.200.10 netmask ffffff00 broadcast 192.168.200.255 ether XX:XX:XX:XX:XX:XX sha0:65: flags=1000862<BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 8 inet 0.0.0.0 netmask 0 |
ポイント
ifconfigコマンドの出力結果では引継ぎ仮想インタフェース(sha0:65)が存在していますが、クラスタシステムの環境設定、およびクラスタシステム運用においては従来通りで、変更はありません。
【注意事項】
クラスタの引継ぎ仮想インタフェース登録時は、ゾーンの存在有無に関わらず引継ぎ仮想インタフェースの予約を行います。
事前に生成された引継ぎ仮想インタフェースはdown状態で、IPアドレスには“0.0.0.0”が割り当てられます。RMS起動時に引継ぎIPアドレスが割り当てられ、up状態となります。