スナップショットからのシングルアイテムリストアとは、一時ボリュームを利用して、復旧が必要なファイルだけを、スナップショットからファイル単位でリストアすることです。
シングルアイテムリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設定している場合だけ実施できます。
スナップショットからのシングルアイテムリストアを実施する手順は、以下のとおりです。
参考
OSの操作や画面表現は、OSのバージョンレベルによって異なる可能性があります。
「復元対象のスナップショット」、「復元したいファイルが存在するディスク」、「一時ボリュームの保持時間」を決定します。
復元対象のスナップショット
復元するスナップショットを決定します。復元できるスナップショットは、ETERNUS SFシステムで作成したものだけです。
スナップショットは、1つだけ選択できます。複数のスナップショットからの復元が必要な場合は、本項に記載されている手順を繰り返し実施してください。
注意
1回のシングルアイテムリストアでは、複数のスナップショットからのリストアを同時実行できません。複数のスナップショットからファイルを復元する場合は、スナップショットごとに、使用する一時ボリュームの作成と削除を繰り返し実施する必要があります。
一時ボリュームの保持時間を超過する前に一時ボリュームを削除したい場合は、ストレージ管理者に依頼してください。
復元したいファイルが存在するディスク
復元したいファイルが存在するスナップショット内のディスク(VMDKファイル名)を決定します。
複数のディスクを選択できます。
注意
ここで選択するディスク数と同じ数の一時ボリュームが使用されます。このため、一時ボリュームを接続する仮想マシンにおいて、SCSIコントローラーに十分な空きがあることを確認してください。
仮想マシンのSCSIコントローラーに空きがない場合は、その仮想マシンに一時ボリュームを接続できません。SCSIコントローラーを追加するか、既存のコントローラーの中で空きのコントローラーを用意してください。SCSIコントローラーの追加方法は、VMwareのマニュアルを参照してください。
それでも、空きのSCSIコントローラーを用意できない場合は、選択するディスク数を減らしてください。
一時ボリュームの保持時間
一時ボリュームを仮想マシンに接続しておく時間を決定します。1~99時間の範囲で指定できます。
指定した時間が経過すると一時ディスクは自動的に削除されるため、ファイルの復旧作業に必要な時間を見積もったうえで、決定してください。
ストレージ管理者に、手順1で決定した情報を通知し、シングルアイテムリストア(仮想マシンへの一時ボリュームの接続)を依頼します。
ストレージ管理者からの作業完了連絡を受け取ります。
スナップショット内のディスク内容がコピーされた一時ボリュームが、仮想マシンに接続されています。なお、一時ボリュームは、以下の属性で、復元対象のスナップショットと同じVVOLデータストアに作成されています。
属性 (注) | 内容 |
---|---|
ディスクプロビジョニング | Thin Provisioning |
仮想デバイスノード | SCSI |
ディスクモード | 独立型 |
VMDKファイル名 | ESF_TEMP_元VMDKファイル名 |
接続先 | コントローラー0(SCSI 0:x)から順に割当て |
注: 各項目の表現は、vCenter Serverのバージョンレベルなどによって異なる場合があります。
ディスクおよびパーティションを再スキャンします。
Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]からディスクの再スキャンを実施してください。
注意
[ディスクの管理]画面で、一時ボリュームに対してディスクの初期化を促される場合があります。ディスクの初期化を促された場合は、キャンセルしてください。ディスクを初期化した場合、一時ボリュームの内容がすべて消去されます。
Linuxの場合
仮想マシン上で、ディスクおよびパーティションの再スキャンを実施してください。
例
仮想マシン上で、以下のコマンドを実行します。
sfdisk -R deviceName
deviceName: 一時ボリュームのデバイス名(/dev/sd*)
仮想マシンに一時ボリュームをマウントします。
Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]から一時ボリュームをオンラインにし、ドライブ文字を割り当ててください。
Linuxの場合
仮想マシン上で、mountコマンドを実行して、一時ボリュームをマウントしてください。
復旧が必要なファイルを、一時ボリュームから業務ボリュームへコピーします。
仮想マシンから、一時ボリュームをアンマウントします。
Windowsの場合
仮想マシン上で、[ディスクの管理]から一時ボリュームをオフラインにしてください。
Linuxの場合
仮想マシン上で、umountコマンドを実行して、一時ボリュームをアンマウントしてください。
注意
シングルアイテムリストアでは、自動的にディスクが仮想マシンに追加されます。このため、互換デバイスを利用している場合、一時ボリュームが存在する状態でシステム再起動などを行うと、デバイス名ずれが発生する可能性があります。デバイス名ずれの発生しないデバイス名の使用を推奨します。デバイス名ずれに関しては、OSのマニュアルを参照してください。
一時ボリュームが存在している状態で、スナップショットを作成しないでください。一時ボリュームを削除できなくなることがあります。スナップショットは、一時ボリュームを削除してから作成してください。