ストレージ自動階層制御による、ボリューム内のデータの移動基準は、“階層化ポリシー”として定義します。
階層化ポリシーの設定に対する考え方を以下に示します。
ボリューム内のデータを移動するために用いるアクセス状況を考慮した、対象ボリュームに対するIOPSの評価期間内の、「ピーク値」または「平均値」です。
評価期間において、短時間であってもIOPS値の高いデータを高速なディスクに配置するには「ピーク値」を、IOPS値が定常的に高いデータを配置するには「平均値」を選択します。
対象ボリュームのデータへのアクセス状況に応じて、選択してください。
対象ボリューム内のデータへのアクセス状況を評価する期間です。
システム構成や利用形態に応じて、以下から選択できます。
時間単位(2、4、6、8、12時間)
日単位(1~31日)
週単位(1週)
日単位の値を選択した場合は、1日(24時間)のうち、評価したい時間帯を指定できます。また、アクセス状況データを評価、再配置を開始する時刻(ストレージ自動階層制御実行時間)を指定できます。
週単位を選択した場合は、日曜日~土曜日の期間を評価対象として、アクセス状況データを評価します。評価対象とする曜日は、「評価対象曜日」で指定します。また、日単位を選択した場合の指定に加えて、「評価実施曜日」を指定できます。
対象ボリュームを利用している業務への影響を考慮したうえで、適切な評価期間、評価対象とする時間帯、再配置を開始する時刻を設定してください。
例
業務時間が9:00~17:00、バックアップが夜間0:00~2:00のシステムの場合、かつ、業務I/Oだけをストレージ自動階層制御の対象として毎日再配置を実行する場合の設定は、以下のとおりです。
項目名 | 指定内容 |
---|---|
評価期間 | 1日 |
評価対象時間帯 | 9:00~17:00 |
ストレージ自動階層制御実行時間 | 2:00 |
評価基準や評価期間の最適値は、システム構成や利用形態に依存します。
このため、ストレージ自動階層制御では、3種類の実行モード(Auto、Semi-Auto、Manual)を用意しています。"Semi-Auto"または"Manual"の実行モードでは、ボリューム内のデータを実際に移動することなく、移動対象のボリュームやそのデータ量を把握できます。階層化を詳細に制御する場合で、IOPSの値を決めるときに使用してください。
以下に、それぞれの実行モードについて説明します。
実行モード | 実行内容 | 選択目的 | |
---|---|---|---|
階層化ポリシーに従った | 手動で必要となる作業 | ||
Auto |
| - | 通常運用時に選択します。 |
Semi-Auto |
|
| 以下の場合に選択します。
|
Manual |
|
| 以下の場合に選択します。
|
ボリューム内のデータを移動するためのアクセス状況データの、評価対象曜日および評価対象除外日を指定できます。業務に沿って評価対象をきめ細かく設定する場合に指定してください。
評価対象曜日には、アクセス状況データの評価の対象とする曜日を指定します。
評価対象除外日には、アクセス状況データの評価の対象外とする日付を指定します。
注意
OSのサマータイム機能を有効にしている場合、サマータイムの切替えが行われる時刻をストレージ自動階層制御実行時間に設定しないでください。アクセス状況データの評価、およびボリューム内データの再配置が、正しく行われません。