ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.3

12.1 PRIMECLUSTERの運用形態

PRIMECLUSTERの運用形態について、SafeCLUSTERを基に説明します。

なお、SafeCLUSTERでの「クラスタサービス」はPRIMECLUSTERでの「クラスタアプリケーション」に位置付けられます。

また、SafeCLUSTERでの「ネットワーク引継ぎ」はPRIMECLUSTERでの「業務LAN引継ぎ」に相当します。

用語の対応については、付録“E.1 用語”を参照ください。

◆システム運用形態

運用形態

内容

1:1運用待機

2ノードで構成されるシステム内に1つのスタンバイ運用のクラスタアプリケーションが動作し、起動したときに運用と待機が別々のノードで動作するもの。

N:1運用待機

N+1個のノードで構成されるシステムでN個のスタンバイ運用のクラスタアプリケーションが動作しN個のノード毎に1つの運用が動作し1個のノードでN個の待機が動作するもの。

相互待機

同一システム内で複数のスタンバイ運用クラスタアプリケーションが動作し、かつ起動した時の状態が、1つのノード上に異なるクラスタアプリケーションの運用と待機が1つずつ共存するような運用形態。一般には複数ノードの構成も可能であるが、多くの場合2ノードで構成される(この場合を特に2ノード運用待機と呼ぶことがある)。

カスケード

1:1運用待機の応用形態。

1つの運用に複数の待機を持つことで、1ノード停止後も、残りのノードでクラスタアプリケーションの冗長構成がとれるため、保守の間の可用性保持に有効。

移動待機

N:1運用待機の応用形態。

待機ノードが移動することで、待機ノードの停止後も、復旧したノードが待機ノードとなりクラスタアプリケーションの冗長構成がとれるため、保守の間の可用性保持に有効。

スケーラブル

1つ以上のクラスタアプリケーションが連携して動作するため、並列実行業務に適した運用形態。

高可用スケーラブル

スケーラブルを構成する各クラスタアプリケーションをスタンバイ運用にした運用形態。

◆クラスタアプリケーションの運用形態

運用形態

内容

スタンバイ運用

1:1運用待機、N:1運用待機、相互待機、カスケード、移動待機の5つの総称。

スケーラブル運用

初期状態として複数の運用ノードのみから成る1つのクラスタアプリケーションから構成される。運用ノードが停止しても残りの運用ノードが存在すれば業務を続行できる。

スケーラブル運用、レイヤードスケーラブル運用の2つの総称。

◆業務LAN引継ぎ機能

業務LAN引継ぎ機能

内容

IPアドレス引継ぎ

スタンバイ運用において、切替えが発生したときに、1つまたは複数のIPアドレスを、旧運用ノードから新運用ノードへ引継ぐ機能です(対象となるネットワークインタフェースカードは複数でも可能)。

ノード名引継ぎ

ノード名を意識しているような場合に設定します。ノード名に対応するIPアドレス(論理IP)を検出し、このIPアドレスに対してアクセスを行います。

注意

物理IPアドレス引継ぎは、切替え時に物理IPアドレスを非活性化します。Web-Based Admin View やシャットダウン機構の動作に影響を与えないよう、これらが使用していないネットワークインタフェースに物理IPアドレス引継ぎを設定するようにします。