Oracle Solaris ゾーン環境において、グローバルゾーンやノングローバルゾーンに異常が発生すると、ノングローバルゾーン上のアプリケーションが動作できない状態となります。
グローバルゾーンとノングローバルゾーンにPRIMECLUSTERを適用することで、状態監視・切替え機能を提供します。これにより、異常発生時には待機系に切替えが可能となり、ノングローバルゾーンの高信頼化を実現します。
グローバルゾーンの状態監視・切替え
以下の状態を監視します。
グロ-バルゾーンのOS異常
グローバルゾーンのハードウェア(ネットワーク、共用ディスクとその経路)の故障
グローバルゾーンのOS異常を検出した場合には、そのグローバルゾーンで動作していたすべてのノングローバルゾーンを待機系へ切り替えます。
ノングローバルゾーンの状態監視・切替え
以下の状態を監視します。
ノングローバルゾーンの状態
ノングローバルゾーンのOS異常
ノングローバルゾーン上で動作するアプリケーションの状態
異常を検出した場合、対象のノングローバルゾーンを待機系へ切り替えます。
図H.2 グローバルゾーンOS異常時の切替え
図H.3 ノングローバルゾーン上のアプリケーション異常時の切替え
3ノード以上から構成されるクラスタシステムの場合、複数の運用サーバに対して1台の待機サーバを用意することにより、待機サーバの集約が可能になります。以下に例を示します。
図H.4 3ノード構成ゾーン環境のグローバルゾーンOS異常時の切替え
1ノードから構成されるシングルノードクラスタの場合、ノングローバルゾーン上のOSおよびアプリケーションの状態を監視します。異常を検出した場合、ノングローバルゾーンまたはノングローバルゾーン上のアプリケーションを自動的に再起動し、復旧を試みることで、可用性を向上させることができます。以下に例を示します。
図H.5 シングルノードクラスタ運用ゾーン環境のノングローバルゾーンOS異常時の動作
注意
ノングローバルゾーンでは「クラスタ名」および「CFノード名」を変更できません。
ノングローバルゾーンでは、以下の機能/コマンドは使用できません。
自動構成
共用ディスク装置接続確認
オペレータ介入
故障リソース特定
パトロール診断
clsyncfile(クラスタノード間でファイル配布を行う機能)
同一のグローバルゾーンで動作するノングローバルゾーンの間では、業務を引き継ぐことはできません。