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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

3.4.1 階層化ポリシーの作成

階層化ポリシーは複数作成できます。同じ階層化ポリシーを複数のTierプールに定義することも可能です。

階層化ポリシーに指定できる項目は以下のとおりです。

項目名

指定
(注1)

説明

ポリシー名

必須

階層化ポリシーの名称です。

実行モード

任意

階層化機能の動作方法を指定する実行モードです。
3つの実行モード(Auto、Semi-Auto、Manual)があります。

評価期間

任意

アクセス状況データを評価する期間です。
時間単位(2、4、6、8、12時間)、日単位(1~31日)、または週単位(1週)の値を指定できます。

評価基準

任意

アクセス状況データの評価基準です。
Peak(ピーク値)またはAverage(平均値)を指定できます。

評価実施曜日

任意

アクセス状況データの評価、およびボリューム内のデータの再配置を開始する曜日です。指定しない場合は、ストレージ自動階層制御開始操作完了後から、[評価期間]経過後の[ストレージ自動階層制御実行時間]に評価が行われます。

“初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)”を指定すると、評価期間に満たないアクセス状況データで評価が行われます。すぐにストレージ自動階層制御の運用を行う場合に指定してください。

ストレージ自動階層制御実行時間

任意

アクセス状況データの評価、およびボリューム内のデータの再配置を開始する時刻です。

ストレージ自動階層制御制限時間

任意

ボリューム内のデータの再配置を打ち切る、[ストレージ自動階層制御実行時間]からの経過時間です。

評価対象曜日

任意

アクセス状況データを評価する際に、評価対象とする曜日です。

評価対象時間帯

任意

アクセス状況データを評価する際に、評価対象とする時間帯です。

評価対象除外日設定

任意

アクセス状況データの評価対象外とする日です。

データ種別

任意

アクセス状況データの種別です。
現在は、IOPS固定です。

階層のデータ範囲

任意

各サブプールのデータ範囲を手動設定するかシステムで自動設定するかの指定です

"自動設定"(推奨)を指定すると、システムが、ボリューム内のデータの再配置基準を自動的に決定します。

Lowのデータ範囲

任意

TierプールのLowサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲です。(注2)

Middleのデータ範囲

任意

TierプールのMiddleサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲です。(注2)

Highのデータ範囲

任意

TierプールのHighサブプールに配置する際の基準とするIOPS値の範囲です。(注2)

注1: 指定が「任意」の項目では、指定を省略するとデフォルト値が設定されます。
注2: 範囲を指定しない場合は、システムによって自動で再配置されます。

階層化ポリシーの作成方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「階層化ポリシーの作成」を参照してください。

ポイント

[実行モード]を"Auto"、[階層のデータ範囲]を"自動設定"にすると、システムは、ボリューム内のデータの再配置基準を自動的に決定し、最適に再配置します。通常は、この組合せでの指定をお勧めします。

[階層のデータ範囲]を"手動設定"にする場合は、各サブプールのデータ範囲の最適値を見極めるために、[実行モード]を"Semi-Auto"または"Manual"にして、評価と再配置を試行することをお勧めします。

以下の例を用いて、階層化ポリシーに従って評価・再配置が実行されるタイミングを説明します。

設定例1

毎日8:00~17:00のアクセス状況を基に、18:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"1Day"、[評価対象時間帯]を8:00~17:00、[ストレージ自動階層制御実行時間]を18:00に設定します。
毎日、8:00~17:00のアクセス状況データに対する評価が、18:00に開始されます。

設定例2

1週間のうち、月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、土曜日の0:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"7Day"、[評価対象曜日]を月曜日~金曜日、[ストレージ自動階層制御実行時間]を0:00に設定します。
土曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、毎週、月曜日~金曜日のアクセス状況データに対する評価が、7日後の土曜日の0:00に開始されます。

設定例3

8時間分のアクセス状況を基に、8時間毎にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"8Hour"に設定します。
評価期間は0:00を起点とするため、2:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始すると、2:00から8:00までの6時間分のアクセス状況データに対する評価が8:00に開始されます。そのあとは、8:00~16:00までの8時間分が16:00に、16:00~24:00までの8時間分が24:00に評価されます。

設定例4

1週間のうち、月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、毎週土曜日の0:00にストレージ自動階層制御を実行する場合の設定例です。
[評価期間]を"1Week"、[評価対象曜日]を月曜日~金曜日、[ストレージ自動階層制御実行時間]を0:00に設定します。ストレージ自動階層制御を開始した日時に関わらず、初回の土曜日の評価は行われず、初回の土曜日から1週間分の月曜日から金曜日のアクセス状況を基に、次回の土曜日の0:00に評価が開始されます。

木曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始した場合は、以下のとおりです。

ストレージ自動階層制御を開始後、すぐにストレージ自動階層制御の運用を行いたい場合は、[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定します。
木曜日の0:00にTierプールに対するストレージ自動階層制御を開始した場合は、以下のとおりです。

ストレージ自動階層制御を開始してから、初回の土曜日までの2日間分のアクセス状況データに対する評価が、初回の土曜日の0:00に開始されます。次回以降の評価は、月曜日から金曜日までの5日間分のアクセス状況データに対する評価が、毎週土曜日の0:00に開始されます。

注意

[評価実施曜日]は、[実行モード]が"Auto"または"Semi-Auto"、かつ[評価期間]の単位が"Week"の場合だけ指定できます。

[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定して、評価期間を満たしていない状態で評価した場合、アクセス状況データが少ないため、意図しない評価結果になることがあります。

[初回の指定曜日から評価実施(評価期間不足でも実施)]を設定してストレージ自動階層制御を開始しても、以下の場合は評価・再配置が行われません。

  • アクセス状況データが1日(24時間)以上採取できていない場合

  • アクセス状況データを採取する期間を、すべて評価対象除外日に設定している場合

  • アクセス状況データを採取する期間を、すべて評価対象曜日に設定している場合