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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.2 運用ガイド
FUJITSU Storage

8.1.1 概要

8.1.1.1 Exchange Serverデータベースのバックアップ

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させて、Exchange Serverデータベースの高速オンラインバックアップを実現します。

Exchange Serverデータベースのバックアップデータには、Exchange Serverデータベースを構成する以下のファイルのバックアップが含まれます。

オンラインバックアップ

VSSと連携して、Exchange Serverデータベースをオンラインバックアップします。

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)によるバックアップ

アドバンスト・コピー(OPC、QuickOPC)により、業務サーバに負担をかけずに瞬時にバックアップを作成します。

※本機能ではAdvancedCopy ManagerのWindows Server 2003向けパッケージに同梱されているETERNUS用ハードウェアプロバイダだけを使用します。他社のプロバイダおよびETERNUS VSS Hardware Providerは使用できません。

注意

本機能では、EC/RECによるバックアップはサポートされません。

バックアップサーバへのバックアップ

VSSのシャドウコピーのトランスポート(輸送)機能を使用して、バックアップサーバに接続されたディスク上にバックアップ(シャドウコピー)を作成します。このため、業務サーバに負荷をかけずに、テープへバックアップできます。

図8.1 Exchange Serverデータベースのバックアップの処理イメージ

表8.1 業務サーバとバックアップサーバの機能

サーバ

コンポーネント

説明

業務サーバ

Exchangeライタ

Exchangeライタです。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタです。
Exchangeのバックアップ/リストア機能を提供します。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS用ハードウェアプロバイダです。
アドバンスト・コピー機能(OPC、QuickOPC)によるシャドウコピー作成機能を提供します。

バックアップサーバ

ESEUTIL

Exchange Serverデータベースの整合性検証・修復ユーティリティです。
バックアップデータの整合性確認のため、ACMリクエスタによって使用されます。

ACMリクエスタ

AdvancedCopy Managerが提供するExchange用リクエスタです。業務サーバ上のACMリクエスタからの指示で、シャドウコピーを管理(状態確認、削除)します。

ETERNUSプロバイダ

ETERNUS用ハードウェアプロバイダです。
コピー先ディスク(LUN)を管理します。

8.1.1.2 Exchange Serverデータベースのリストア

富士通ストレージシステム ETERNUSのアドバンスト・コピー機能をVSSと連携させて、Exchange Serverデータベースのオンラインバックアップデータからのリストアを実現します。

オンラインバックアップデータからのリストア

VSSと連携して、オンラインバックアップデータからのリストアを行います。

注意

Exchange Server 2007では元のパスとは異なる場所へリストアする機能がサポートされていますが、この機能はAdvancedCopy Managerではサポートされません。すなわち、AdvancedCopy Managerで選択可能なリストア先は元のディスクだけです。

OPCによる高速リストア

リストアにおいてもアドバンスト・コピー(OPC)を使用することで、業務サーバに負担をかけずに、迅速な業務再開を実現します。

※VSSでは、リストア処理のファイルコピーではプロバイダは使用せず、リクエスタが必要なファイルをリストアします。

リクエスタは、既存機能(swsrpmakeコマンド)を使用してリストアを行います。

図8.3 OPCによるリストア

8.1.1.2.1 Point-in-timeリストア

Point-in-timeリストアでは、Exchange Serverデータベースとログファイルをリストアし、データベースをバックアップ時点の状態に復旧します。バックアップ後に作成されたデータはリストアされません。

8.1.1.2.2 ロールフォワードリストア

ロールフォワードリストアでは、前回のバックアップデータと現在残っているトランザクションログを使用することで、データベースを最新時点まで復旧します。この方式は、データベースは破損しているがログファイルは正常である場合に使用できます。データベースとログファイルが両方破損している場合は、使用できません。