スタンバイ運用のクラスタアプリケーションでは、運用ノードだけでなく、待機ノードのGLSリソース状態を監視することが可能です。
以下に、待機ノードのGLSリソース状態監視について説明します。
スタンバイ運用のクラスタアプリケーションでは、通常、待機ノードのGLSリソース状態を監視しません。この場合、待機ノードで伝送路異常が発生しても、異常となったGLSリソースの切離しが行われず、また、利用者に対して何も通知されないため、待機ノードのGLSリソース異常が解消されないままの状態となります。このような問題を避けるため、待機ノードのGLSリソースを監視する必要があります。
待機ノードのGLSリソースを監視するためには、クラスタアプリケーション作成時にスタンバイ状態遷移(StandbyTransition)の設定を行う必要があります。
スタンバイ状態遷移(StandbyTransition)の設定を行うことで、待機ノードで伝送路異常が発生した場合、異常となったGLSリソースを切離し、利用者に対して異常が発生したことを通知します。(Web-Based Admin View の“Cluster Admin”で確認することができます。)
注意
クラスタシステム上でGS/SURE連携方式を使用する場合、待機ノード側の仮想インタフェースは非活性であり、待機ノード側の通信相手先監視は停止します。このため、待機ノード上のGLSリソース状態監視を行うことはできません。従って、GS/SURE連携方式ではクラスタアプリケーション作成時に"StandbyTransition"属性を設定する必要はありません。
待機ノードのGLSリソース状態を監視するための設定方法については、マニュアルの“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照してください。
待機ノードで伝送路異常が発生し、GLSリソースが異常となった場合は、以下の手順により復旧を行います。
1) 異常が発生した伝送路の復旧
異常となった伝送路を、正常な状態に戻します。(ケーブル再接続、スイッチ/HUB電源再投入、故障スイッチ/HUBの交換等必要な作業を実施)
2) GLSリソース故障状態のクリア
GLSリソースの故障状態をクリアして元の状態に戻します。(hvutil -cの実行)
本操作を行うことにより、待機ノードのGLSリソースは再びスタンバイ状態としてクラスタアプリケーションに組み込まれます。